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インターネット公開文化講座

文化講座

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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

色の名前

色にはいろいろな名前があります。その国の文化や歴史が色の名前に反映しています。だれもが知っている赤、黄、緑、青、紫といった名前に隠された意味を探ってみましょう。
赤のイメージ画像
日本語の「アカ」は、「明かし」という語源で夜が明けて周りの色がはっきり見える状態をいい、初めは色の総称だったといわれています。曙(あけぼの)、茜(あかね)、明かり(あかり)はいずれも「アカ」を語源とする言葉です。
黄のイメージ画像
「黄」は「輝」、明るく輝く状態を意味します。もともと「黄」という字は火矢を表す象形文字であり、火矢が四方八方に飛び散り、どの光輝くさまから生まれたといいます。また、一説には、光と田が組み合わさった文字であるともいわれています。黄金色に輝く田んぼからの連想なのでしょうか、稲作を糧とする民族にとって稲穂が実る色は希望の光でもあったのでしょう。
緑のイメージ画像
「緑」は「目出(めづ)る」。青の要素をふくんで「みずみずしい」が語源といわれています。緑は、古代では「アオ」といわれていました。日本人は昔から、美しい緑の植物を「青葉」「青柳」などと呼び。野菜を「青もの」と呼ぶように、青と緑は表現上、区別なく使っていたようです。英語のGreenはGrass(草)、またはGrow(芽生える)が語源といわれています。「緑」は最も自然と共鳴する色名ではないでしょうか。
紫のイメージ画像
紫は「群咲(むらさ)き」という語源です。古代より高貴な色とされてきました。紫色の染料を根に持つ紫根草は、大変貴重なため古代より一般の人には使用が許されない「禁色(きんじき)」とされてきました。紫根草は、夏に小さな白い花を咲かせます。その群れて咲くさまから「群咲き→むらさき」となった、といわれています。また、その紫根草を伝えたのが朝鮮半島の人で、紫色を意味する「ポラサキ(ポラセック)」が訛ったものではないか、という説もあります。
このような自然の状態を表す言葉から由来する色名以外に動植物の名前、鉱物や顔料、染色名、地名、人名などから由来する色名もあります。色を見て、その色名にどんな意味があるか想像力をはばたかせてみるのも面白いです。
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