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インターネット公開文化講座

文化講座

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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

環境と色彩

 色には誰もが共通に感じる効果があります。今回は暖色系(赤、橙、黄な ど)と寒色系(青緑、青など)の色の持つ感情的効果や機能的効果についてお話ししましょう。カーテンの色をブルーからピンクに変えただけで部屋が暖かく感 じたり、反対にベッドカバーや枕カバーをブルーにすると気持ちが落ち着き、よく眠れるようになったりします。これは、暖色系と寒色系の色の持つ感情効果が 違うからです。暖色系は寒色系より心理的に3℃ほど温度が高く感じるといわれています。また、暖色系は時間を2倍に過大評価し、寒色系は半分に過小評価し てしまいます。たとえば、暖色系の部屋では、30分しか居なくても1時間位いたように感じ、寒色系の部屋では1時間居ても30分位にしか感じないというこ とです。ファーストフードのお店の内装が暖色系なのはお客の回転率を高めるためでもあるのです。

 人間は目で色を捉えているだけでなく、皮膚で も色を感じています。赤系の色が多い部屋にいると筋肉の緊張度が高くなり、心拍数が上がり、血圧も高くなります。反対に青系が多い部屋では、筋肉の緊張度 が減少し、心拍数が下がり、血圧も低くなります。寝室に寒色系が向くのはこのためです。

 企業では、明るい灰色や寒色系の色が内装に多く使われています。これらの 色は刺激がないので邪魔にならず、仕事の能率を上げるのに適切な色なのです。反対に食堂やリフレッシュルームは、気分を変えて会話が弾み、楽しく過ごせる よう明るい暖色系の内装を施すのがよいでしょう。インテリアだけでなく、街づくりの色彩計画は、文化国家といわれる国ほど進んでおり、ユニバーサルデザイ ンをはじめとして人々が安全に快適に過ごせるような色彩による機能的配慮が行われています。

 色の持つ不思議な力を味方にして、まずはご自宅のインテリアの色彩計画をしてみてはいかがでしょうか?季節や体調によってカーテンやカーペットなどの色を変えてみるとその効果がよくわかると思います。

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