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インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

浴衣のコーディネート術


《絞りの浴衣》
 夏の風物詩の一つである浴衣。夏祭り、盆踊り、花火大会が各地で行われる8月こそ日本の夏のファッション「浴衣」を楽しみたいものです。ゆかたとは、浴衣、という漢字からもわかるように、そもそもは鎌倉・室町時代、湯浴みをするときに使った湯帷子(ゆかたびら)=麻や木綿の単衣の着物を略した呼び方なのだそうです。浴衣は着物と違い、値段も安く簡単に着付け出来ることから、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層に愛されています。

《モダン系》
 浴衣の多くは白や藍・紺色などの涼しげな色合いの生地に秋の草花や金魚などの柄が描かれているものが一般的です。藍や紺といった古典的なブルー系は、粋な雰囲気をかもしだしてくれます。現在は和風ブームということもあり、有名ブランドメーカーも浴衣を制作しているので、色々な素材・カラフルな色や柄のプリントがされている「ブランド浴衣」と呼ばれるものも多く出回っています。こちらは古典的な浴衣にないモダンなものが多く、自分らしい着こなしが楽しめます。小柄な人には小さめの柄、大柄な人には大きな柄が似合います。地の色は是非、ご自身のパーソナルカラーを活かして似合う色を選んでください。そして、少し値が張りますが、一枚は持っていたい憧れの絞りの浴衣は、地厚で透けることを気にせずに着られます。肌ざわりもよく、そしてなんといっても手の込んだデザインと豪華な印象で、長襦袢で着付ければステキな外出着にもなります。

《可愛い系》
 浴衣の印象は、帯によって色々なバリエーションに変化します。帯の色合いを変えるだけで、大胆で華やかな『かわいい系』コーディネートにも、シックで大人な『きれい系』コーディネートにも出来るのです。帯選びのポイントは浴衣の「色」と浴衣に描かれている「模様」です。衣の色や、描かれている模様と同じトーンの帯を選べば「浴衣に合わない」ということは、まずありません。例えば『かわいい系』コーディネートにするなら、明るいピンクや白地のやわらかい印象の浴衣に、浴衣より少し濃いめの色合いの帯を選ぶと、メリハリが付きキュートに仕上がるのでおすすめです。

《きれい系》

《レトロ系》
 『きれい系』コーディネートにするなら、紫やブルーなどの涼しげで落ち着いた色の浴衣に、浴衣に描かれている花や金魚などの絵柄(模様)と同系色の帯を選ぶと、全体に統一感が出て上品できれいな印象に仕上がります。また、紺や白などのシックな浴衣には、同系色よりも赤や黄色などの原色を合わせて色を強調するようなコーディネートにすると個性的な着こなしになります。渋い色合いの反対色の組み合わせはレトロな雰囲気を出してくれます。うちわやゲタなどは、浴衣の雰囲気をより夏っぽく、より粋に演出してくれる小物です。浴衣を着るときには、浴衣ならではの和風な小物ももちろん使いますが、普段洋服に合わせているようなものも上手く使うと浴衣のコーディネートが楽しくなります。浴衣のコーディネートには小物使いも重要なポイントになりますよね。襟まわりや袋物など、一般的な小物でも、浴衣で出かけていく時の場所や時間によって色々使い分けられれば、浴衣でのお出かけももっと楽しむことができます。
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