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茶の湯文化は日本のグローカル文化

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

わび・さびの茶の湯文化--その1

私は、わび・さびの茶の湯文化が内包している生活文化が好きです。
わが国のグローカル文化の背景と言えます。

既に、取り上げましたように、茶の湯文化のグローカル特性は赤瀬川原平が主張していたように「負の思想」、「一回性の緊張と輝き」にあると思います。

今日の地球環境資源の問題、戦争・テロ、軍事力を含めた核エネルギー、人類の生命・生き方を考慮すれば「負の思想」、「一回性の緊張と輝き」が如何に求められているかが理解出来るのです。
つまり、人類が、この地球環境で、平和な人生を送るためには、普遍性を持った必要条件だと判ります。
言い換えれば、わが国のグローカル文化たる茶の湯は、わび・さびの茶の湯文化によって、普遍性のある文化を発信することが、人類的にも求められているとなります。

わび・さびの茶の湯文化の創生は、村田珠光とその時代に始まるのです。
私は、その時代の如何にも日本的で人間らしい文化が狂雲子・一休宗純のサロン、薪(今日の京田辺)の酬恩庵から創生・発信されたと思っています。

一休宗純は禅宗のみならず、浄土宗も取り込んだ民衆の目線による貴賎の別を越えた狂雲子だったのです。
一休宗純のサロンに参加していた村田珠光は、先入観、既成の価値観に縛られた呪文から脱却した思考と創生に目覚めたのだと思います。

当時、茶の湯は、会所・書院の茶、禅林清規の茶、健康に注目した施茶・儲茶、一服一銭の茶、闘茶、淋汗茶湯を体験、学ぶことによって、「冷え枯れる」文化精神をベースに、「和漢の界(境)を紛らかす」を行ったのです。

その「冷え枯れる」精神は、まさに、わび・さびの精神に発展したと言えるのです。
その「冷え枯れる」精神に到達するには、既に取り上げてきました六祖慧能に始まる頓悟禅があり、大悟に至る法を示す「十牛図」文化がわが国に伝わったことにあると思うのです。

そこで、六祖慧能から村田珠光に至るわび・さびへの道のオタピー茶の湯(OTAPY CYANOYU)的総説を試みます。

茶の湯文化は日本のグローカル文化
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