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知って得するお茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

お茶と老化予防[2]人での効用は

お茶に含まれるポリフェノール(ポリ)はカテキン類も含めてフラボノイド(フラボ)が主。草木染をする人がよく知る名前。今回はフラボ効果を中心に話す。
血中脂質、心臓や脳が虚血となる疾患、つまり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞や脳出血に対する予防効果がどのようであるか検討してみよう。

お茶の血中コレステロール値低下に対する影響:
緑茶は防衛大学と埼玉ガンセンターの研究では減少させるという。一方、生活習慣、食事、栄養条件まで調整した結果を出した国立ガンセンターは効果なしとした。紅茶で見ると英国の研究では効果なし。オランダでも1日に900ml(6杯)の緑茶か紅茶を4週間飲んでも血清脂質には影響なしと言っている。

お茶摂取とLDLの酸化され易さ:
米国の臨床栄養学会誌(1997年)に日本とオランダからの発表がある。日本の研究では紅茶を1日に750mlを4週間飲むと効果が出るという。オランダでは900mlの紅茶か緑茶を4週間飲んでも効果はなかったとのこと。

心臓病とお茶:
オランダで行った疫学調査がある。ポリでもカテキン類よりは赤ワインなどで話題となるケルセチンなどのフラボに注目がある。この場合、お茶は紅茶が主となる。主な日常のフラボ摂取源はお茶から48%、オニオン29%、リンゴ7%、赤ワイン1%であったと言う。フラボを沢山摂取する高齢男性の冠動脈疾患で死の危険性が2.4倍少なくなった。また、お茶をよく飲む人は1.8倍ほど死亡する人が少ないそうだ。しかし、英国や南アフリカの報告では否定している。米国ハーバード大学グループの論文では予防効果には否定的だが、既に冠動脈疾患のある男性には予防効果の可能性を示唆した。

脳卒中とお茶:
オランダグループの論文によればフラボを多く摂取した人達では脳卒中が3.7倍ほど少なくなったという。フラボの約70%は紅茶から摂取。紅茶を1日4.7杯以上飲む人は2.6杯以下の人達より3.2倍ほど脳卒中が減ったとのこと。しかし、追試が必要だ。

以上フラボ中心の成績では効果の程はまだ未定と見るのが現実だ。何が一体問題なのでしょう。

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