「イタリア世界遺産の旅」と「生きたイタリア語のフレーズ」

スケッチ 青山 博
■シラクーサの町
シラクーサは、アテネやアレクサンドリアと並んで古代ギリシャ世界の政治・文化の重要な拠点のひとつであり、ローマ時代の哲学者キケロは、シラクーサを「最も偉大なギリシャ都市であり、そして全ての中で最も美しい都市」と讃えました。数学者アルキメデスや、ヨーロッパで広く信仰されている聖ルチアの生地でもあります。
シラクーサの町が最も栄えるのはディオニシオス1世の時代(紀元前5~4世紀)で、町の人口は40万人、外国人や奴隷を含めると100万人の人口であったようです。
シラクーサの町は、本土とオルティージャ島(Isola di Ortigia)の2つに分かれており、本土には、ギリシャ劇場や円形闘技場をはじめとするギリシャ・ローマ時代の遺跡と初期キリスト教時代のカタコンベ(Catacombe)などがあります。一方、シラクーサの心臓部とも言えるオルティージャ島には、紀元前6~5世紀のギリシャ神殿や、聖ルチアの遺骨が納められている大聖堂、そしてアレトゥーザの泉などがあります。
大聖堂(Duomo 又は Tempio di Atena):
シチリアに現存する最古のドーリス式神殿であるアテナイ神殿は、7世紀ごろキリスト教会に転用され、堂々としたバロック様式の大聖堂に変貌しました。ここにはシラクーサの守護聖人聖ルチア(Santa Lucia)の小指が祀られています。
アレトゥーザの泉(Fonte di Aretusa):
古代より淡水が湧き出て、パピルスが自生するこの泉は、ギリシャの叙情詩人ピンダロス(Pindaro)やローマの詩人ウエルギリウス(Vergilio)によって称讃されるほど神秘に満ちた美しい泉です。ギリシャ神話「転身物語」(Le metamorfosi)の舞台となった場所で、河の神アルフェイオスと森の妖精アレトゥーザが交わったところで、アルトゥーザが泉の姿に変わり、地の底に消え、海の底を通り、オルティージャ島に、再びコバルトブルーに美しく変身し湧き出たとされています。
ギリシャ劇場(Teatro greco):
ゆるくすり鉢状に傾斜した半円形の古代ギリシャ劇場。この劇場は岩場をすっぽりとくり抜いて造られています。観客席は61段(46段が現存)で直径138m、9区画に分かれ、1万5000人もの収容能力を誇っていました。建設着工は紀元前5世紀ですが、ヒエロン2世の治下(前3世紀)に改築されました。またローマ時代(1~4世紀)にも手が加えられローマ様式の劇場に改造されています。本来のギリシャ劇場では観客席が扇形で平戸間オルケストラ(orchestra)も円形ですが、ローマ劇場では観客席が半円形で平戸間オルケストラも半円形に狭められているのが特徴です。
尚、ギリシャ三大悲劇詩人の一人であるアイスキュロス(紀元前525‐456)の代表作の「ペルシアの人々」の初演が行われました。今も毎年5月と6月に古典劇がここで上演されています。
ディオニシオスの耳(Orecchio di Dionisio):
シラクーサに残るギリシャ時代の巨大な石切場の一つ。 高さが23mで奥行きが65mもある洞窟、その形状が巨大な耳の穴を連想させるので通称「ディオニシオスの耳」と呼ばれています。その名前の由来は、天然の捕虜収容所である石切場の洞窟に、監禁した捕虜の話を僭主ディオニシオス(紀元前405‐367)が盗み聞きしていたという伝説からその名前が付けられたようです。実際には、「天国の石切場(Latomia del Paradiso)」と呼ばれていました。
17世紀の画家カラバッジョ(1571‐1610)が晩年ローマから逃亡し、シチリア島の町を転々とし、つねに追っ手と密告に怯える生活をしていた時、この石切場に立って「ディオニシオスの耳」と名付けたという話もありますが、その真意は定かではありません。
■パンタリカの岸壁墓地遺跡(Necropoli di Pantalica):
シラクーサから西に約50kmのところに自然考古学エリアがあります。ソルティーノ(Sortino)の町がその入口となります。時代は更に遡り青銅器時代の紀元前12世紀から7世紀にかけてアナポ(Anapo)川流域に小王国の首都であった古代都市ヒュブラ(Hybla)に属していたと言われています。
紀元前7世紀シラクーサにより滅ぼされるまで険しい自然の要塞を背景に栄えていたようです。アナポ川の渓谷に沿って全長約12km、面積は80haに及ぶ広大な地域に広がり、現在は自然保護区に指定されています。切り立つ岩肌には洞窟のように掘られた5000以上もの墳墓があリシチリア最大規模の石窟墓地があります。
その他の見どころは、
サンタ・ルチア教会とサン・ジョヴァンニ教会の地下には初期キリスト教時代(紀元前3~4世紀)のカタコンベがあります。
ローマ円形闘技場(Antiteatro Romano):紀元前3世紀後半に造られた楕円形の闘技場で、大きさが140m×119mあり、シチリア最大の円形闘技場。
博物館は、パオロ・オルシ州立考古学博物館(Museo Archeologico Regionale Paolo Orsi)や、パピルス博物館(Museo del Papiro)などがあります。
■ Siracusaの写真
http://www.globopix.net/fotografie/siracusa_1.html
■ Siracusaの町の案内
http://www.siciliaclub.net/siracusa.html
■ Siracusaへのアクセス
Catania空港から高速バス(Interbus ETNA)で約1時間15分
http://www.interbus.it/Home.aspx
鉄道ではCatania駅から約1時間
http://www.siciliaclub.net/fromaptcta.html#airportcatania_siracusa
■ Pantalicaへのアクセス
FerlaまたはSortinoへは、Siracusaからバスで約1時間半。
Cataniaからは約2時間。
http://www.aziendascicilianatrasport.it
■ Pantalicaの町の案内
フェルラ市公式サイト: http://www.comune.ferla.sr.it
ソルティーノ市公式サイト: http://www.comune.sortino.si.it
自分の感情をうまく表現することは会話の中では大切だと思います。生きた会話にするためにもただ質問したり、答えたりという繰り返しの会話でなく、自分の感情をできるだけ率直に表現することが大切だと思います。日本人は自分の気持ちを言葉で表現することが少し苦手なように見えます。それに対してイタリア人は自分の気持ちをジェスチャーで表現したり、言葉で表現したりすることが大変うまいです。喜怒哀楽がイタリア語で表現できれば、相手にもわかりやすく、楽しい会話になり、本当の意味で人と人の触れ合いが会話によって生まれてくると思います。
今回は、お祝いの言葉をかけるとき、また反対にお悔やみを述べたりするときの感情表現を取り上げてみました。
■お祝いの気持ちを表現するフレーズ
会話のなかで、誕生日や結婚など相手にお祝いの言葉を掛けたくても表現に困ることがよくあります。基本的に、「おめでとう!」はアウグーリ(Auguri)!を使えばよいのですが、試験の合格や新築などの場合に使う「やったね!」はコンプリメンティ(Complimenti)!もよく使います。またブオーノ(buon)を使って「誕生日おめでとう!」(Buon compleanno!)や「クリスマスおめでとう!」(Buon Natale!)もよく使います。この使い方については「生きたイタリア語のフレーズ」第4回で詳しく説明していますので参考にしてください。
■お悔やみの気持ちを表現するフレーズ
感情表現で最も難しいのは、お悔やみの気持ちを表現するフレーズだと思います。日本語でもなかなか言い出しにくいもので言葉が出てこないことがよくあります。イタリア語では、基本は「お気の毒です!」はミ ディスピアーチェ(Mi dispiace!)、「お悔やみ申し上げます!」はコンドリアンツェ(Condoglianze!)を覚えておくとよいかと思います。相手の気持ちを察していろいろな表現がありますので参考にしてください。