文化講座
お茶と保健機能食品制度(2)
~特定保健用食品~ 特定保健用食品が保健機能食品制度の中心に位置づけられている。その定義は栄養改善法の中で次のようだ。「特別の目的で摂取するものに対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品」なのだ。そして、先回述べたような目的を持つ。個別許可型の食品で、食品が持つ特定の効用表示をするに値する科学的根拠を示して、厚生労働大臣の許可を得なければ認められない。
特定保健用食品の許可は、既に此の4月からスタートした保健機能食品制度以前から、栄養改善法に基づいて平成3年9月1日から始まっていた。
平成13年4月17日現在、特定保健用食品の表示が許可されている食品は251商品に及んでいる。つまり、具体的な食品が持つ効用の表示が認められる政府基準を満足した健康食品の数だ。その表示マークは既に前回示した通り。
効用別に現在認められている食品を分類整理してみると次のようなものとなる。
おなかの調子対策食品 | オリゴ糖類、乳酸菌類、植物繊維類や難消化性繊維等を主成分とする。腸内細菌バランスを整えたり、便通をよくする効用を有している。 |
血中コレステロール |
植物性の食物繊維、大豆蛋白質やペプチド、食物ステロールエステル等を主成分とする。コレステロールの吸収を抑制する作用を介する。 |
血中中性脂肪や体脂肪 を抑制する食品 |
グロビン蛋白分解物かジアシルグリセロール植物性ステロールを含み、吸収や蓄積を抑える。 |
高血圧対策食品 | 杜仲葉配糖体、ペプチド等を含み、血圧上昇を抑制するもの。 |
ミネラル不足対策食品 | 鉄、Ca等を補給、吸収を高める成分を含む。 |
血糖対策食品 | 難消化性デキストリン(食物繊維)、グアバ葉ポリフェノール、 L−アラビノース、小麦アルブミン等を含み、糖分の消化吸収を抑制する。 |
虫歯対策や歯を丈夫に する食品 |
虫歯の原因とならない甘味料、歯の脱灰抑制や再石灰化増強物質、虫歯予防となる茶ポリフェノールを含むものがある。 |
以上が現在の医学、栄養学的に認められている効用の主なものだ。癌や老化予防と表示可能な食品は今だ認められていないと判る。