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知って得するお茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

お茶と保健機能食品制度(3)

~お茶成分のまとめ~ お茶成分で特定保健用食品に用いられているものについて考えて見る。その前に、まず、茶に含まれる機能性成分を思い出すために復習する。乾燥茶葉中に含まれる量も示す。

ポリフェノール 主成分は特に多いカテキン類で茶葉の10~25%。古葉に多い。フラボノールと呼ばれる成分も多いが多くの野菜にも含まれるものだ。草木染めの成分ともなる。ケルセチン、ルチン等0.6~0.7%に及ぶ。

カフェイン コーヒーにも含まれていることで知られている。2~4%に及ぶ。

ビタミン類
(100g中の含量で示す)
ビタミンC(150~250mg)、ビタミンE(25~75mg)、βーカロチン(13~29mg)。他に水溶性ビタミンとしてB1、B2、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチン等が含まれる。

ミネラル類 沢山の種類が含まれる。ナトリウム、カリウム、リン、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、セレン、フッ素、ホウ素、ヨウ素。虫歯予防に役立つフッ素(90~350ppm)は番茶等の古葉を用いる茶葉に多い。味覚異常、皮膚炎防止に有効な亜鉛は30~75ppmとなる。甲状腺機能に必要なヨウ素も他の食品に比して多めで、若芽に多く含まれており、45~120μgになるという。

アミノ酸類 テアニン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、セリンが多い。甘味、旨味、苦味、酸味と言った味に関係したアミノ酸が主で前述の五種で90%のアミノ酸を占める。特に、カテキン類と同じくお茶に特長的に多いアミノ酸であるテアニンが60%を占めている。玉露や抹茶等の上等と言われるお茶に多く含まれている。100g中の茶に2000mgに及ぶ。アルギニンは300mg、グルタミン酸は280mg、アスパラギン酸は230mg、セリンは210mg。いずれのアミノ酸類も上等ものに多く含まれる。血圧に関係するGABAもアミノ酸の一種。ギャバロン茶では100~200mgとなる。

香気物質 638種位知られる。アロマ成分となる若葉のさわやかさ(シス−3−ヘキセノール)、青海苔よう(ジメチルスルフィド)、スズランの香り(リナロール)、柑橘ようの香り(リモネン)。加熱による香ばしい香り(ピラジン類、フラン類)など。

以上が主なものだ。
保健機能食品の立場から検討して見よう。

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