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茶の湯文化は日本のグローカル文化

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

わび・さびの茶の湯文化−その6

わび・さびと言えば、茶の湯の世界を越えて、日本文化の代表的特色のようになっていると言えます。
伝統的な日本文化の特徴は、雅、幽玄も忘れてはならない美意識、思想として、わび・さびに匹敵するものとなっています。

海外にあって、外国の人達と、日本文化について話題となり、説明を求められた時には、わび・さびの文化が特徴と答えたりはするものの、いざ言葉で解説しようとするのは、簡単ではありません。
海外での会食では、専門的な仕事に関連する話題の議論に加えて、多様な人種、多様な価値観を持った人々との文化的な話題が行き交うことになります。
また、若い人達が、ホームステーなどで海外に滞在した時、学校などで、お国の文化的な説明を求められたとよく聞かされます。

一方で、近年は、海外で注目され、話題となるのは、アニメ、キャラクター、ホラー映画やアキバ文化であったりすることが多くなりました。
子供に求められて、お土産にピカチューなどを買って帰る人達は少なくないのです。
そうした日本文化の美意識、思想の背景となるのが、オタク、モエで、わび・さび、幽玄や雅に加わっています。

加えて、エレクトロニクス商品、自動車、ロボットなど、いわゆるハイテク技術を伴った日本文化が日本への国際的認識となっています。

日本の伝統文化として、和歌・連歌、香、茶の湯、能、神仏文化、絵巻物、書などの奈良、平安、鎌倉室町時代、安土桃山時代までの文化と江戸時代以後発達した文化があります。
江戸以後の俳句、歌舞伎、邦楽、浮世絵、版画、話芸などは大衆化、民衆を中心に発展した文化と言えます。
家元制が成立した時代です。
室町・安土桃山時代までの文化と鎖国下の江戸時代を中心に発祥、発展した文化との混合による今日的な文化的特徴となっています。
加えて、江戸末期、第二次大戦後には、西欧文化のショックを受けて、今日的な日本文化形成促進となりました。
そうした、背景にあって、わび・さび文化を理解する必要があるのです。

茶の湯文化は日本のグローカル文化
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