愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

茶の湯文化は日本のグローカル文化

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

健康で文化的な日常茶飯の生活 12

自然との絆・・2

今日、スローライフが話題となります。
「地産地消」を中心としたライフスタイルを意味しています。
地産地消型の八百屋、肉屋、魚屋などは珍しくなり、スーパーから日常的な食物を購入することが多くなりました。
そして、私達の日頃の食材、食品は、国内各地のみならず、アメリカや中国など世界中からとなっています。
日常の食糧の多くがグローバル化したのです。

言ってみれば、食糧についても、グローバルな経済活動に組み込まれています。
そして、厳しい生産や価格競争が行われています。

世界の農産物も先進国、途上国であれ、貿易争奪戦の重要課題となっているのです。

加えて、食糧供給の安全・安心は如何にあるべきかが問題です。
そうした世界の食糧問題の危機を如何に封じ込めるべきかを話題とした訳本が最近出版されました「世界食糧ショック―黒いシナリオと緑のシナリオ」(ジャン=イヴ・カルファンタン著、林昌宏訳、NTT出版)。
訳者・林昌宏は、ジャック・アタリによる21世紀の予言本として名著の「21世紀の歴史 未来の人類から見た世界」(作品社)の訳者でもあります。

21世紀の食糧問題は供給不安、自給自足か世界に門戸を開くか、保護貿易か市場化か、遺伝子組み換え作物、エコロジーと農業などと私達の生活と密接な関係にあり、世界金融危機より厳しい世界食糧ショックの危機が誘発されかねません。

金融危機以上に食糧危機は健康危機問題と共に私達にとっては深刻となります。

つまり、私達はグローバル化した生活環境にあって、金融危機、戦争危機、環境危機に加えて、食糧危機、健康危機の勃発、ショックがある日突然に起りかねない日々を過ごしているのです。

そうした毎日に、安い食品を求め、安易な賞味期限主義による無駄や飽食、閉鎖的自国農業保護主義だけではすまされなくなっているのです。

そして、かつてのガン治療食品と同様に誤ったダイエットや栄養法が飛び交っています。

以上より、250万年前に出現した現代人類の祖先・ホモ属が最も危機的状況に直面していることを認識することなく、一人一人が自己利益や都合だけを求める生活スタイルは改めなくてはならないのです。
危機を救う人類の平和には自然との絆を持って食糧に不安のない下支え社会の構築がキーとなるのです。

茶の湯文化は日本のグローカル文化
このページの一番上へ