愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

茶の湯文化は日本のグローカル文化

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

健康で文化的な日常茶飯の生活 7

心の絆・・5

前回も取り上げましたが、岡倉覚三(天心)は日本が平和な茶の湯や文芸文化に親しんでいた間は野蛮国と呼び、戦争を始めたら文明国と呼ぶならば、生の術を説く理想に尊敬が払われるまで、野蛮国に甘んじようと唱えました。

 しかし、フランスのジャック・アタリは1999年に著した「反グローバリズム」(近藤健彦、瀬藤澄彦訳、彩流社、2001年)での日本語版に序を寄せて、岡倉天心の提言に尊敬を払っていると判ります。

 岡倉天心が「The Book of Tea」を著したのは1906年ですから93年後となります。

 日本の平和憲法とともに岡倉天心の願った文明国に敬意が払われた日本に天国から大変な喜びだと思います。

 現在の我が国の首相は、オバマ大統領が核戦力を持ちながらの核兵器廃絶宣言に追従しているだけの志のない悲しさです。

 なぜに平和憲法を持った我が国としては戦力廃絶まで高めた宣言をしないかと情けなく思えてきます。

 アタリの「反グローバリズム」の日本語版への序の抜粋を示します。

 「経済的にも文化的にも大国である日本は、諸外国と一緒になって人類社会のこのような新たなメッセージの担い手にならなければならない。それは互いに他者を尊重し、奉仕することに喜びを見出せるような社会についてのメッセージである。儀礼がひとびとの生活様式の重要な核になっている日本の偉大なもてなしの伝統は、間違いなくこの博愛という文明の本格的な要素の一つを構成するものである。人類が喜びと共に存在する幸せを享受できるように、このようなメッセージを呼びかけていくのは私たち東洋と西洋の人間の役割である。」

 迫り来る超国家的社会の担い手たるノマド(遊牧民)の時代に茶の湯が内包する儀礼性による日常茶飯から人との心の絆が結ばれるようになって平和な人類社会が構成できるとの指摘です。


 信天流喫茶は、「真面目」な「麁相の心」を持ってお互いの心の絆を温めるノマドグッズによる且座喫茶を楽しみながら我が国の平和憲法のように戦力無き平和宣言社会を地球レベルで築かんとするものです。

茶の湯文化は日本のグローカル文化
このページの一番上へ