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インターネット公開文化講座

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野菜と果物の魅力について

ベジタブル&フルーツマイスター協会認定カルチャースクール講師
栄中日文化センター「野菜ソムリエに学ぶー野菜生活向上のススメ」担当
服部 佳世子

★ 初詣 「餅菜」



新年明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします。

皆様、年末年始はどのようにお過ごしでしたか?
私は先の年末に、初めて経験した事がありました。
氏神様である白山神社で行われた、年越し大祓いの神事に参加させていただきました。
神主さんの祝詞があがり、その後で祓いぐさ(1センチ角の正方形に切った白い紙を半紙に包んだもの)を左、右、左、そして自分にふりかけて終る、ということで15分ばかりの行事でしたが、1年の厄払いが出来き、すがすがしく新年が迎えられるような気分になりました。
そして深夜12時を境に白山神社の初詣です。

今年は雪がぱらつきいつもより参拝者が少なかったように感じましたが、それでも鳥居の外に列を成して、新年のカウントダウンを待ちました。
神酒をいただき「明けましておめでとうございます」の声が飛び交っていた光景は、まさに日本のお正月だなぁと・・・・。老いも若きも一緒になって、まことに気持ちのいいものです。



朝になって外を眺めたら銀世界、寒さで身が引き締まる思いでした。

続いて以前、長い間住んでいたところの氏神様に向かいます。ここは町の真ん中のせいか参拝する方も少なく、氏子さんによるお振る舞いもまだ用意途中でしたが、車のためお神酒の変わりに飴をいただきました。

そして次なる目的地は大須にある明王殿です。 道路はまだ雪が残り、木々にかかる雪は朝日こそ当たらないものの、渋いいぶし銀のように光ってなかなか風情があります。

ここでいったん家に戻り、お雑煮をいただく事に。我が家のお雑煮はいわゆる名古屋風です。
すまし汁に餅菜(正月菜)と餅が入り、削りがつをかけていただくという、実にシンプルなもの。
ここでも「おめでとう、今年もよろしく」といっていただきます。食べるのもそこそこに今度は熱田神宮へ・・・・・
熱田神宮には三種の神器の一つ、草薙の剣が祀られています。
(ちなみに八咫鏡(やたのかがみ) は伊勢神宮に八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は皇居に納められています。)
雪も解けたせいか、参拝者で賑わう境内を歩いていきます。幸い、御垣内参拝の券を持っていたので、人の垣根を横目に移動、中で参拝させていただき、美味しいお神酒まで頂くことができました。続いて神楽殿において、初神楽奉納をさせていただきました。新しくなった神楽殿にてご祈祷、雅楽にあわせて巫女さんの舞を観賞、そしてお榊奉納、と充実しつつも背筋がピシッとする初春の一日でした。


新神楽殿

さて、二日目は恒例の京都行きです。もちろん新幹線で参ります。
大垣を過ぎたころから車窓に映る景色はしろ、白、しろの白銀世界。
京都はどんなものかと心配したものの、近くなるにつれ雪もなくなり、なんと現地は晴天!うれしかったことといったら・・・・!
雪と雪のないところの境界線面って白いのですね・・・。
2010年が明けてからの、これも新たな発見です。

京都に着くや、お迎えのタクシーで滋賀県大津の月心寺に。
月心寺と書かれた風雅な軒行灯(のきあんどん)のある門をくぐると、今も名水がこんこんと湧き出ており、
奥には情緒深い名庭が静かに広がっています。
庭の一角には、小野小町(おののこまち)百歳像を安置した百歳堂(ひゃくさいどう)や、松尾芭蕉の「大津絵の筆のはじめは何仏」という句碑も立っています。
実はこの旅行、私にとってはお参りというよりはご馳走になりに行く、といった方がふさわしいかもしれない(?)お正月の行事の一つです。
毎年お目にかかる方は大体決まっていて、安寿様にご挨拶をして、ご一緒にご馳走をいただきます。わたしはいつもだし巻き卵と伊達巻を持参いたします。

安寿様が待ってましたとばかりに喜んで下さったのは、何より喜ばしいことでした。
さて、今回の献立は、といいますと・・・。
なんとまあ、とても豪華です。安寿様が朝から丁寧に作って下さったごま豆腐、野菜の煮しめ、黒豆、なますそれにたたきゴボウの胡麻和え、セリのお浸し、長いもとピリ辛こんにゃくと蕗の炊き合わせなどが、ふんだんに振舞われました。中でも私のお目当てはしろ味噌仕立ての京風お雑煮です。大きなやつ頭がおわんの中からひょこんと顔を覗かせていました。どれもとても美味しかったです。
最後にお抹茶を頂いて、お土産に安寿様の書かれた寅年の色紙とたくさんのお品いただき、皆様方に見送られ、失礼いたしました。



待っていて下さったタクシーに乗り込み、次なる目的地、知恩院へ。道路はお天気も好く渋滞です。暖かいせいかコートを脱いで、手に持っている人もチラホラ。わたしもきっと寒いだろう、と思って着込んできたことが逆目にでてしまいました。

知恩院



京都ってどうしてこんなに暖かいの・・・・・!?


ホテルオークラのロビー


最後にホテルオークラでお茶をいただき、一路京都駅に。
乗車した新幹線が、車両点検のため30分ほど遅れての到着となりましたが、今年もお参りできてよかったです。

しかし、わたしの正月はここで終りませんよ。

次の日の4日は、お墓参りに行きました。我が家では大晦日にお墓に行き、花筒に松竹梅だけ入れます。そして明けて4日に花を入れるのが、昔からの慣わしです。
元日は雪で日の出を見る事は出来ませんでしたが、この日やっと晴れ、見ることができました。
ご先祖様に新年のご挨拶をして、お参り明けの新年はひとまず終わりとなりました。

今回はお正月にちなみ、愛知の伝統野菜「餅菜」にスポットを。

「「餅菜」」 正月菜ともいう コマツ菜の仲間
【分類】 アブラナ科 アブラナ属
【産地】 尾張地域
【美味しい時期】 12~1月
【特徴】
小松菜の仲間ですが、小松菜よりも色が淡く、柔らかくて甘味があるといわれています。 しかし、流通の過程で葉が黄変しやすく、日もちがよくない為、生産は減少。現在ではほとんどが栽培しやすくて流通性がよい他の品種に変わってしまい、ごく一部で自家用に栽培されている程度となっています。
餅菜も含め、正月前後に出回る小松菜全般を「正月菜」と呼んでいます。
餅菜をのせるのは、「名(菜)をあげる」にかけて、縁起をかつぐともいわれています。
【栄養】 小松菜同様、カロテン、ビタミンC、ミネラルなど、いろいろな栄養素をまんべんなく含み、おせち料理で不足しがちな栄養素を補います。
【保存方法】 湿らせた新聞紙に包み、ポリ袋に入れ、立てて冷蔵庫に入れます。
2、3日で使い切りましょう。
【選び方】 葉にハリとみずみずしさがあるものを選びましょう。
【用途/料理】 雑煮 汁物

今回のレシピは年末にかけて100本近く焼くだし巻き卵と伊達巻のうち、伊達巻を披露いたします。実は私の自慢のレシピ。「新年」のうちに、ぜひ皆さんも一度トライしてみて下さい。

「伊達巻」

材料          1本分

玉子 6個
砂糖 50g
大匙1
醤油 大匙2/3
少々
だし汁 1/2カップ
しんじょう
(しろはんぺい)
1枚(120g)

作り方

1.砂糖からだし汁までまぜておきます。
2.フードプロフェッサーに、しんじょう1/3、玉子2個、1の1/3を入れ、まぜます。
それを3回繰り返します。
3.玉子焼き器に油をひいて、温まったら全部流し入れ、一番弱い火にして24分焼きます。焼きあがったら、魚焼器に入れ、上火をきかせて焼き目をつけます。
4.鬼すだれに3を置き、巻いていきます。 


           鬼すだれ
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