文化講座
レッスン7 バールでの会話
フィレンツェ:ホテルから眺めたフィレンツェ
Firenze : Firenze vista dall'hotel
レッスン7 バールでの会話
イタリア人は帰国したら先ずBarに足を運びエスプレッソコーヒーを飲むでしょう。イタリア人にとってエスプレッソコーヒーには特別な思いがあるようです。
バールで、エスプレッソマシンに、細かく挽いたコーヒー豆をフォルダーにぎゅっと詰めてガッシャとマシンに装着すると、カーッという高圧の蒸気の音と、抽出されているエスプレッソの香ばしい匂いがイタリア人の五感を目覚めさせ、細かな薄茶の泡(spuma)の立ったCaffè Espressoを前にしてイタリア人であることの喜びと自分がイタリア人であるという自己確認(identiàアイデンティティー)が出来る唯一の飲み物と言えるのではないでしょうか?
【Caffè Espressoの種類】
Caffè Espressoは、エスプレッソマシンで、圧力をかけて短時間で抽出したコーヒーのことを言います。デミタルカップに約30mlと少量ですが、コーヒーの風味が凝縮されて美味しいエスプレッソコーヒーが出来上がります。ストレートでは濃くて苦いので、砂糖を入れ、よくかき混ぜます。
Caffè lungoは、水の量が約2倍で、抽出する時間が長い(lungo)ところから名付けられました。
Caffè ristrettoは、その逆でエスプレッソコーヒーよりも水量を減らして抽出するコーヒーのことで、エスプレッソよりも更に濃度が濃いコーヒーとなります。
Caffè doppioは、エスプレッソを2杯入れたコーヒーのこと。
Caffè americanoは、エスプレッソ1に対してお湯を3の割合で作られることが多い。
しかしコーヒー豆の焙煎や抽出する方法が違うので、日本で飲まれるようなコーヒーとは違うので注意して下さい。
【砂糖の種類】
Caffè Espressoにはなくてはならないものがあります。砂糖です。イタリア人は甘いものが好きで砂糖をたくさん入れます。バールには種類の違う砂糖が入っている小袋(Bustina)があり好みのものを選びます。4グラム(16カロリー)が一般的ですが、南イタリアでは6グラム、北イタリアでは3グラムと砂糖の量が違うそうです。
Bustina di zucchero
- bianco(ホワイトシュガー)
- di canna(ブラウンシュガー)
- zero calorie(ノンカロリーsenza calorie)
A. Barでの朝食
Barでだされる飲み物の種類
caffè espresso
caffè macchiato(エスプレッソに少し泡立てたミルクを加えたもの)
caffè e latte macchiato(エスプレッソに蒸気で泡立てたミルクを加えたもの)
caffè decaffeinato(カフェイン抜きのエスプレッソ)
caffè corretto(少量のgrappaなどのお酒を入れたエスプレッソ)
caffè d'orzo(大麦から作られたエスプレッソで、カフェインなしの濃いホット麦茶)
cappuccino
Latte macchiato(牛乳に少量のエスプレッソを入れることで染みのついたミルク)
caffè e latte(エスプレッソとミルクを1:4の割合で混ぜて作るカフェオレ)
Barでの朝食では、飲み物とパンなど甘いものを一緒に食べます。その代表がCornettoです。イタリア版のCroissant(クロワッサン)で形は三日月型をしており、中にはチョコレートクリームやピスタチオやイチゴのジャムなどが入ったものがあります。またフランス生まれのBriosche(ブリオッシュ)や、イタリア語で「小さな角状の筒」を意味するシチリア生まれのCannoloも人気です。
暑い季節になると日本人はアイスコーヒーを飲みますが、イタリア人は暑いからといって冷たいエスプレッソコーヒーを飲む習慣はありません。イタリア人は四季問わずエスプレッソコーヒーは熱いもので、氷を入れてまでして飲もうという発想はありません。では他に冷たい飲み物はあるんでしょうか?Spremulta d'aranccia(生のオレンジシュース)、Aranciata(オレンジジュース)などがあります。アイスコーヒーに近いものと言えばCaffè shakeratoがあります。シェイカーに氷を入れそこにエスプレッソコーヒーと砂糖を入れシェイクし、カクテルグラスに注いで出されるものがあります。少しおしゃれな飲み物となります。
(会話例1)
- Buongiorno!
(おはようございます)- Buongiorno!
(おはようございます)
- Buongiorno!
- Prendo un cappucino e un cornetto.
(カプチーノとコルネットお願いします)- Si, come?
(どれにしますか?)
- Si, come?
- Che c'è dentro?
(中には何が入ってますか?)- Alla crema, cioccolato, ablicocca e pistacchio...
(カスタード、チョコレート、杏、ピスタチオ)
- Alla crema, cioccolato, ablicocca e pistacchio...
- Al pistacchio, grazie!
(ピスタチオでお願い!)- Va bene!
(分かりました!)
- Va bene!
(会話例2)
- Vorrei un caffè corretto con un fagottino al cioccollato e poi una bustina di zucchero Zero calorie, grazie!
(カフェ・コレット、チョコレートの入ったファゴットそしてゼロカロリーの砂糖もお願いします)- Sì, signore!
(かしこまりました)
- Sì, signore!
(会話例3)
- Vorrei un cappuccino senza spuma e una sfogliatella, una acqua minerale piccola da portare via.
(泡なしのカプチーノとスフォッリャテッラをお願いします。持ち帰りの小さいミネラルウォーターのペットボトルもお願いします)- D'accordo.
(かしこまりました)
- D'accordo.
イタリアでは、お水(おひや)のサービスがありません。注文しないと待っていても出てきません。お水もacqua mineraleは有料ですので注意が必要です。水道水はacqua naturaleまたはacqua lisciaと言います。炭酸の入っている水をacqua gassata又はacqua frizzanteと言い、炭酸の入っていない水はacqua senza gassと言います。
(会話例4)
- Potrei avere un bicchiere d'acqua, per favore?
(お水いただけますか?)- Si, un'attimo.
(はい、すぐに)
- Si, un'attimo.
B. Barでの昼食
イタリアでは昼食がメインですので、Ristorante(レストラン)へ行きゆっくり食事を楽しむのもいいのですが、最近、時間の余裕がないとか、昼食をカジュアルな雰囲気で食事をしたい人にはTrattoria(伝統料理や郷土料理を提供するお店)やOsteria(地方の名物料理を提供する居酒屋的な雰囲気のあるお店)などがあります。
その他にはRosticellia(惣菜屋さん)などに行き好きな惣菜を選びカウンター席で食事をする人もいます。
Barのお昼も人で溢れています。ビールやワインなどを飲みながらパニーノなどを食べお昼を軽くすませています。
最近ではPanini屋さんが広く受け入れられ、どの町にも人気のあるパニーニ屋さんがあり、昼食時には行列が出来ています。
paniniはpaninoの複数形で、パンの中に「具を詰めたパン」を意味します。
イタリア生まれのサンドイッチとかハンバーガーで、中に入れる具材は、基本的には生ハムやチーズなどを挟んで作るパンのことを言います。パンはschiacciata(フォカッチャ)やchiabattaやrosetta等がありますが店によって使うパンは違います。また具材も地域によって特徴があるようです。
【paninoの中に入れる代表的な具材(ingredienti)】
トマト、ルッコラ
トリュフ、ポルチーニ、パルメザンチーズ、ペコリーノ(羊のチーズ)、ブッラータ、モッツァレラチーズ
生ハム、サラミ、サルシッチャ(Salsiccia)、ポルケッタ(豚のロースト)など
(会話例1)
- Buongiorno! Un panino con pomodoro, mozzarella e prosciutto crudo. Da bere una botiglietta di Birra Moretti(=Piccola Moretti) per favore!
(トマトとモッツァレラチーズと生ハムの入ったパニーノと飲み物はモレッティ小瓶のビールお願いします)
菜食主義(ヴェジェタリアーノ)の人は次のように注文して下さい。
(会話例2)
- Scusi! Sono vegetariano/a.
(すみません!ベジタリアンなんですが) - Si può fare un panino vegetariano?
(ベジタリアン用にパニーノ作っていただけますか?) - Posso lasciare a voi gli ingredienti (del panino)?
(パニーノの具材はおまかせしてもいいですか?)
C. トイレの利用について
ヨーロッパやイタリアでは、公衆トイレがあまりないので、観光の途中では生理現象で困ることがよくあります。近くのバールで、お茶しながら足を安め、トイレの利用を是非お勧めします。大抵のバールにはトイレが準備されています。しかし日本のコンビニのようにはいきません。まずお店の人にお断りしてから利用することを忘れないように。バールによってはトイレの鍵(la chiave)を渡されます。終わったらレジに、鍵を返すのを忘れないように。
トイレはil bagnoと言いバスルームの意味です。
その他にtoilette(発音トゥワレットゥ)やWC(発音ヴチー)という言葉もあります。
(会話例)
- Scusi, Dov'è il bagno?
(すみません!トイレは何処ですか?) - Posso usare il bagno?
(トイレ使うことができますか?)- Sì, e lì!.
(ええ、あちらです)
- Sì, e lì!.
トイレットペーパーがないことがよくありますので次のように言って下さい。
- Scusi, manca la carta igienica!
(トイレットペーパーがないのですが?)
終わったらレジに鍵を返すのを忘れないように
- Grazie, lascio la chiave qui!
(ありがとう!鍵ここに置いておきます)
D. 知っておくと便利なポイント!
その1. | バールやお店に入るとき、出るときにはBuongiorno! Buonasera!を忘れないように言って下さい。 |
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その2. | 食後のカプチーノは飲まないこと。 |
その3. | バールでの飲食はカウンター席(立ち飲み)とテーブル席では料金が異なる。 |
その4. | 領収書(la ricevuta)の発行が法的に義務づけられているので、会計後の領収書の保管も義務づけられていますので注意して下さい。 |
その5. | 路上での飲食には注意して下さい。 フィレンツェの場合: 市内の特に人通りの多い場所(Via de' Neri, Piazza del Duomo, Piazza della Signoria, Piazza degli Uffizi)では、正午から午後3時までの昼食時と、午後6時から10時までの夕食時に路上での食事が禁止されています。違反者には最大500ユーロの罰金が科されることがあります。 ベネチアの場合: 飲食を目的に立ち止まることが禁止されています。違反すると25ユーロから500ユーロの罰金が課せられる可能性があります。 またローマのスペイン広場では、飲食はもちろん、座ることも禁止されています。違反した場合には最低250ユーロから500ユーロの罰金が科せられることがあります。 観光地の美観を保ち、文化遺産を守るために設けられた条例ですので守るようにして下さい。他の観光地でも同様の規制があると思われますので、旅行前に最新の情報を調べることをお勧めします。 |