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知って得するお茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

お茶と保健機能食品制度(4)

~茶ポリフェノールと虫歯予防~  ガムとチョコレートに虫歯予防対策目的の特定保健用食品がある。茶ポリフェノールが有効成分となっているものがある。以前から、番茶や紅茶でうがいをすると虫歯予防になると言われていた。フッ素が沢山含まれているからだと説明されていた。しかし、それ以外の成分も関与していると考えられていた。緑茶、ウーロン茶、紅茶にはポリフェノールが沢山含まれており、虫歯予防になると判ってきた。
近年、ポリフェノールの内でもカテキン類が虫歯菌の殺菌効果と虫歯菌が歯に付着することを阻害するとの二つの作用から虫歯予防になると言う。

虫歯は虫歯菌が原因となる。食べ物の残り滓である糖類が歯に付いていると酵素反応によって歯の表面に粘着性のある多糖のグルカンと呼ばれるものを作る。そのグルカンが歯の表面に付着すると虫歯菌が歯に付着し離れなくなる。そうすると乳酸菌やグラム陰性菌などが繁殖するのに都合の良い条件となるために、歯垢が作られる。

乳酸などの有機酸が発生されて、歯の表面のエナメル層を溶かして歯に穴を開けてしまう。また、歯と歯ぐきの間に歯垢が出来ると歯根の周りに膿を持つようになって、歯槽膿漏となるのだ。カテキン類は虫歯菌の増殖抑制による殺菌作用と虫歯菌の歯に付着するために必要であるグルカン合成抑制をする作用がある。それ故に虫歯予防に役立つと判る。以上の事実があり、江崎グリコ社製のガムとチョコレートには虫歯の原因とならない甘味料と茶ポリフェノールを加えて虫歯予防対策となる特定健康用食品としている。

一方、虫歯予防にはミネラルのフッ素がカルシウム塩として歯の生成や歯質の強化に役立つことが知られている。古葉を用いる番茶はカテキン類もフッ素も多く含んでいる。また、カテキン類は防臭効果も持つ。そうなると番茶でうがいをしたり、飲むことは虫歯予防対策となると予想出来る。しかし、今だ、特定保健用食品の認可を得ていないのが不思議だ。特別の理由があるのだろうか。それは何故か・・・。

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