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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

音と色彩

 音を聴くと、それに伴って色が見える現象を「色聴」といいます。通常、音の刺激に対しては五感のうち聴覚のみが反応するのですが、同時に視覚も反応するということです。このような感じ方にはかなり個人差があり、強く感じる人とそれほど感じない人が存在します。
くだものイメージ
色聴者は成人では10人に1人ぐらいの割合だといわれています。子供たちの多くが共有し、原始人には広く存在していたといわれています。また、年齢が増すにつれて減少し、子供の頃に体験していても大人になると感じなくなるという場合もあります。
 「音色」という言葉があるように、音と色には深い関係があります。イギリスの科学者ニュートンは、著書「光学」の中でスペクトル(虹のように現れる光の帯)の7色を音階にあてはめていますし、ドイツの文学者ゲーテは友人に宛てた手紙の中で楽器の音色を色にたとえています。
穀物イメージ
さらにロシアの画家カンディンスキーは、絵画の世界に音楽を持ち込みました。そこでは明るい青をフルート、濃紺をチェロ、黒をコントラバスの響きにたとえて、「色彩には音楽的な響きがある」と主張しています。女性のカン高い声を「黄色い声」というように、高い音には明るい色のイメージがあります。逆に、低く不明瞭な声を「澱んだ声」というように、低い音は色が混じり合った暗いイメージです。
くだものイメージ
また、激しいリズムは暖色系(赤、橙、黄)、静かで落ち着いたリズムは寒色系(青緑、青)のイメージがあります。
 ウォルト・ディズニーの作品「ファンタジア」は音楽と色彩を融合させた最高傑作の音楽映画です。
穀物イメージ
この作品のなかでも、ドイツの大作曲家ベートーベンの交響曲、第六番ヘ長調op.68「田園」の全曲が色彩に翻訳されて見事に描かれています。最近では、コンサートなどでもレーザービームによる音と光の多彩な演出がなされています。アーティストが音にどんな色のイメージを抱いているか探って見てみるのも面白いと思います。感性が豊かだった子供に戻って、是非「色聴」を取り戻してみたいと思いませんか?
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