文化講座
レッスン15 自己紹介するときの会話について
パドヴァ(ヴェネト州):プラート・デルラ・ヴァッレと聖ジュスティーナ大聖堂
Padova(in Veneto) : Prato della Valle e La Basilica abbaziale di Santa Giustina
レッスン15 自己紹介するときの会話について
A. 『私は...です。』(Mi chiamo~.)
日本人は外国人を前にして話すとき、謙遜な態度からなのか、シャイな気質なのか、また日本特有の礼儀からなのか、相手と向かい合って話すとき、低姿勢でお辞儀をしている姿をよく見掛けます。イタリアではまっすぐ相手の目を見て話すことが大切だと思います。 背筋を伸ばし、相手の目をきちんと見て話しかけることが、相手に対してもよい印象を与えることと思います。
相手の名前を聞く場合は、先ず自己紹介をした上で、丁寧に相手の名前を聞くことが大切だと思います。
【会話例】
- Ciao, mi chiamo Francesca. E tu come ti chiami?
(今日は、私はフランチェスカと言います。お名前は?)- Io mi chiamo Anna.
(私はアンナです) - Il mio nome è Miki.
(私の名前は美紀です) - Sono giapponese.
(私は日本人です)
- Io mi chiamo Anna.
Io(私は)とかLei(あなたは)はなくてもよいのですが、それを入れることによって気持ちが入ってくるので、初対面の人に対してより丁寧な表現となります。しかしmi chiamoのmi、si chiamaのsiは絶対に省略しないで下さい。省略してしまうとchiamare(呼び出す)と言う意味となります。例えばchiamo un taxi(タクシーを呼ぶ)、chiamo Maria al telefono(マリアさんを電話で呼び出す)という意味となってしまいます。
〈mi chiamo+名前〉又は〈il mio nom è ...〉は、どちらかと言うと少し形式的な表現となってしまいます。実際の日常会話では〈Io sono(私は...です)+名前〉で十分だと思います。
次に紹介されて、「よろしくお願いします」と握手をしながら、「はじめまして」と言うときはPiacere!とお互いに言い合って次の会話に進みます。
- Piacere! (Molto piacere!)
(よろしく!)- Piacere mio!
(私の方こそよろしく!)
- Piacere mio!
他に形式的で堅苦しい表現ですが、フォーマルな場所では次のような表現もあります。
- Sono molto lieto/a(onorato/a) di conoscerLa.
(お会いできてとても嬉しく〈光栄に〉思います) - Sono lietissimo/a di far la Sua conoscenza.
(お会いできて大変嬉しく思います) - Scusi! Lei è italiano(italiana), vero?
(すみません!あなたイタリア人の方ですね?)
日本人(giapponese)の場合のように語尾が-eの場合は、男性も女性も同じです。複数は、語尾-eを-iにしてgiapponesiとなります。しかしイタリア人(italiano)の場合のように語尾が-oの場合は、男性のイタリア人がitalianoで、女性のイタリア人がitalianaとなります。勿論、複数の場合は、男性の語尾-oを-iにしてitalianiとなり、女性の語尾-aを-eにしてitalianeと変化します。
下の例文7のように男女混性の場合は男性の複数形にします。
- Shouhei è giapponese e di Nagoya.
(翔平は日本人で名古屋の人です) - Sakura è giapponese e di Kyoto.
(咲良は日本人で京都の人です) - Noi siamo giapponesi, sono di Osaka.
(私たちは大阪出身の日本人です) - Marco è italiano e di Roma.
(マルコはイタリア人でローマの人です) - Maria è italiana e di Napoli.
(マリアはイタリア人でナポリの人です) - Lucia e Rita sono di Roma e romane.
(ルチアとリタはローマの人です) - Rita e Marco sono di Firenze e fiorentini.
(リータとマルコはフィレンツェの人です)
国名には、「日本(Giappone)」に対して、「日本人、日本の(giapponese)」のように名詞とか形容詞がありました。しかし日本の地名には形容詞がないのでdi+地名で表すしかありません。例えばdi Nagoyaとかdi Tokyoと表現します。一方、イタリアの地名や国名にはそれぞれの形容詞があるので一緒に覚えましょう!下線の形容詞には注意して下さい。
【都市名と都市の形容詞】
Roma(romano/a)・Milano(milanese)・Padova(padovano/a)
Verona(veronese)・Venezia(veneziano/a)・Firenze(fiorentino/a)
Torino(torinese)・Napoli(napoletano/a)・Genova(genovese)
Siena(senese)・Catania(catanese)・Palermo(palermitano/a)
【国名とその形容詞】
Il Giappone(giapponese)・L'Italia(italiano/a)・L'America(americano/a)
L'Inghilterra(inglese)・La Cina(cinese)・La Francia(francese)
La Germania(tedesco/a)・La Spagna(spagnolo/a)・l'Índia(indiano)
L'Austràlia(australiano/a)・L'Áustria(Austrìaco/a) ・ Il Cànada(canadese)
B. 『...ご出身はどちらですか?』(Di dove è Lei?)
イタリアでは、よく相手の出身地が聞かれることがあります。イタリアには郷土愛(campanilismo)という強いメンタリティーがあり、自分の故郷に対する特別な思いがあります。日常生活の場面でも普通は方言で話されており、標準語が使われないのもその一つと言えるのではないでしょうか!
- Di dove è Lei? (sei tu?)
(あなたはどちらのご出身ですか?)- Sono di Nagoya.
(名古屋の出身です)
- Sono di Nagoya.
- Dove abita? (abiti?)
(どこに住んでいますか?)- Abito in centro. (in periferia).
(中心街〈郊外〉に住んでいます)
- Abito in centro. (in periferia).
- Da dove vieni?
(どちらから来られましたか?)- Vengo da Roma.
(ローマから来ました) - Vengo dal Giappone.
(日本から来ました)
- Vengo da Roma.
ローマとかミラノなら誰もが知っている街ですが、名古屋と言われても名古屋の町が何処にあるか知っているイタリア人は少ないと思います。ではどう説明したらよいでしょうか?
- Dove si trova Nagoya?
(名古屋は何処にありますか?) - Da che parte si trova Nagoya in Giappone?
(名古屋は日本のどのあたりにありますか?)- Nagoya è la terza grande città e si trova nella regione centrale del Giappone e si trova (vicino a Toyota) fra Tokyo ed Osaka.
(名古屋は日本で3番目に大きな都市で、日本の中部地方にあり、東京と大阪の中間に〈豊田の近く〉位置しています)
- Nagoya è la terza grande città e si trova nella regione centrale del Giappone e si trova (vicino a Toyota) fra Tokyo ed Osaka.
少し長い説明になりますが、そのまま覚えて使えるようにしましょう。
C. 『お仕事は?』(Che cosa fa Lei?)
相手の仕事を聞く会話ではfare(...する)という動詞を使って表します。仕事を表す名詞の前には定冠詞を付けるようにして下さい。
- Che cosa fa?
(何をなされていますか?) - Che lavoro fa?
(どんなお仕事をされていますか?)- Faccio l'impiegato/a.
(会社員です) - Faccio il dottore(la dottoressa).
(医者をしています)
- Faccio l'impiegato/a.
またはessere(...です)という動詞を使って表すことも出来ます。このときは、仕事を表す名詞の前に定冠詞を付ける必要はありません。
- Sono insegnate in una scuola elementare.
(小学校で先生をしています) - Sono turista.
(私は観光客です) - Sono musicista.
(音楽家です)
旅行中でよく聞かれる会話には
- È qui in vacanza o per lavoro?
(こちらには休暇でですか?それとも、お仕事ですか?)- Sono qui vacanza.
(ここにはヴァカンスで来ています)
- Sono qui vacanza.
職業(professione)を表す言葉(男性と女性の語尾に注意して下さい)
studente / studentessa | 学生 |
---|---|
professore / professoressa | 先生(中学・高校・大学) |
insegnate | 教師 |
maestro / a | 先生(小学校の先生・尊称としても使います) |
commesso / a | 店員 |
dottore / dottoressa | 医師、学者 |
funzionario / a | 公務員(官僚はfunzionario statale) |
avvocato / a | 弁護士 |
pensionato / a | 年金受給者 |
ingegnere / a | エンジニア |
architetto / a | 建築家 |
infermiere / a | 看護師 |
そのほか、主婦(casalinga)、教師(insegnante)、アーティスト(artista)、コック(cuoco)、医者(mèdico)などは男女の区別なく同じ単語を使います。
名刺交換(cambiarsi il biglietti da visita)をしたいときは、基本は自分の方から名刺を差し出し次のように言って下さい。
- Questo è il mio biglietto da visita.
(これが私の名刺です) - Posso aver il Suo biglietto?
(あなたの名刺をいただけますか?)
(会話例1)
- Buongiorno, piacere di conoscerLa. Io sono Paolo Gabbani, lavoro per l'azienda ....
(今日は!はじめまして。私はパオロ・ガッバーニです。...という会社で働いています)- Buongiorno, piacere mio. Io sono Anna Olivieri, lavoro per l'azienda .... Ecco il mio biglietto da visita.
(よろしく!私は...会社のアンナ・オリビエーリと言います。これが私の名刺です)
- Buongiorno, piacere mio. Io sono Anna Olivieri, lavoro per l'azienda .... Ecco il mio biglietto da visita.
- Grazie, ecco il mio. La contatterò presto.
(ありがとうございます。はいこれが私の名刺です。すぐに連絡します)- Molto grazie, aspetto la sua chiamata.
(ありがとうございます、お電話お待ちしております)
- Molto grazie, aspetto la sua chiamata.
(会話例2)
- Mi dispiace, ma ho dimenticato i miei biglietti da visita. Mi può lasciare i Suoi contatti?
(申し訳ありません。名刺を忘れてしまいました。連絡先を教えていただけますか?)- Certamente, nessun problema. Posso darvi il mio biglietto da visita.
(もちろんです。私の名刺をお渡しします)
- Certamente, nessun problema. Posso darvi il mio biglietto da visita.
- Grazie, le invierò un'email con i miei dettagli.
(ありがとうございます、詳細をメールでお送りします)- Perfetto, aspetto il suo messaggio.
(分かりました。では、お待ちしております)
- Perfetto, aspetto il suo messaggio.