愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

会話に役立つイタリア語の表現について

石黒 秀嗣

レッスン4 お願いするときの表現


ローマ:フォロ・ロマーノ(古代ローマの中心部の遺跡)
Roma : Foro Romano

レッスン4 お願いするときの表現

日常会話では、いろいろお願いする場面があります。お店で「...を見せて下さい!」とか、アイスクリーム屋さんで「生クリームを付けて下さい!」とか、駅の切符売り場で「ローマまで切符2枚お願いします!」とか、レストランで「会計お願いします!」とか、ホテルで「タクシー呼んで下さい!」とか、いろいろな場面でお願いする会話が必要になってきます。

A. 『お願いします!』(Per favore! / Per piacere!)

英語のpleaseは、お願いするときも、勧めるときにも使いますが、イタリア語では、勧めるときにはPrego!『どうぞ!』を使います。お願いするときはPer favore!またはPer piacere!を使います。
イタリア語のfavoreは「好意」を、piacereは「喜び」を意味する言葉で、相手にお願いする場合の気持ちを表しています。「お願いします!」という意味ではどちらも同じようによく使われます。Per favore!の方が一般的ですが、Per piacere!はより親近感があるという多少のニュアンスの違いはあります。どちらを選ぶかは好みや状況にによりますが、相手に対する丁寧さを考慮して使い分けて下さい。

例文:

  1. Un taxi, per favore!
    (タクシーお願いします)
  2. Il menù, per favore!
    (メニューお願いします)
  3. Un cappuccino, per favore!
    (カップッチーノお願いします)
  4. Il conto, per favore!
    (会計お願いします)
  5. Per la Stazione Termini, per favore!
    (テルミニ駅までお願いします)
  6. Sconto, per favore!
    (割引をお願いします!)
  7. Mi passi il sale, per favore!
    (お塩を取って下さい!)
  8. Per dolce prendo una tiramisù e anche un caffè, per favore!
    (デザートはティラミスそしてコーヒーもお願いします)

Per cortesia!:イタリア語のcortesiaは「親切、思いやり」を意味する言葉で、相手に対して少し丁寧に礼儀正しくお願いする場合の表現です。

例文:

  1. Per cortesia, potrebbe gentilmente passarmi il sale?
    (お願いします。塩を取っていただけますか?)
  2. Per cortesia, mi porti il menù?
    (お願いします、メニューを持ってきて頂けますか?)
  3. Per cortesia, potrebbe aiutarmi?
    (お願いします、よろしければ助けて頂けませんか?)
  4. Per cortesia, mi puoi dire dove si trova la fermata di autobus ?
    (すみません!バスの停留所がどこかご存知ですか?)

Per carità!:イタリア語の caritàは「(神への)愛、慈愛」を意味する言葉で、「お願いだから!」「後生だから!」「頼むので!」などの意味で使います。
Mi raccomando!「頼むよ!お願いだよ!」と同じようなニュアンスで使います。また何か批判的に言う場合に、その表現を和らげる時にも使います。

例文:

  1. Per carità, non dire così!
    (お願いだから、そんなふうに言わないで下さい!)
  2. Per carità, dite la verià!
    (お願いだら、本当のことを言ってくれ!)
  3. Per carità, smettila di far rumore, ho mal di testa!
    (頼むから、うるさくしないでくれ、頭が痛いので!)
  4. Per carità, non parlate male di quell'uomo!
    (お願いだから、あの人の悪口を言わないでくれ!)
  5. Per carità(=Per amore di Dio), perdonami i miei peccati!
    (ご慈悲だから、私の罪をお許し下さい!)

B. 『~してもいいですか?』(Posso (Possiamo) ~?)

Posso?は、動詞potere「...できる」の一人称単数(io=私は)の現在形で、io posso(I can)は「私は出来る」という意味です。「...することが出来る」という場合は、動詞の不定詞(原形)を直接従えることの出来る従属動詞です。
Posso...?は大変便利な表現の一つです。「見る(vedere)」、「試着する(provare)」、「たばこを吸う(fumare)」、「入る(entrare)」、「写真を撮る」(fare una foto)」と言うイタリア語の動詞が分からなくても、ジェスチャーを交え、又はその時の雰囲気で、相手に十分に伝わるので自信を持ってPosso?「いいですか?」を使って下さい。

例文:

  1. Posso vedere questo orologio?
    (この時計を見せてもらえますか?)
  2. Posso provare questa giacca?
    (このジャケットを試着してもいいですか?)
  3. Posso fumare qui?
    (ここでタバコを吸ってもいいですか?)
  4. Posso entrare?
    (中に入ってもいいですか?)
  5. Posso fare una foto?
    (写真を撮っても良いですか?)
  6. Posso avere la ricevuta?
    (領収書いただけますか?)
  7. Posso usare la carta di credito?
    (クレジットカードが使えますか?)
  8. Posso lasciare un messaggio?
    (伝言していただけますか?)

C. 『...してもらえますか?』(Può~?)

Può...?は、動詞potere「...できる」の三人称単数の現在形で、「...していただけますか?」という意味です。この表現は、会話のいろいろな場面でお願いするときに使います。またmi(私に、私のために)やci(私たちに、私たちのために)を付けると気持ちの入った表現となります。

お願いするときはいつも【Può+動詞の原型】の表現を忘れないように!
per favore!per piacere!などと一緒に使ってもいいです。より丁寧な表現になります。

例文:

  1. Scusi! Può chiamare un taxi?
    (すみません タクシー呼んでいただけませんか?)
  2. Può cambiare in euro?
    (ユーロに交換してもらえますか!)
  3. Scusi! Può fare una fotografia?
    (すみません 写真撮っていただけませんか?)
  4. Mi può dare un biglietto( da visita) di questo Hotel?
    (ホテルカード下さい!)
  5. Può parlare più piano?
    (もっとゆっくりと話してもらえますか?)
  6. Mi può ripetere ancora perché non ho capito bene.
    (よく分からなかったので、もう一度繰り返してくれませんか?)
  7. Mi può fare un po' di sconto, per favore!
    (少し値引きしてもらえますか? お願いします)
  8. Mi può dare la camera più bella(grande / tranquilla)?
    (もっと良い(大きい・静かな)部屋にしていただけませんか?)
  9. Mi può indicare sulla piantina dov'è l'Hotel?
    (ホテルの場所を地図で示して下さい!)
  10. Mi può portare insieme al dessert un caffè?
    (デザートと一緒にコーヒーもお願いします)

非人称のsiを使って非人称的に表現することもよくあります。

例文:

  1. Si può usare la carta di credito?
    (クレジットカートを使うことが出来ますか?)
  2. Si può fare internet?
    (インターネットは出来ますか?)
  3. Non si può accendere la luce.
    (電気がつきません!)
  4. Come si può andare a San Pitro da qui?
    (ここからサンピエトロ大寺院に行くにはどう行けばいいですか?)

D. 『...していただけませんか?』(Potrebbe(Potresti) ~?)

相手に丁寧にお願いする場合は、「できれば~していただけませんか?」と、少し控え目な表現となります。動詞potere「...出来る」の条件法を使い、「もしよろしければ(できたら)...していただけませんでしょうか?」という表現となります。改まった相手であれば3人称単数形でPotrebbe...?となり、相手が親しい関係であれば2人称単数形でPotresti...?となります。
条件法を使うと丁寧で控えめな表現となりますのでしっかり覚えましょう。

例文:

友人との会話ではPotrebbe~?

  1. Potresti prestarmi la tua cellulare?
    (出来たら、君の携帯貸してくれませんか?)
  2. Potresti andare alla posta per me?
    (出来たら、私の代わりに郵便局に行ってくれない?)
  3. Potresti inviare il tuo indirizzo e-mail?
    (出来たら、君のメールアドレスを送ってくれませんか?)

改まった会話ではPotrebbe~?

  1. Mi potrebbe chiamare un taxi?
    (タクシーを呼んでいただけますか?)
  2. Potrebbe cambiare l'asciugamano da bagno?
    (バスタオルを取り換えて下さい!)
  3. Potrebbe farmi un po' di sconto, per favore?
    (出来ましたら、少し安くしていただけませんか? お願いします!)
  4. Potrebbe dirmi, per favore, come arrivare al museo?
    (博物館へどのように行くのか教えて下さい?)
  5. Potrebbe parlare lentamente, per favore?
    (もう少しゆっくり話して頂けませんか?)
  6. Potrebbe scrivere qua il Suo nome anche il cognome?
    (こちらにあなたのお名前と姓も書いていただけませんか?)
  7. Mi potrebbe prestare(dare) il giornale(la rivista) ?
    (よろしければ新聞(雑誌)を貸していただけないでしょうか?)
  8. Potrebbe indicarmi un buon ristorante qui vicino?
    (出来たら、この近くの美味しいレストランを私に教えて下さい!)
  9. Potrebbe consigliarmi un buon vino per questo piatto?
    (よろしければ、この料理にあった美味しいワインをお勧めお願いします!)
  10. Scusi il disturbo, ma potrebbe firmare questo modulo?
    (お手数をおかけしますが、この書類にサインしていただけますか?)
このページの一番上へ