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インターネット公開文化講座

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カラーコーディネーターに聞く色の活用術

栄中日文化センター講師
竹内 ゆい子

心と体のカラーバランス

 今まで好きだった色が急に嫌いになったり、反対に関心がなかった色が無性 に欲しくなったりすることがあります。人間は常に自分を安定させるのに都合のよい刺激を求めていますので、その時々の体調によって好む色が変わります。体 調がよい時は鮮やかな暖色系の色(赤、濃いピンク、橙、黄)を美しいと感じますが、体調が悪い時には鮮やかな色はうるさく感じ、モノトーン(白、灰色、 黒)や暗い色、くすんだ色に惹かれます。体調がすぐれない状態が長く続くと赤を極度に嫌うようになり、紫や青紫を好むようになります。心と体と色の関係を まとめてみました。


惹かれる色

その時の心理状態や体調
イライラ、不満、ストレスを発散したくなっている。歌ったり、踊ったり、体を動かしたくなっている。
明るく、開放的な気分になっている。にぎやかな場所に出て行きたく、人と交流を持ちたいと思っている。食欲があり、健康な状態。
身の回りの幸せや希望に対してまっすぐに向かっている。リラックスして子供のように甘えられる環境におり、心も体ものびのびしている。
パソコンなど長時間目が疲れるような作業をした後。睡眠不足。肩こり。休みが取れず無理をして働き続けており、精神的にも肉体的にも疲れている。
対人関係や会計処理など細かな仕事で疲れがたまっている。眠い時。仕事が気になったり、勉強したいと思っている時。
静かなところに一人でいたい、自分を慰めたいと思っている。病気、あるいは病後。心身に疲れがたまっている。ストレスがたまるほど紫が好きになる。
精神統一したいと思っている。周囲の状況を受け入れて素直に対処したいと思ったとき。安定した状態。
周囲の人や刺激から自分をガードしたいと思っている。環境の変化に不安を覚えるがそれを隠したい。精神的に傷つきたくない、ひとりになりたいと思えば思うほど黒が好きになる。

 心や体の変化を色は教えてくれます。よりよい状態にするために色の心理的・生理的効果を是非、活用してください。(3回目の講座をご覧ください)
 色彩の心理的・生理的効果はすでにいろいろなところで応用されています。病気の治療に色を活用する色彩療法もその一つです。たとえば、気持ちが沈みがちなうつ病の患者の病室では、壁に暖色系を用いて気分を高揚させたり、そう状態の患者にはブルー系の寝室をあてがい、精神的な安定をはかるなどの治療が実際に行われています。

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