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インターネット公開文化講座

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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

季節の色

 皆さん次のような言葉をどこかで見たり聞いたりしたことがありませんか?

 青春(せいしゅん)・朱夏(しゅか)
 白秋(はくしゅう)・玄冬(げんとう)

この4つの言葉はそれぞれの季節を表した言葉です。春夏秋冬とペアになった文字がそれぞれの季節の色を表しています。

木(木行)
木の花や葉が幹の上を覆っている立木が元となっていて、樹木の成長・発育する様子を表す。「春」の象徴。
火(火行)
光り煇く炎が元となっていて、火のような灼熱の性質を表す。「夏」の象徴。
土(土行)
植物の芽が地中から発芽する様子が元となっていて、万物を育成・保護する性質を表す。「季節の変わり目」の象徴。
金(金行)
土中に光り煇く鉱物・金属が元となっていて、金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表す。収獲の季節「秋」の象徴。
水(水行)
泉から涌き出て流れる水が元となっていて、これを命の泉と考え、胎内と霊性を兼ね備える性質を表す。「冬」の象徴。

 これは古代中国に端を発する自然哲学の思想で、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという考えからきています。5種類の元素は『互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する』という考えが根底に存在しています。「木は燃えて火を生む、 物が燃えればあとには灰が残り、灰は土に還る。 金属の多くは土の中にあり、土を掘ることによってその金属を得ることができる。 金属の表面には凝結により水が生じる。 木は水によって養われ、水がなければ木は枯れてしまう」という考え方です。 一説によると、元素を5つとしたのは、当時中国では5つの惑星が観測されていたためだといいます。春秋戦国時代の末頃に陰陽思想と一体で扱われるようになり、陰陽五行説となりました。四季の変化は五行の推移によって起こると考えられました。また、方角・色など、あらゆる物に五行が配当されています。そこから、四季に対応する五行の色と四季を合わせて、青春、朱夏、白秋、玄冬といった言葉が生まれたのです。
 ちなみに、風水、四柱推命、八卦、干支、動物占い、天中殺など日本に定着している占いはこの陰陽五行説が基になっています。

■方位と色の関係
方位 五行 季節
中央
赤(朱)
西
黒(玄)


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