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ぐっすり眠れる快眠法のすべて

一般社団法人 日本快眠協会 理事長
日本心身医学会学会員/睡眠学会学会員
今枝 昌子

~時差ボケと睡眠~

<秋の快眠>
時差ボケについて

秋になると、出張や、旅行に出かける機会が増えてきます。
特に、企業の出張の場合、
移動中が宿泊だったりして、1週間の出張もまともにホテルで眠れず、飛行機泊が3泊もあったなどという話もお聞きしたりします。

そんな出張のお助けになれることを願って、
今月は、時差ボケについてお伝えさせていただきます。

一般的に 時差ボケ と呼ばれているものは、睡眠医学では 時差障害 と言います。
国際的な診断基準に従うと、次の3項目に当てはまる場合が、時差障害です。

  • ジェット旅客機に乗って、少なくとも3時間以上の時差がある場所へ旅行したときに、不眠や過眠を自覚する。
  • 旅行後1~2日以内に、昼間の心身の機能が落ちたり、全身がだるくなったり、胃腸障害などの体の症状が出る。
  • その睡眠障害の状態が、他の睡眠障害や内科・精神科的な病気、薬物の使用などでは上手く説明できない場合。

時差ボケによる症状で最も多いのが、睡眠障害です。

日中の眠気や知的な作業能率の低下、疲労感、食欲低下、ぼんやりする、頭が重い、胃腸障害、目の疲れ、吐き気、イライラ感などの症状が起こります。

時差ボケの最大の原因は、『体内時計』の狂いによるものです。

人は、夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるといったサイクルを繰り返しますが、この1日の生活リズムを『体内時計』と呼んでいます。

飛行機で時差がある地域へ短時間で移動すると、体が活動的な状態なのに現地では寝る時間であったり、逆に体は体温が下がって寝る態勢になってきているのに、現地では、全く違う活動をする時間になっている場合、急激な時差に体が対応しきれず、体のリズムが狂ってしまいます。
つまり、時差ボケとは体内時計と実際の時刻の大きなズレにより、生じてしまう障害のことです。
時差ボケの症状は個人差もあり、あまり症状を感じない人もいれば、症状が数日間続く人もいます。
また、行き先によっても感じ方が違うと言われています。
時差が大きくて飛行機に乗っている時間が短い行き先であるほど、時差ボケになる確率と度合いが上がります。

例えば、ヨーロッパと日本との時差と、日本とハワイの時差を比べると、
飛行時間が短く、時差が大きいのは、ハワイになります。
つまり、ハワイはヨーロッパよりも近く感じますが、時差ボケはハワイの方が辛くなります。
では、対処法は、どのようにしたら良いのでしょうか?

 

<解消法>

◇行きの飛行機に乗り込んだら、直ぐに腕時計を現地に合わせる。

機内では、現地の時間を見ながら過ごすように意識します。いつ寝て、いつ起きるかを判断します。

◇出された機内食は、しっかり食べる

体内時計は、食べ物を食べる時間と関わりが強く、機内食が出されるタイミングというのは、基本的に到着地の時間を考慮した時間に提供されるため、出されたら食べることがポイントになります。
ただし、調整を行う事も大切です。動かないことで、消化が進まないのに機内食を食べることで、調子を崩すようでしたら、無理には食べずに食事の時間だけ意識してもいいですね。

◇時差ボケの症状を緩和するには

朝の太陽の光を浴びる事で、狂った体内時計を修正します。朝、眠くても朝日を浴びるようにしてみてください。

そのためのレシピをお伝えさせていただきます。
是非、ご活用ください。

 

<運動>

~体内時計を整える~

体内時計を整えるためには、
まず、自律神経を整えるアプローチをします。そのために、昼間の時間に30分程度のジョギングや水泳を、夜には、身体を落ち着かせるようなゆったり目のストレッチを行います。

美ジョガーなど、ジョギングを見た目からも楽しむ雑誌も沢山出ておりますが、出張先で、ジョギングするってなんだかカッコいいですね。
ただ、やはり時間もないのが現実です。
その場合には、

~身体を緩める背伸び~
仰向けになります。
両手を頭の上で組みます。
手と足を身体から引き離すように全身を伸ばします。
ゆっくりと、5秒カウントしたら、息を吐きながら一気に力を抜きます。これを5回繰り返し行います。

 

<食事>

~長時間のフライトは、胃腸に負担を掛けるため、フライト前は腹6分目程度に控えておく事が必要です。

帰国後にオススメなのが、体内時計を調整する役割を持つと言われるビタミンB12の豊富なシジミの味噌汁です。肝臓の機能を高め、疲労回復にも高い効果があります。

<レシピ>

材料

シジミ 1カップ
3カップ
合わせ味噌 大さじ 1.5~
万能ネギ 適量

<作り方>

(1) 砂抜きしたシジミと、水を鍋にいれて、中火にかけます。
(2) 味噌をときいれ、ひと煮立ちしたら火を止めます。
(3) お椀によそい、刻みネギを散らします。

 

<アロマテラピー>

~飛行機による旅の疲れを癒します~

◇フライトに、疲れた!という場合
グレープフルーツか、ペパーミント
コップなどに、熱湯を注いだ中に、1~2滴落とし、部屋に香りを広げます。
すっきりした香りで、気持ちをしゃんと引きしめます。

◇不眠
時差ボケの不調で、一番多いのは不眠症状です。
そんなときには、ラベンダーカモミールローマン
ホテルのバスタブにお湯を溜めて、2滴ずつ入れてかき混ぜます。

◇眠気
頭がぼーっとして、スッキリしないときは、ペパーミントか、ローズマリー
ハンカチに1滴垂らして、携帯します。眠気をスッキリリフレッシュさせます。

◇むくみ
飛行機に長時間乗ると、足がむくんでしまうことは、誰もが経験することですが、そんなときには、グレープフルーツや、ジュニパーを植物油に1%濃度で混ぜ合わせ、足に塗布しながらマッサージします。

 

今月は、

時差ボケについてお話させていただきました。
お役に立てると嬉しいです。

今夜もぐっすり眠れますように。

最後まで読んでいただきまして
ありがとうございます。

社団法人 日本快眠協会
理事長 今枝昌子
協会HP
   http://www.kaimin.or.jp
快眠ラボプラスドゥースHP
   http://www.yoi-nemuri.com


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