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知って得するお茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

お茶の飲み方(4)

この六月二十六日には米国のクリントン大統領と二年前に設立されたばかりの一米国のベンチャー企業、セレーラ・ジェノミクス社のベンター社長が共に出席してホワイトハウスで記念式典を開いた。そこで、ヒトゲノム(全遺伝情報)解読がほぼ完了したと発表した。つまり、人の設計図となる遺伝情報マップが明らかとなった。
次は、遺伝子が前述のゲノムのどこにあるかを決めることに重点が移る。遺伝子マップを解読するのだ。

そうなるとお茶の飲み方にも大きな影響がある。遺伝子情報が明らかになると病気、寿命等の予想まで可能となる。ヒトゲノム情報は人間の染色体を構成するDNAの四種の塩基配列、つまり、A(アデニン)とT(チミン)、G(グアニン)とC(シトシン)が約三十億の対をなしている配列順が判ったのだ。その配列の所々には約十万個あると予想される遺伝子情報が組み込まれている。その遺伝子が生きるのに必要な情報を発信するのだ。発育、成長、老化のカラクリが明らかになると同時に遺伝子情報の発現と病気発生との関係や、原因も判るようになってくる。

自分は長生き出来る体質なのか。アルツハイマー病や癌に罹り易い体質なのかも予想可能になるのだ。また、遺伝子を操作できるようになれば、それが病気の治療法ともなる。
例えば、長寿となるように変えるのだ。

そこで問題となるのが、巷の話題となっている栄養食品や成分と健康との関係である。お茶や赤ワインを飲むとカテキン類のようなポリフェノール(ポリ)が沢山含まれているから、老化や癌予防になると言うような情報が正しいかどうかも明らかになっていく。「お茶を飲むと老化や癌予防になる」とか、その理由が「ポリの抗酸化作用による」との説明が必ずしも正しい訳ではない。

「お茶の飲み方がポイント」なのかも知れないのだ。こうした事実も遺伝子解明によって次第にはっきりする。

お茶を飲む御利益は、赤ワインを飲む場合も同様だと思うが、ただ、単に、ポリが含まれるとか、抗酸化作用が問題ではなくて、お茶の飲み方、例えば、時間をとって、人々と談笑しながら飲む様式が大切なのかも知れない。言って見れば、心霊的な効果による遺伝子調節が有益なのだと判明するかも。

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