「イタリア世界遺産の旅」と「生きたイタリア語のフレーズ」

スケッチ 青山 博
イタリア第4の都市トリノは、ピエモンテ州の州都であり、イタリアの貴族の名門サヴォイア家によって築かれた伝統と文化の都です。またローマ時代から続く悠久の歴史に育まれた町でもあります。紀元前1世紀、リグリア人の祖先であるタウリーニ人(Taurini)が居住していた土地をローマ帝国が支配し、アウグストゥス帝によって、道路が碁盤の目状に整備され、ジュリア・アウグスタ・タウリノールム(Julia Augusta Taurinorum)と命名され、トリノの名はこのタウリノールムに由来しています。しかしトリノの町には古代や中世の歴史的なたたずまいを見かけることはありません。大聖堂(Duomo)と共和国広場(Piazza della Repubblica)の間にある古代ローマ時代の劇場跡(Teatro Romano)やパラティーナ門(Porta Palatina)が紀元1世紀のものです。
サヴォイア家の歴史は11世紀の初頭に始まります。神聖ローマ帝国からサヴォイア家の始祖となるウンベルト1世・ビアンカマーノ(Umberto Biancamano)にこの領土が与えられ、更にウンベルト2世に伯爵と侯爵の称号が与えられました。それ以来、サヴォイア家によりこの都市が支配され、1416年にはサヴォイア王国となりました。1563年、エマヌエーレ・フィリベルト(Emanuele Filiberto)の時代に、 トリノを首都としての変遷が始まり、2世紀にわたって、今日に知られる歴史的な町トリノヘと変わっていったのでした。1720年には、シチリアをオーストリアに手放し、サルデーニャを獲得し、サルデーニャ王国を樹立、ヴィットリオ・アメデーオ2世(Vittorio Amedeo II)が初代サルデーニャ王となりました。 こうして王国の首都となったトリノでは、その支配力を示すために、大規模な都市建設を行い、グアリーノ・グアリーニ(Guarino Guarini 1624-1683)など一流の建築家や芸術家たちを招集し、イタリア・バロック特有の華やかな町並みへと整備されました。宮殿をはじめ、郊外には城や別荘、狩猟のための館まで多数の建造物が建設されました。この計り知れないほど貴重な文化的芸術的遺産は、1997年にユネスコ世界遺産に登録されました。
1861年、イタリア統一運動(Risorgimento:イタリア語の意味はri(再び)・sorgere(立ち上がる)・mento(事))が急速に起きるなか、首相のカヴール(Camillo Cavour 1810‐1861)と赤シャツ隊(Camicie Rosse)と呼ばれている千人隊(La Spedizione dei Mille)の総司令官ガリバルディ(Giuseppe Garibaldi 1807‐1882)の貢献によリサルデーニャ王国が統一イタリア王国となりました。サヴォイア王家のヴィットリオ・エマヌエーレ2世(Vittorio Emanuele II)が初代イタリア国王の座につきました。1861年3月14日、カリニャーノ宮殿(Palazzo Carignano)の中庭に建てられた臨時のあずま屋で、イタリア王国誕生の宣言がなされました。最初のイタリア国会(Parlameto Subalpino)が召集され、1865年、フィレンツェに遷都されるまで国会はカリエャーノ宮殿で行われました。今日、この建物は、イタリア統一国立博物館(Museo Nazionale del Risorgimento ltaliano)が置かれています。
2011年はイタリア統一150周年の年です。トリノでは『Esperienza ltalia』(イタリア経験)というテーマでいろいろな記念行事が行われています。荘厳なヴェナリア王宮(La Venaria Reale)では、サヴォイア王家のコレクションで現在はトリノ王立図書館に所蔵されている有名なレオナルド・ダ・ヴィンチ自画像が特別展示されています。またマダーマ宮殿(Palazzo Madama)では、イタリア統一にあたり召集された最初の国会の上院議席が忠実に再現されており、そこに座ってイタリア国家形成の主役やその討論内容をテーマとしたマルチメディア・ストーリーを鑑賞することが出来ます。
■サヴォイア王家の王宮群の写真
http://www.globopix.net/fotografie/reggesabaude_1.html
■トリノヘのアクセス
ミラノ中央駅からトリノ・ポルタ・ヌオーヴォ駅(Porta Nuova)まで
高速列車Altavelocità-Freccia Rossaで約1時間。 ユーロスターで
1時間20分。
トリノの案内: http://www.visitatorino.com/index.php
■イタリア統一150周年のイベント情報
http://enit.jp/blog/2011/03/
http://www.japanitalytravel.com/banner/piemonte/
event_news_01.html
■カリニャーノ宮殿(Palazzo Carignano)
http://it.wikipedia.org/wiki/Palazzo_Carignano
■ヴェナリア王宮(La Venaria Reale)
http://www.lavenaria.it/
■二つのものについて述べるフレーズ
会話の中で、「...ではなく...だ」のように一方を否定し、一方を肯定し強調して述べる表現があります。また「...だけでなく...も」のように一方を強調して述べる場合もあります。また「AもBも」と、二つのもの両方を肯定して述べる表現もあります。今回は二つのものについて述べるフレーズをまとめてみました。
■「AではなくてBだ」(non A, ma B)
一方を否定し、一方を肯定し強調して述べる表現。ときには「AであってBではない」(A, non B)というように肯定と否定の順序が逆になることもあります。またnonの前にeを入れることによって否定の語を強調することもあります。
■「AばかりでなくBも」(non solo(=soltanto) A ma (anche) B)
二つのものについて、一方を強調して述べる表現。ancheを入れると更に強めることになります。
■「AもBも」「AであれBであれ」
(sia A sia B / sia A che B / sia che A sia che B)
二つのもの両方を肯定して述べる表現で、siaとcheの後にくる語が文の中で同じ役割を果たしています。
| ナポリ歴史地区 後編: ドゥオーモ地区とカーポディモンテ美術館 Centro storico di Napoli 1995年登録 |
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サヴォイア王家の王宮群 後編:バロック建築 Le Residenze Sabaude 1997年登録 |