「イタリア世界遺産の旅」と「生きたイタリア語のフレーズ」

スケッチ 青山 博
アマルフィ海岸は、ナポリ民謡で有名な「帰れソレント!」のソレントの町からティレニア海に面したサレルノまでの約50kmの美観地区をいいます。アマルフィへは、入りくんだ険しい断崖に沿って走る一本道の先にあり、海沿いの道路はヘアピンカーブの連続でドライバーは緊張で美しい景色に浸っている余裕はありません。しかし青い空と海、切り立った断崖、そして山沿いに沿って密集するカラフルな家々はまるで絵画のようです。特にソレントから1時間ほど行ったポジターノは絶景で、まさに「ナポリを見て死ね!(Vedi Napoli e poi muori!)」はまさにこの景色を見ぬうちは死んでならないという意味のように思えます。
6世紀頃、ゲルマン人の侵攻から逃れてきた古代ローマの人々がこの地域に移住しアマルフィの町が生まれました。この険しい自然の要塞に根を下ろし独自の歴史と文化を築いてきました。
アマルフィが最も輝かしい歴史を築いたのは10世紀から13世紀にかけてでした。
アマルフィの入口は、海岸沿いのバス停からすぐにマリーナ門(Porta della Marina)がありそこを潜るとアマルフィの町が開けます。マリーナ門の横にはタイル画で貿易で栄えていた海洋国家アマルフィが描かれているので、見落とさないように。
またアマルフィの港には羅針盤の完成者フラヴィオ・ジョイア(Flavio Gioia)の像が建っています。
東地中海のビザンチン帝国やイスラーム圏を相手にした貿易がアマルフィに厖大な富をもたらしました。特にイスラーム圏との異文化交流によりキリスト教と融合し、アマルフィ独自の文化を創り出しています。大聖堂(Duomo)がその代表的な建造物といえるでしょう。10世紀に建てられ、その後13世紀に拡大されました。正面入口のブロンズ製の扉は1060年にコンスタンティノープルで鋳造されたものです。教会前の広場から大聖堂へ導く57段の階段は1728年に造られたものです。また現在のファサードも1891年に再建されたものです。大聖堂の左手には1180年から1276年にかけて建立された鐘楼が見えます。ロマネスク様式ですがどこかエキゾチックで、白地に鮮やかな黄色と緑のマジョルカ・タイルをアーチ状に配したムーアスタイルといえるでしょう。
柱廊玄関は名高い「天国の回廊(Chiostro del Paradiso)」へと続いています。13世紀に建てられシンメトリックに造られた白い回廊で石棺やフレスコ画が展示されており、更に奥には聖アンドレアが納骨されている地下聖堂へと続きます。
しかしアマルフィの繁栄は、ペストの大流行(1306年と1348年)と1343年の津波によって港の大半が破壊され、海洋国家としての栄光は失われ、転落の道を歩んでゆくのでした。
イスラームから持ち込まれ、アマルフィを代表とする農産物にレモンがあります。
アマルフィ一帯では海に切り立つ断崖の段々畑でアマルフィの特産物のレモンが栽培されています。少し大ぶりのレモンで、元はイスラームから持ち込まれ胃腸薬として珍重されていたそうです。町の至るところにこのレモンから作られた甘口のリキュール酒「リモンチェッロ(Limoncello)」がおみやげとして売られています。リモンチェッロは、レモンの皮をアルコールに漬け、砂糖と水を加えて作られるシンプルな地酒です。アルコール度数は約32度。冷やしてストレートで飲むのもよし、ジェラートにかけて飲むのもよし、エスプレッソやミルクと割ってカクテルのように飲むのもいいでしょう。アマルフィの人々の間に『食後の一杯』として深く浸透し愛されている飲み物です。
■Amalfiの写真と町の案内
http://www.amalfi.it/italiano/foto.htm
■Amalfiへのアクセス
ナポリ(Napoli)のPiazza MunicipioからSITA社の長距離バスで、ソレント-ポジターノ経由で約2時間45分。または国鉄でサレルノ(Salerno)駅まで行き、バスに乗り換えれば約1時間10分程で行く。
ナポリ・ソレント・サレルノから船の便があります。航路や所要時間など詳しくはMetro del Mare社のホームページで調べて下さい。
http://www.metrodelmare.com/
第3回では、相手に許可や了解を求めるときの会話『~してもいいですか?』と、相手にお願いするときの会話『~していただけますか?』を説明しました。
今回は、非人称的に表現したいとき、すなわち「私が」とか「私に」という特定の人称ではなく一般的に『~することができますか?』と言いたいとき非人称構文のフレーズになります。このフレーズが使えると大変便利です。
このような非人称的な表現は、会話のいろいろな場面に出てきます。文章の形は同じですので簡単な構文です。作り方は、いつもÈ(essereの三人称単数・現在形)で始まり、そして形容詞(希に副詞)+動詞の不定詞の形をとります。
| ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(Portovenere, Cinque Terre e Isole)1997年登録 | 「イタリア世界遺産の旅」と「生きたイタリア語のフレーズ」 一覧へ戻る |
ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・ディ・アヌンツィアーノ(Aree archeologiche di Pompei, Ercolano e Torre Annunziata)1997年登録 |