文化講座
お茶とバイアグラ(Ⅱ)
喫茶は人の生きがいにとって大切な役割を果たす。一方、バイアグラも生きがいに役立つ薬であり、「生活の質改善薬」「ライフスタイルドラッグ」と言われる。
以下の話は「お茶健康記」(山中宗直・淡交社)を参考にすると良い。
性交に必要な「勃起」は次のような機構で起こる。 性的刺激によって、陰茎の海綿体にある平滑筋細胞と動脈の弛緩によって、充血、勃起が起こるのだ。
この陰茎海綿体の弛緩にはNO(一酸化窒素)と呼ぶ気体が必要だ。NOは平滑筋細胞に加えて、陰茎の非アドレナリン・非コリン性神経と細動脈の血管内皮細胞から放出される。
NOはサイクリックGMP(cGMP)と呼ぶ化学物質を酵素反応によって作る。このcGMPが前述した陰茎海綿体の作用を誘発して勃起が起こるのだ。
そのcGMPはホスホジエステラーゼ五型(PDE五型)という酵素によって分解されてしまう。しかし、勃起が続くためにはcGMPが必要なのだ。バイアグラはPDE五型に作用をして、cGMPが分解されないようにする。それ故に、cGMPの作用が存在して勃起が続くようになると判る。
cGMPが出来るのはNOが存在するとグアニルサイクラーゼと呼ぶ酵素によって作られる。つまり、NOの存在が重要だと理解できよう。そうなるとNOがどうすると発生するかが問題となる。
そこに、お茶も関連してくるのだ。
NOはアミノ酸の一種アルギニンからNO合成酵素によって作られる。NOが出来るためにはアルギニンが不可欠なのだ。つまり、アルギニン→NO→cGMPが関係して勃起が起こる。
一方、バイアグラはcGMPが分解されないようにする薬として効くのだ。しかし、アルギニンがなければcGMPは出来ないと判る。
そうなるとアルギニンとバイアグラは共に勃起に有効となるのだ。そのアルギニンがお茶に含まれている。
お茶、特に高級な緑茶、玉露、抹茶等にはアミノ酸は多く含まれている。 日本茶にはアミノ酸の内で味覚の素になるテアニン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、セリンで90%を占める。その内、テアニンが60%位であるが、続いて多いのがアルギニンなのだ。
以上から、お茶とバイアグラの併用は勃起に役立つと推察、理解できよう。