「イタリア世界遺産の旅」と「生きたイタリア語のフレーズ」

スケッチ 青山 博
■ヴァチカン美術館
(Musei Vaticani)
ヴァチカン市国の北側の境界、16世紀につくられた城壁に沿って歩いて行くと、やがて壮大なヴァチカン美術館の門が現れてきます。門の上には、教皇ピウス11世(在位1922-1939)の紋章をささえるミケランジェロとラファエルロの彫像が見えます。1932年、2階建ての美術館に改築され現在に至っています。
世界有数の芸術作品を所蔵するこのヴァチカン美術館は、ルネッサンス期の教皇たちの宮殿があったところでした。教皇ユリウス2世(在位1503‐1513)は、ベルヴェデーレ宮殿と他の建物を繋ぐ中庭と回廊をブラマンテ(1444-1514)に設計させ、また1508年にはラファエルロに、彼の居室4室の壁画の装飾を依頼しました。第三室の「署名の間」にある「聖体の論議」は、教皇の求めに応じて最初に完成させた作品です。中でも有名なのが「アテネの学堂」です。
1473年、教皇シクストゥス4世(在位1471‐1484)が13世紀の礼拝堂を改築しシスティーナ礼拝堂を作りました。1480年頃から壁画装飾のため、フィレンツェから一流の芸術家たちを招いたのでした。システィーナ礼拝堂(Cappella Sistina)は、教皇の選挙を行う場所でもよく知られていますが、祭壇背後に描かれた壁画、ミケランジェロの「最後の審判」(1536-1541)はあまりにも有名です。見学者はミケランジェロの作品に集中しがちですが、両側壁面のフレスコ画は、ラファエルロの師匠ペルジーノ、ボッティチェリ、ギルランダイオ、ロッセリ、シニョレッリそしてミケランジェロという15世紀のイタリアを代表する一流の画家たちによる傑作なのです。
ヴァチカン美術館は、イタリア語ではI Musei Vaticaniと複数形で呼んでいます。ギャラリーを含めると、実に百を超える博物館や美術館そして宮殿などがあり、歴代教皇の厖大なコレクションが展示されています。
美術館のガイドブックに従って鑑賞されることをお勧めします。美術鑑賞に疲れたら、ピーニャの中庭(Cortile della Pigna)に出てリフレッシュするとよいでしょう。ピーニャ(松かさ)の中庭にある巨大なブロンズ製の松かさは古代ローマの噴水の一部で、旧サン・ピエトロ寺院の中庭にあったものをここに移されてきました。また東部中央には、アウグストゥスの巨大な頭部の彫刻が目に入ってきます。
教皇ユリウス2世は、ベルヴェデーレの中庭(Cortile del Belvedere)にギリシャ・ローマ時代の彫刻を集め、16世紀にはヨーロッパ随一の古代美術コレクションとなりました。そこには1506年にネロ帝の宮殿跡から発見されたラオコーン群像をはじめ、ベルヴェデーレのアポロンやアリアドネなどの彫刻、そしてプリマ・ポルタのアウグストゥス帝(Museo Chiaramonti)などがあります。その多くはピオ・クレメンティーノ美術館(Museo Pio Clementino)で見ることが出来ます。
また中世から近代のイタリア絵画が集められている絵画館(Pinacoteca)があります。ジョットの「三連祭壇画」、メロッツォ・ダ・ファルリの「奏楽の天使」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「聖ヒエロニムス」、ラファエルロの「キリストの変容」やカラヴァッジョの「キリストの埋葬」などは有名です。
最後に、シクストゥスの広間(Salone Sistino)には是非足を運んでいただきたいと思います。壁や天井の見事なフレスコ画の装飾に覆われた美しいシクストゥスの間には、聖書のヴェルギリウス古写本の数々がガラスケースの中に貴重に陳列されています。
ヴァチカン美術館の平日の入館は、午前9時から16時で、閉館が午後6時となっています。日曜日は休館ですが、毎月最終の日曜日は入館料が無料となっています。入館は午前9時から12時半で、閉館が午後2時となっています。鑑賞しながら見てゆくと少なくとも3時間はかかると思います。美術館に入るのに朝から長蛇の列を並ぶことになるので、時間には余裕を持って行かれることをお勧めします。また館内には飲食する場所や、美術館のショップも限られていますので、ガイドブックなどでチェックしておくとよいと思います。
■Musei Vaticaniの写真
http://www.sacred-destinations.com/italy/rome-vatican-museums
■Musei Vaticaniの公式サイト
http://mv.vatican.va/2_IT/pages/MV_Home.html
自分の感情をうまく表現することは会話の中では大切だと思います。生きた会話にするためにもただ質問したり、答えたりという繰り返しの会話でなく、自分の感情をできるだけ率直に表現することが大切だと思います。日本人は自分の気持ちを言葉で表現することが少し苦手なように見えます。それに対してイタリア人は自分の気持ちをジェスチャーで表現したり、言葉で表現したりすることが大変うまいです。喜怒哀楽がイタリア語で表現できれば、相手にもわかりやすく、楽しい会話になり、本当の意味で人と人の触れ合いが会話によって生まれてくると思います。
今回は、失望したり、怒ったり、腹を立てたり、叱ったり、たしなめたりする時の感情表現を取り上げてみました。
■落胆の気持ちを表現するフレーズ
「失望している」は、デルーゾ(deluso)を使います。形容詞なので主語が女性の場合は、語尾を女性形デルーザ(delusa)にしてください。同様に「うんざりしている・あきあきしている」ストゥーフォ(stufo)も、主語が女性の場合は、ストゥーファ(stufa)としてください。デルーデレ(deludere)・ストゥファーレ(stufare)という動詞がありますが、いずれも他動詞ですので、主語を自分以外の人や事柄などに置き換えて文章を作ってください。
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