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茶の湯文化は日本のグローカル文化

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

茶の湯文化は日本のグローカル文化

茶の湯文化は、本来、日常茶飯の生活の中から生まれた文化であり、江戸の元禄時代以後成立した家元制による「茶道」が主流となって、今日の茶の湯は、"茶道様式"だと思っている人達が殆どだと思います。
しかし、"茶道様式"は、今や、殆どの日本人の現実の日常茶飯の生活からは遊離した存在となってしまっています。

茶の湯は日本画、書道、能、歌舞伎、和歌、俳句、工芸、彫刻、料理、建築、造園、お花、服装などの日本文化を代表して統合するものとしての位置を占めるものでした。
茶の湯が芸道性の一面を強く持っており、イベント性と趣味嗜好性として考えられ、取り上げられてきました。

「侘び」、「寂び」、「幽玄」を内包するといっても、殆どの日本人は、外国人に向かって説明できなくなっているのが現実です。
こうした事実は、日本文化の多くが、現実の生活から遊離しているからだと言えます。

しかし、茶の湯は前衛性を持って発展した文化なのです。
今日の日本文化として海外から注目されている漫画、アニメ文化も、日本の11世紀以来の伝統文化を発展させたのです。

映画の世界で注目、人気の日本的ホラー文化も、日本的魂文化の発展と言えます。
日本食の伝統ある会席料理や寿司は、その素材を大切にして自然、四季を重んじます。
食品保存としての発酵を中心とした日本的食べ物は、今日的発展を見た食文化。
天ぷらすきやきは、西洋文化の日本的同化や消化をして、今日では、日本を代表する食文化の位置を占めています。
そして、今や、日本食はCoolと言われるほどに海外に受け入れられています。
服装文化にあっても、同様の状況にあると言え、私はニッカーボッカーズをオタピー茶の湯で愛用しています。

日本の文化は、日常茶飯の生活文化としての茶の湯を中心に、職人芸術文化性を背景に独自の発展を見ました。
つまり、日本の伝統文化は、茶の湯を代表に、日常茶飯の文化として、日常生活や海外文化を取り込んで昇華したのです。
しかし、今日、閉鎖性と習俗性の強い一面からの形骸化が強く、脱却が求められます。

オタピー茶の湯は、茶の湯文化を、再び、日常茶飯に「ハイカルチャーとPOP−Kitsch−サブカルチャーの界を紛らかす」前衛性の原点に戻ろうとするものです。

茶の湯文化は日本のグローカル文化
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