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茶の湯文化は日本のグローカル文化

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

健康で文化的な日常茶飯の生活 13

自然との絆・・3

自然の恵みと人間との絆はワイン文化発展史のグローバル化であれグローカル化であれ喫茶文化と同様に重要だと思います。

つい最近、既に取り上げたポランニー的不安の時代を説いた山下範久(「現代帝国論」、NHKブックス)が「ワインで考えるグローバリゼーション」(NTT出版)を2009年10月29日に出版しました。

信天翁<アホウドリ>喫茶ワールドを思考する上でも勉強になります。

文化的に言っても、既に取り上げた鶴見俊輔著の「限界芸術論」ともどもワイン文化は限界芸術(マージナルアート)としての発展をしているのです。

ワインは自然環境の秩序と人間の秩序との間の関係から相互に影響しあい社会システムによって揺らぎながら現在も広まっています。

ワインの世界にはグローバルなマクドナルド的ワインからブドウ畑や品種、生産年にこだわった個性、オタク性の強いテロワール的ワインワールドと広がりがあります。

山下範久によればテロワールは日本語にし難い概念で、簡単に言えば「土地に根ざす味わい」、「ワインに表現された土地の個性」となります。

ワインのローカルな個性を示す表現です。


私は信天翁喫茶は、喫茶文化がマージナルアートとして発展、つまり、グローカル化(glocalization)、山下表現では「外来のものと土着のものとが相互作用することで何か別の固有のものが生み出される過程」としての発展を願っています。

そして、クロースバル化(growthbalization)することが望ましいと思います。

ワインともども、喫茶、茶の湯文化も一元的統御を求めるのではなく多様性を楽しむ土俵が不可欠なのです。

私は一休宗純の道歌「誤りて不動をよきと思うなよ そのこころ悪魔とはなれ」を肝に銘じています。

「雨あられ雪や氷とへだつれど とくれば同じ谷川の水」だからです。


新しい年を迎えて信天を脱して信天翁<アホウドリ>喫茶とグロース(growth)します。

私の新年の歌は良寛の如くスノビズム(snobism)から脱却して反俗ではない非俗の心です。

「あほうどり(信天翁) うらを見せ おもてを見せて こころは高嶺」

茶の湯文化は日本のグローカル文化
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