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知って得するお茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

お茶と老化予防[1]抗酸化物質

お茶が不老長寿に役立つと昔から言われる。第一の理由として、酸化を防止する、つまり、抗酸化作用を持つポリフェノール(ポリ)のカテキン類やケルセチン等、ビタミンであるC、E、また、カロチノイドの仲間のベーターカロチン等が含まれているからだと考えられている。

老化予防にとって一番大切なのは、必要な栄養物等を体の隅々まで運ぶ血管の老化(動脈硬化)を防ぐことにある。心臓や脳の血管が老化して起こるのが狭心症、心筋梗塞、脳梗塞なのだ。つまり、動脈硬化発生を予防することが肝となる。

動脈硬化は血管壁の内側で悪玉コレステロールで知られるLDLが酸化を受けることから始まる。酸化LDLとなれば食細胞と呼ばれる細胞に食べられて、血管内に溜まるようになる。そして、次第に、血管内腔が細くなり、詰まってしまう。それが心臓や脳の血管に起これば前述の病気となる。

それでは抗酸化物質が何故に動脈硬化予防になると考えられているか理解しよう。動脈硬化予防には、前述で判るようにLDLが酸化を受けないようにすることが肝心となる。そこで、抗酸化物質の役割が大切となる。抗酸化物質がLDLを酸化されないようにする作用を持っているのだ。

私達が飲むお茶は通常100ml中に50~100mgのポリを含んでいる。話題の赤ワインでは100ml中にポリが1~2mg程度であるから、お茶には如何に沢山含まれているか判ると言うもの。さらに、緑茶にはビタミンCの他に、抹茶のように葉ごと飲む場合、脂溶性抗酸化物質、つまり、脂に溶けるビタミンEやベーターカロチンまで摂取が出来るようになる。言って見れば、お茶は量的にも質的にも抗酸化物質を各種含んでいる宝庫なのだ。

しかし、抗酸化物質は、逆に酸化を促進する作用も条件によっては持っていることが多いから要注意。また、赤ワインにも含まれているケルセチン等は変異原生、つまり、発癌性を持っている可能性もなきにしもあらずなのだ。それ故、現在のところ、こうした抗酸化物質のどんな種類をどの位の量で、どのようなタイミングで摂取すべきか定かではない。

それではどうすればよいか、次回で考えてみよう。

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