愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

茶の湯文化は日本のグローカル文化

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

健康で文化的な日常茶飯の生活 9

心の絆・・7

既に取り上げました如く、現代はポランニー的不安の時代であり、加えて、科学技術の進歩と普及によって、自然環境、生活環境、仕事場環境も大きく変わっています。

そうした環境変化によって人間関係のあり方も変わってきました。

当然のことながら、世代間や育った社会や生活環境によって、考え方にも著しい違いがあります。

1995年~1996年にかけて、テレビ東京系列で放映された原作GAINAX,庵野秀明監督によるテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」は、大人のアニメとして注目された作品ですが、2015年の未来予想による中学二年生(14才)の少年、少女の個性,性格が面白いのです。

最近、映画版の第2部「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」(パンフレット:編集・鳥居理恵、ドルビーSRDEX,2009年)が放映されています。

戦いに対する姿勢からのキャラクター表現は次のようです。

シンジ少年は「苦しいし怖いし、嫌だけど戦います」、レイ少女は「それだけが世界とつながっている」、アスカ少女は「戦い続けるしか私の居場所がない」です。

今回、マリ少女が加わって、戦うかと問われると迷わず「戦うのが楽しくて、戦いたくて戦う」キャラクターが登場しています。

シンジ少年は優柔不断、レイ少女はニヒル、アスカ少女は自分が取り残されないように脇で騒いでいるキャラクターとなっています。

4人はポランニー的不安な現代社会でのキャラクター特性に通じています。

マリ少女は我が国の右肩上がりの社会を担った団塊世代と言われる「昭和のおやじ」たる「やるしかない」キャラとなっています。

2015年と言えば、現代社会と言えます。

しかし、ニヒルなレイ少女に命の危険が迫った時、戦うのは否と逃げたシンジ少年がレイを救うべく、自分自身が望んで危険な戦いに出撃しました。

命を賭けた心の絆が保たれていることを意味すると思います。

小説「決壊」(新潮社、2008年)でIT社会での連続殺傷事件を予見した平野啓一郎は「ドーン」(講談社、2009年7月)では2033年のITやメディアの発達した火星での孤独死と対面しながらの未来社会での人間の思いを取り上げています。

如何に心の絆を保った生き方をするかが注目です。


信天流喫茶では未来での心の絆ある人間関係の在り様を求めているのです。

茶の湯文化は日本のグローカル文化
このページの一番上へ