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会話に役立つイタリア語の表現について

石黒 秀嗣

レッスン8 レストランでの会話


アッシジ:聖フランチェスコ大聖堂
Assisi : Basilica di San Francesco

レッスン8 レストランでの会話

■ イタリアのレストランについて

美味しい料理を楽しむのはグルメの国イタリア旅行の醍醐味の一つと言えるでしょう。イタリアには食事するところがいろいろあります。一般的にはRistoranteとかTrattoriaへ行きますが、違いはトラットリーアの方が少し庶民的で気楽に入れる雰囲気がありましたが、最近では店によって違いますので、店構えなどから判断するしかありません。その他にTavola Calda(セルフサービス)では気軽に食事が出来るところで、調理済みの料理が並んでおり、その中から食べたいものを選び注文します。勿論温めたりしてくれるサービスもあります。また、Rosticceriaはお惣菜屋さんですが、大低は奥にカウンターやテーブルが用意されていて食事も出来ますので、簡単にすませるのであればお勧めです。Osteriaは居酒屋ですがつまみ程度は用意してくれます。最後にPizzeriaピザ屋は原則として夜しか営業していないところが多いようです。しかし最近観光地ではリストランテと一緒に営業しているところが増えてきました。イタリアではピザは正式な食事とは考えていないようです。どちらかというと夜食のような軽い食事と考えています。

イタリアの一日の食事は、
Colazione(朝食)、Pranzo(昼食)、Cena(夕食)で、Pranzoが一日の食事のメインとなります。場所によっては、朝食のことをla prima colazioneとも言います。またcolazioneには「軽い食事」を意味しており、お昼でもよく次のように食事に誘われることがあります。例えばピザでも食べて簡単に済ませるような場合。

  1. Andiamo a fare la colazione!
    (軽い食事に行きましょう!)

イタリアではPranzoがメインとなりますので、時間をたっぷりかけ食事をします。食事時間も日本とは違いますので、旅行する際は気をつけておくとよいでしょう。イタリア人は朝食はエスプレッソコーヒーまたはカップチーノと菓子パンなどで簡単にすませ、お昼にしっかり食べます。午前の仕事が1時頃までありますので、昼食はそれ以降と言うことになります。夕食も仕事が終わるのが7時か7時半頃ですので、夕食は早くても8時以降と考えてレストランに行くとよいと思います。

■ レストランの予約

レストランでは食事にかける時間が大変長いので回転が悪く、直接行っても人気のあるレストランでは座ることが出来ないことがよくありますので、ぜひ前もって予約しておくことをお勧めします。

(会話例)

  1. Pronto! Vorrei prenotare un tavolo per due alle otto.
    (もしもし!8時に2人で予約したいのですが!)
    1. Va bene e il suo nome?
      (分かりました。お名前は?)
  2. Mi chiamo Ishiguro giapponese.
    (日本人の石黒です)

もし名前を聞かれたら、名前の後に日本人の(giapponese)を付け加えると良いでしょう!

その他知っておくと便利な会話

直接レストランに行った場合には、以下の会話も準備しておくとよいでしょう。

  1. Buongiorno! C'è un tavolo per quattro?
    (4人の席ありますか!)
  2. Quanti siete? Siamo in tre.
    (何人様ですか?)(3人です)
  3. Quanto tempo bisogna aspettare?
    (どのくらい待たなければなりませんか?)
  4. Ci vuole al meno un'ora.
    (少なくとも1時間は必要です)
  5. A che ora possiamo prenotare un tavolo?
    (何時なら席を予約できますか?)
  6. Vorrei un tavolo con una bella vista(vicino alla finestra).
    (眺めのよい席(窓際の席)にして下さい)
  7. Non ho (abbiamo) prenotato, è possibile mangiare adesso.
    (予約はしてませんが、今食事できますか?)
  8. Siamo in cinque e vorremmo avere un tavolo insieme.
    (5人ですが、出来たら一緒の席がいいんですが)

■ 料理の注文の仕方

(1)メニュー: まずはメニューをお願いします。mi(私に)とci(私たちに)を使い分けましょう!
  1. Scusi! Mi(Ci) porti il menù(la carta), per favore!
    (すみません!メニューお願いします!)
  2. Posso avere il menù, per favore!
    (メニューお願いします!)
  3. Avete il menù in giapponese?
    (日本語のメニューありますか?)
  4. Mi può portare(Avete) la lista dei vini?
    (ワインのリストを持ってきて下さい)
(2)飲み物の注文: メニューを見ても直ぐに決められないので、とりあえずIntanto飲み物を注文すると良いでしょう。飲み物は!にあたる言葉がDa bereです。
  1. Intanto da bere mi(ci)porti, per favore!
    (とりあえず、飲み物お願いします!)

食事中の飲み物はいろいろあります。SpumanteVino rosso/biancoAcqua mineraleなどがあります。ミネラルウォーターには炭酸の入ったものとそうでないものがありますので、注文する際に炭酸入り(gassataまたはcon gas)または炭酸なし(senza gas)と言ってください。Acqua naturaleは普通の水道水ですので無料ですが、お腹に自信のない方はミネラルウォーターを注文することをお勧めします。

  1. Una bottiglia di vino bianco e un litro di acqua minerale senza gas, per favore!
    (白ワイン一本と炭酸なしのミネラルウォーターを1リットル下さい)
(3)料理の注文: いよいよ料理の注文をするのですが、メニューを見てもよく分からないことがよくあります。まずこのレストランの美味しい料理を尋ねてみましょう。
  1. Che piatto consiglia?
    (何の料理がお勧めですか!)
  2. Qual è la specialità della casa?
    (この店の自慢料理は何ですか!)

またはメニューを見ながら尋ねたり、隣の人の料理が気になって聞く場合があると思います。

  1. Che cos,è questo? Prendo questo.
    (〈メニューを指しながら〉)これは何ですか?これにします)
  2. Che cos,è quello? Prendo quello.
    (〈隣の人の料理を指して〉あれは何ですか?あれにします)
  3. Posso avere stesso piatto.
    (〈料理を指しながら〉あの料理と同じ料理を下さい)

レストランでの注文は、フルコースのように順番があります。まずAntipasto(前菜)を注文します。次に一皿目の料理Primo Piatto(パスタ料理やスープなど)、そして二番目の料理Secondo Piatto(メイン料理:お肉やお魚など)とContorno(付け合わせ:野菜料理やサラダなど)を注文します。最後にデザート(DessertまたはDolce)、最後にCaffèDigestivo(食後酒)などを注文します。

料理を注文するとき、Per antipastoprimo piattosecondo piattodolce)といって料理名を続けます。

  1. Per(come) antipasto prendo il prosciutto e melone.
    (アンティパストは、生ハムとメロンにします)
  2. Per primo (piatto) prendo spaghetti alle vongole.
    (一皿目はアサリのスパゲッティにします)
  3. Per secondo prendo una cotoletta milanese e per contorno insalata mista.
    (二皿目はミラノ風カツレツとミックスサラダにします)
  4. Per(come) contorno vorrei gli spinaci al burro.
    (添え物には、バター炒めのほうれん草お願いします)
  5. Per dolce prendo una tiramisù e anche un caffè, per favore!
    (デザートはティラミスそしてコーヒーもお願いします)

食事中、パンのお代わりやフォークなどを落としてお願いするときの会話。

  1. Scusi! Mi è caduta la forchetta(il cucchiaio).
    (すみません!フォーク(スプーン)が落ちてしまいました)
  2. Mi porti un'altra(un altro)?
    (別のをお願いします)
  3. Ancora un po' di pane(del pane), per favore!
    (パンをもう少しください)

食事の量を制限したいとき

  1. È possibile(Posso) avere mezza porzione?
    (半皿にしてもらえませんか!)
  2. Io non prendo il primo. Salto il primo(piatto).
    (プリモ・ピアットは食べません。プリモ・ピアットをパスします)
  3. Perché sono pieno/a.
    (お腹が一杯なので)
  4. Perché sono a dieta.
    (ダイエットをしているので)

料理を褒めるときの会話

  1. Che buono/a!
    (美味しい!)
  2. Che buon profumo!
    (美味しそうな香り!)
  3. È molto buono(bonissimo, ottimo)!
    (本当に美味しい!最高・絶品!)
  4. È delizioso!
    (美味しい!美味!)
  5. È squisito!
    (素晴らしくおいしい!美味!)
  6. È saporito!
    (味がよい!風味がいい!)

味の表現

  1. È piccante(dolce, amaro, salato)!
    (辛い(甘い、苦い、しょっぱい)!)
  2. È troppo saporito(salato, grasso, pesante,forte, leggero)
    (味が濃い(しょっぱい、油っこい、くどい、濃い、薄い))

その他知っておくと便利な会話

  1. Che cosa avete di primo?
    (プリモ・ピアットには何がありますか?)
  2. Qual'è il nome del piatto che sta mangiando quella signora?
    (あの方(女性)が食べている料理の名前は何ですか?)
  3. Io prendo le penne all'arrabbiata. Lo vorrei meno piccante.
    (ペンネ・アッラアッラビアータにします。辛さは少なめにお願いします)
  4. Potrei ordinare il risotto anche da solo?
    (一人でもリゾットを注文できるでしょうか?)
  5. Vorrei la carne ben cotta(poco cotta, al sangue).
    (お肉をウェルダム(焼きすぎないように・レア)でお願いします)
  6. A cottura media, per favore!
    (焼きは、ミディアムでお願いします)
  7. Vorrei un sorbetto per rinfrescare la bocca.
    (口直しにシャーベットお願いします)

(4)勘定の支払い

高級レストランでの支払いはレジに行くのでなく、ウエイターがお皿の上に領収書(ricevuta)をのせて来ますので、テーブルで直接精算します。領収書をよく見ますとテーブルチャージ(coperto)とサービス料(servizio)が加算されていることに気付くかと思います。Coperto料金の中にはパンやテーブルクロス代などが含まれています。3人でしたら3人分が請求されます。Servizio料金はサービス料で10%課税されます。多くのかたは請求された額を支払って終わりと考えていると思いますが。イタリアではチップ(mancia)は支払いの義務はありません。しかし高級レストランなどでは、ウエイターや厨房のコックさんたちへのチップは忘れてはいけません。クレジットカードで支払うときでも、10パーセントに相当するチップを現金でお皿の上に置くことが正しい支払い方だと思います。

  1. Scusi! Il conto, per favore!
    (すみません! お勘定をお願いします)
  2. Si può pagare(Posso pagare) con la carta di credito?
    (クレジットカードで支払いできますか)

その他知っておくと便利な会話

  1. Può farci conti separati? (Possiamo pagare sepratamente./ Facciamo alla romana.)
    (別々で(separato)払ってもいいですか?)
  2. Per che cos'è questo. Penso(credo) che ci sia uno sbaglio(errore).
    Il conto è sbagliato.

    (これは何の料金ですか?間違い(sbaglio, errore)だと思います。会計は間違っています)
  3. Mi può fare la ricevuta?(Posso avere la ricevuta?)
    (領収書(la ricevuta)をもらえますか?)
  4. Tenga pure il resto!
    (おつり(il resto)は結構です)

■ 知っておくと便利なポイント!

その1. 食事をするとき、「いただきます!(良いお食事を)」と言って食事を始めます。イタリアではBuon'appetito!といいます。言われた人は同じようにBuon'appetito!と言い返すか、またはAltrettanto!(あなたにも・他の人にも)と言います。Sì, grazie!(はい、有り難う)と答えている人がいますが正しくありません。Grazie, Buon'appetito!ならいいのですが、は不要です。
発音に注意して下さい。naがくっついて、naになり、ブォン アペティートではなく、Buon'appetito「ブォナペティート」と発音します。同様にBuon anno!(新年おめでとう!)「ヴォナンノ」と発音します。
その2. イタリアはレディーファストの国です。食事などの場面では、男性が女性をエスコートすることは常識です。特に気をつけてほしいのは、女性が男性にワインを注ぐ事は控えるとよいと思います。
その3. パンの食べ方:パンは一口サイズに口に入るくらいの大きさに手でちぎって食べること。
その4. パスタを食べるときはスプーンを使わない、フォークを使って食べてください。食事中の音には注意しましょう。周囲の人に迷惑にならないよう注意を心がける必要があります。スパゲッティやスープなどをすする(succhiare)音には特に注意してください。日本人はラーメンなどの麺類をすすって食べますが、豚のようにズルズル食べる音がイタリア人からすると不愉快極まりない音のようです。
その5. お皿に残ったソースをパンを使って食べる(scarpetta)のはよくありません。
食べた料理の最後の一滴まで残さないように、パンでお皿を拭うことを指します。イタリア語で靴を『スカルぺ/Scarpe』と言い、『Scarpetta』は「子ども靴」や「小さい靴」を意味します。お皿のソースを集めるパンを小さな靴と例えているのでしょうか?この言葉は食事の文化や習慣に関連していて靴とは直接的な関連はないと思われます。とにかくパンのかけらでお皿の底のスープなどを拭う行為を指します。レストランでは避けるべきです。
その6. 一番失礼なのは、残したりシェアして食べることです。一人に対して一皿の料理を注文するようにしてください。お皿を持ってシェアするのは決してしないで下さい。
その7. 食後のカプチーノは頼んではいけません。勿論カフェラテも駄目です。これらの飲み物は、朝とか夕方のティータイムに飲む習慣はあります。また食事中の飲み物は、カフェラテのような牛乳の入ったものや、砂糖の入った飲料水やジュースなども駄目です。コーラも駄目です。また食事中のコーヒーも駄目です。コーヒーは食事の最後に飲むものです。
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