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インターネット公開文化講座

文化講座

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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

色の心理的作用

色には言葉や音楽と同じように、人間の生理や感情に働きかける多大な力があります。 私たちの日常生活は色からさまざまな影響を受けています。たとえば、暖色、寒色といわれるように、色は私たちの温度感覚に影響し、「暖かさ」「冷たさ」という体覚作用につながります。(第10回参照

色は距離感覚や物の判断等にも影響を与えます。同じ位置にある色でも近く に感じる色と遠くに感じる色があります。暖色系で明るい色、鮮やかな色は進出するように見え、寒色系で暗い色、濁った色は後退して見えます。デザインや コーディネートでも、進出色、後退色を使い分けることで、立体感や遠近感を演出することができます。

暖色系 寒色系

明るい色は軽く、暗い色は重く感じます。もし部屋の天井が暗い色だったら 圧迫感があり、部屋が狭く見えてしまいます。ファッションでは、シャツやブラウスなど上部に明るい色を、スカートやパンツ、靴など下部に暗い色を持ってく ると、安定感が出て落ち着いた感じがします。反対に上部に暗い色、下部に明るい色を持ってくると、足取りが軽くなりスポーティーな感じがします。旅行鞄な ど大きい鞄は、明るい色を選ぶとよいでしょう。同じ重さでも明るい色の方が軽く感じるので疲れません。

天井が明るい場合 天井が暗い場合

また、明るい色は暖色、寒色を問わず柔らかく見え、優しく、柔らかい感じ がします。寝具やパジャマなどは軽くて柔らかい色の方がくつろげます。暗い色には、高級感、重厚感があり、クールでモダンなイメージを持っています。カ ジュアルさはないのでフォーマルな場所に適しています。

色は大きさも変えてしまいます。同じデザインの洋服でも白、ピンク、ク リーム色など明るい色は太って見え、黒、紺など暗い色はやせて見えるのは体感されたことがあると思います。碁石は白と黒の石を使いますが、白石と黒石の大 きさが同じだとゲームがやりにくいので黒石をやや大きく作ってあるのはご存知ですか?

同じサイズの丸 黒が少し大きい丸

毎日何気なく見ている色、身近にありすぎて誰でも簡単に使えるところに落とし穴があります。好む好まざるに関係なく、色には誰もが共通に感じる感情があり、他の感覚機能と結びついています。間違った色の使い方をすると肉体的にも精神的にも疲労感が生じます。色の心理的作用を活用しておしゃれで快適な生活空間を築きましょう。

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