文化講座
ノート渓谷の後期バロック様式の都市群(シチリア島南東部) その2
Zona Le città tardo barocche dei Val di Noto(Sud-Est della Sicilia) 2002年登録
スケッチ 青山 博
■ラグーサ(Ragusa)の町
ラグーサで人々が生活を始めたのは、およそ紀元前2000年のこと、海岸沿いに植民都市を建設していたギリシャ人により内陸に追いやられたシクリ人が建設したのが、イブラ(Ibla)つまり「ヒブラ・ヘライア(Hibla Heraia)」いう城塞でした。
ラグーザは、イブレオ高山の南斜面を走る二つの険しい渓谷サンタ・ドメニカ渓谷(Cava di Santa Domenica)とサン・レオナルド(Cava di San Leonardo)の間に挟まるように拡がっている都市で、標高は385~640mです。
ラグーサの町も、1693年の大地震で主要な建物はすべて倒壊してしまい、人口も約半数に相当する5000人が犠牲となりました。当時の貴族たちが集まって町の再建を決定し、ノートの再建にも貢献したシラクーサ出身の建築家ロザリオ・ガリアルディ(Rosario Gagliardi)に再開発を依頼しました。
そして現在に見られるような見事なバロック様式の都市が蘇ることになります。しかし一部の人たちは町を出て、現在のサンタ・マリーア・デルレ・スカーレ教会(S. Maria delle Scale)より上の地域に移り、新しい町を建設することになります。農業を基盤とした貴族たちにより、碁盤の目のようにきっちり区画整理された新しいラグーサの街を築きます。
現在のラグーサの町は、イブラと呼ばれている旧市街と高地に位置しているラグーサ・スペリオーレ(上のラグーサ)の二つの地区に分かれています。しかし200年以上にわたり住民たちは、町の分裂と統合を繰り返し、1927年、最終的に統合されます。しかし二つの街は互いに競い合うように美しいラグーサの町並みを見事に築き上げることになりました。
2002年6月にはラグーサ市内の18件のバロック様式の建築物が世界遺産に登録されました。
ドゥオーモ(Duomo:Basilica di San Giorgio):
1739年にロザリオ・ガリアルディの設計により造られたこの大聖堂は、ラグーサで最も典型的なバロック様式の建物です。長い開廊に支えられた広く美しいテラスの上に優雅に聳え建っており、バロック様式のファサードと中央が凸場の鐘楼となっており、町の中心のドゥオーモ広場を見下ろすように建っています。ラテン十字形の三廊式の教会のなかには、聖ジョルジョの生涯が描かれた33枚の色鮮やかなステンドグラスがとても素晴らしい。
ドゥオーモ広場から眺める大聖堂は、いかにも南国らしい香りを放っており映画の一場面を観ているようです。実は、タヴィアーニ兄弟監督(Paolo e Vittorio Taviani)の「カオス・シチリア物語」(Kaos 1984)の一つのエピローグの撮影場所として選ばれています。
サンタ・マリア・デルレ・スカーレ教会(Chiesa di S. Maria delle Scale):
12世紀に建てられた教会ですが、1693年の地震により崩壊し、18世紀に入ってバロック様式で再建されました。15~16世紀の先在した建物の一部が所々に生かされています。テラコッタの「聖母の死」(Transito della Vergine 1538)が有名。また教会入口の前庭から見るイブラの街の景観は素晴らしいです。
サン・ジョヴァンニ大聖堂(Cattedrale di S. Giovanni):
ラグーサ・スペリオーレの中心であるジョヴァンニ広場を見下ろすように建っており、この地区を代表とする教会、ラテン十字形の三廊式で、天井や壁には漆喰装飾が施されています。
また有名な作品には、セバスティアーノ・コンカ(Sebastiano Conca)が描いた「聖フィリッポ・ネーリ」(S. Filippo Neri)があります。
その他の見どころとして、ラグーサで発掘された新石器時代からローマ時代末期までの遺品が展示されているイーブラ考古学博物館(Museo archeologico ibleo)があります。
■ Ragusaの写真
http://www.lasiciliainrete.it/tour/provinciadiragusa/fotoragusa/RAGUSA.htm
http://www.globopix.net/fotografie/noto_1.html
■ Ragusaの町の案内
http://www.comune.ragusa.it/
■ Ragusaへのアクセス
Catana空港から高速バス(Interbus ETNA)で約1時間41分
http://www.interbus.it/Home.aspx
又はNotoからバスで約2時間 Siracusaから2時間45分
AST社(Azienda Sciliana Trasporti)の時刻表:
http://www.aziendasicilianatrasporti.it/opencms/opencms/
ASTHtml/Orari/ORARIOestMO05.htm
■ イブレオ考古学博物館について
http://www.museiragusa.it/museum/show/8
生きたイタリア語のフレーズ 第21回
感情を表現するフレーズ その3
自分の感情をうまく表現することは会話の中では大切だと思います。生きた会話にするためにもただ質問したり、答えたりという繰り返しの会話でなく、自分の感情をできるだけ率直に表現することが大切だと思います。日本人は自分の気持ちを言葉で表現することが少し苦手なように見えます。 それに対してイタリア人は自分の気持ちをジェスチャーで表現したり、言葉で表現したりすることが大変うまいです。喜怒哀楽がイタリア語で表現できれば、相手にもわかりやすく、楽しい会話になり、本当の意味で人と人の触れ合いが会話によって生まれてくると思います。
■感謝の気持ちを表現するフレーズ
心をこめて相手に感謝やお礼を言いたいとき。基本は、Grazie!(ありがとう!)です。感謝の気持ちを入れたいときはRingrazio!(感謝しています!)を使います。あることにお礼や感謝をする場合は、Grazie per~ またはGrazie di~ そしてRingrazio per~という形になります。
また、以上の感謝やお礼の言葉に対しての返事は、Prego!(どういたしまして)、Si figuri!(どういたしまして)、またはNi niente!(何でもありません)とかNon c'è di che!(たいしたことありません)などを使います。
- MilleGrazie!(又はGrazie mille!)
- ミッレ グラーツィエ
- 本当に有り難うございます。
- La ringrazio!
- ラ リングラーツィオ
- (あなたに)感謝いたします。
- Grazie per la Sua gentilezza.
- グラーツィエ ペル ラ スーア ジェンティレッツァ
- ご親切にしていただき、有り難うございます。
- La ringrazio per il Suo aiuto.
- ラ リングラーツィオ ペル イル スーオ アイウート
- お助け下さって、有り難うございます。
- Grazie della mail(telefonata).
- グラーツィエ デルラ メイル テレフォナータ
- Eメール(電話)有り難う!
- Grazie dell'invito!
- グラーツィエ デッリンヴィート
- お招き有り難うございます。
- Grazie del pensiero!
- グラーツィエ デル ペンシエーロ
- お気遣い有り難うございます。
- Grazie di cuore!
- グラーツィエ ディ クオーレ
- 心から感謝します。
- Grazie da parte mia!
- グラーツィエ ダ パルテ ミーア
- 私からも有り難う!
- Grazie a Dio! Grazie al cielo!
- グラーツィエ ア ディーオ グラーツィエ アル チェーロ
- 神に感謝(あー、よかった!)
- Grazie di tutto quello che hai fatto!
- グラーツィエ ディ トゥット ケ アイ ファット
- 君がしてくれたこといろいろ有り難う!
- Tiringrazio moltoper il regalo!
- ティ リングラーツィオ モルト ペル イル レガーロ
- プレゼント本当に有り難う!
- Non so comeringraziarLa!
- ノン ソ コーメ リングラツィアルラ
- 何とお礼申し上げてよいか分かりません!
- Non ho parole perringraziarti!
- ノン オ パローレ ペル リングラツィアルティ
- お礼の言葉もありません!
- Grazie per avermi avvisato!
- グラーツィエ ペル アヴェルミ アッヴィザート
- 知らせてくれて有り難う!
- Tiringrazio per avermi tirato su di morale!
- ティ リングラーツィオ ペル アヴェルミ ティラート ス ディ モラーレ
- 励ましてくれて有り難う!
■嬉しい気持ちを表現するフレーズ
嬉しいときなど自分の気持ちを素直に出せるといいですね!イタジア人はジェスチャーや顔などの表情も豊かで、会話も自然に楽しくなります。
多くの場合は Sono+形容詞 となります。しかし形容詞の話尾を主語の性・数に一致することに注意しましょう。
- Sono moltocontento (contenta ).
- ソーノ モルト コンテント コンテンタ
- 私はとても嬉しいです。
- (Siamo ) Molto lieti (leite ) !
- シアーモ モルト リエーティ リエーテ
- 私達お会いでき嬉しいです。
- Sono felice di saperlo.
- ソーノ フェリーチェ ディ サペルロ
- それを知って嬉しいです。
- Sono entusiasta.
- ソーノ エントゥジアースタ
- (わくわくして)嬉しい!
- Sono pazzo ( pazza ) di gioia!
- ソーノ パッツォ パッツァ ディ ジョイア
- 嬉しくてたまらない!