「イタリア世界遺産の旅」と「生きたイタリア語のフレーズ」

スケッチ 青山 博
チレント・ディアノ渓谷国立公園とその周囲一帯は、古代から中世にかけて通商・政治・文化面で歴史的な変遷を経てきた地域です。
紀元前5世紀にギリシャ人によって築かれたパエストゥムの壮麗なギリシャ神殿の遺跡群は有名です。紀元前6世紀から5世紀にかけてシチリアのアグリジェント(Agrigento)、セリヌンテ(Selinunte)そしてセジェスタ(Segesta)にギリシャ神殿が築かれました。同じようにパエストゥムにもドーリア式の美しい神殿が建設されました。詩人ゲーテは「...真ん中の殿堂も私の意見では、シチリアで見られるどれよりも優れている」と絶賛しています。真ん中の殿堂とはパエストゥムの3つの神殿(アテナ神殿、第一・第二ヘラ神殿)を指しています。ギリシャの植民地時代は「ポセイドニア」という名前でした。紀元前273年にローマの支配下に入って以来「パエストゥム」というラテン語名になりました。この町は周囲4.7kmの城壁でかこまれた5角形の町になっています。城壁には4つの城門がありますが、見学するときは駅から近いシレーナ門から入ります。そして国立考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale)の近くにある入口でチケットを購入します。この博物館には、神殿から発掘されたギリシャ・ローマ時代の出土品が展示されています。その中でも、ヘラ・アルジーヴァの至聖所で出土した宝物庫『テサウロス』の33面のメトープで、紀元前6世紀前半に作られた貴重な美術作品で、『ヘラクレスの功業』と『ポロスとケンタウロスたちの戦闘』、『トロイア戦争』と『オレスティア』などのギリシャ神話のエピソードが描かれています。また古代ギリシャの絵画的資料として大変貴重とされているのが、墓の石板に「海に飛び込む男(Tuffatore)」を描いた「トゥッファトーレの墓」です。棺を組み上げていた石板の内部には4面に「宴会場面」が描かれており、上蓋に「トゥッファトーレ」が描かれており大変保存状態もよく必見です。
パエストゥムの遺跡を南北に貫く目抜き通りの聖なる道(Via Sacra)は、アテナ神殿と2つのヘラ神殿を結んでいることから名付けられたと思われます。
アテナ女神に捧げられたアテナ神殿(Athenaion)は、紀元前6世紀末に建設されたドーリア式の神殿で、ファサードが6本、側面が13の円柱が神殿の周囲を取り巻いている。また内部ではプロナオス(前室)を支える8本の円柱には渦巻き型の柱頭の装飾がみられ、すでにイオニア式建築が部分的に導入されています。アテナ女神は知恵・学芸・芸術と並んで戦争の女神でもあり、この神殿の周辺では鎧や盾などで武装した女神像がたくさん発掘されたそうです。ローマの支配下ではミネルヴァ女神が祀られていることになります。
バジリカ(Basilica)と呼ばれる第一ヘラ神殿(Heraion I)とポセイドン神殿が並んでいます。いずれも典型的なドーリア式のギリシャ神殿です。第一ヘラ神殿は、紀元前6世紀半ば建設され最古のものといわれています。
ポセイドン(ネプチューン)神殿と一般に言われていますが、第二ヘラ神殿(Heraion II)で、第一ヘラ神殿が建設されてから約1世紀の後に隣接して建設されました。この神殿おそらくゼウス神を祀ったとされており、ドーリア式の代表的な傑作であり、保存の状態も良く壮大で荘厳な姿を今も見せています。
その他このパエストゥムの遺跡群には、ローマ時代の「円形劇場」などの遺跡もみることができます。パエストゥムは、様々な支配の下で繁栄を続けていましたが、地盤沈下や洪水などに伴い海岸部の湿地化が進みマラリアが蔓延するようになり、住民も町を離れ、町の廃墟化は一気に進み放置されることとなりました。そしてこの町が注目を浴びるようになったのは、18世紀半ばになってからである。
■Paestumの写真と町の案内
http://www.globopix.net/fotografie/paestum_1.html
http://www.infopaestum.it/paestum_00.php?page=home&spage=home00&lang=gia
http://www.turismoinsalerno.it/default.aspx?idLingua=1&pagina=welcomepage Salerno全域
■Paestumへのアクセス
鉄道ではナポリからレッジョ カラブリア(Reggio Calabria)行きの列車に乗り、Capaccio-Paestum駅で降ります。所要時間は約1時間40分ぐらい。遺跡までは歩いて約15分ぐらい。サレルノ(Salerno)からはローカル列車で約1時間
■Paestum考古学地域と博物館(Area Archeologica e Musero di Paestum)
開館時間:9:00-18:30 博物館は毎月第1と第3月曜が休館
入場料:それぞれ4.10ユーロ、共通券が6.20ユーロ
お店の営業時間、美術館の開館時間やコンサートの開演時間など、会話のいろいろな場面において時間を尋ねることがよくあります。ガイドブックなどに記載されていることも多いのですが、やはり現地で直接、最新の情報を確認することは大切だと思います。
時刻「~時~分過ぎ(前)」の表し方は、時間には女性の定冠詞(la/le)を付けます。例えば、「1(9)時です」は Sono l'una(le nove). となります。分には定冠詞を付けません。「過ぎ」は e、そして「前」は meno をつけて表します。
「15分」を表すには「4分の1」を意味する un quatro でも表すことが出来ます。また「30分」を表すには「半」を意味する mezzo を使うことがよくあります。
またお昼の正午は mezzogiorno 、深夜の0時は mezzanotte と言います。
30分 trenta minuti(= mezzo )
15分 quindici minuti(= un quatro )
45分 quarantacinque minuti(= tre quarti )
「何時に...する」を表現するとき、「...時に」は、前置詞 a +女性の定冠詞 la(le)で表します。 alle の後に時間や分を表す数字が続きます。
| ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・ディ・アヌンツィアーノ(Aree archeologiche di Pompei, Ercolano e Torre Annunziata)1997年登録 | 「イタリア世界遺産の旅」と「生きたイタリア語のフレーズ」 一覧へ戻る |
マテーラの洞窟住居地区(I Sassi di Matera)1993年登録 |