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茶の湯文化は日本のグローカル文化

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

健康で文化的な日常茶飯の生活 16

人間の絆・・1

信天翁喫茶ワールドが大切とする人間の絆は、麁相(ソソウ)と真面目の心を持って自利利他円満でノマドロジー(nomadologie)な平和を求める心の絆・連帯をキーとします。
心の絆・連帯感ある人間関係による平和な人間社会を目指すのです。
そして、独楽(ドクラク)の世界を楽しむために独楽(コマ)の如く振れないように中心軸を大切にします。

人間関係にあって最も大切にすべき軸は命をキーとしなければなりません。
最近のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で命の大切さを取り上げていました。
山本琢磨(沢辺琢磨、1834~1913年)が酔っ払った勢いで拾った金時計を売ったことが判って窮地となりました。
史実は別にして、武市半平太が切腹を命じたのですが、龍馬は命の大切さを説いて、密かに江戸を脱出させたのです。

その後の琢磨は函館でロシア正教会のニコライ神父と出会い、武士を捨て、日本人最初の司祭となり、お茶の水に聳えるニコライ堂(東京復活大聖堂)建設や宣教に捧げました。
鏡心明智流の桃井道場の師範代を務める程の腕前の剣術使いのその後の生涯でした。
テレビドラマでは武市半平太が大義のため小異を捨てるとして、琢磨に切腹、自害を命じたのですが、それに対して、龍馬は人の命が大切だと琢磨を逃がしたのです。

今日でも、権力によって人の命を奪うことが正当化されます。
しかし、我が国の現行憲法では、平和憲法と言われるように紛争の解決に武力、戦力を用いることを放棄しています。
権力が戦力による殺人の放棄です。
加えて、何人も健康で文化的に生きる権利を保障しています。
その意味は人の生きる権利です。
つまりは、権力によって人の命を奪うことは許されないことになります。
武市半平太の如く大義、小異を持ち出して権力による一人の命を奪うことが正当化できる死刑は問題だと判ります。

スペインの宮廷画家として絶頂期にゴヤが悲惨、残虐な戦争、殺戮による人間の業を体現して自ら宮廷を辞し、晩年まで過ごした「聾者の家」の食堂のために描いた「我が子を食うサトゥルヌス」を最後まで飾っていたことで有名ですが、今日、人類の文明的絆として、如何なる理由があろうと人の命を奪うことを戒める時代だと心に留めるのが信天翁喫茶の第一です。
文明的人類の絆を築くべく「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の湯」(山中直樹、Dr.BEAUT・ソフィーリッチ,http://www.sophyrich.com
を出版して喫茶を介した人間の絆を問いました。

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