ステップ1 町の散歩
ロミオとジュリエットの町 : ヴェローナ(Verona)
北イタリアのヴェネト州の町ヴェローナは、丁度ミラノとベネチアのだいたい中間に位置し、ローマ時代から東西・南北の重要な幹線道路が交わるところで、丁度現在のエルベ広場(Piazza delle Erbe)を取り囲む一帯である。6世紀にはランゴバルト王国が建設されたときには、その首都として栄えました。
1135年には自治都市(comune)となり、1262年から1387年まで都市を支えたのはデッラ・スカラ家であり、とくに傑出した人物のカングランデ1世(Cangrande Ι)により今見る城壁に囲まれたヴェローナの町が築かれることになり都市として発展しました。
ここヴェローナは「ロミオとジュリエット」の悲恋物語の舞台の町で知られています。訪れる人は必ずジュリエットの家(Casa di Giulietta)を訪れます。バルコニーの下にはジュリエットのブロンズ像があり『右胸に触ると、幸せな結婚が出来る』と言い伝えられており、その右胸は金色に光っています。
中世のヴェローナも神聖ローマ皇帝派(ギベッリーニ党)とローマ法王派(グエルフィ党)が対立し、モンタギュー家の息子ロミオとキャプレット家の娘ジュリエットの二人の愛も悲しい恋の終末を迎えることになるという実話でした。
ヴェローナは古代ローマ時代の遺跡が大変よく保存されている町です。町の中心で憩いの場となっているブラ広場(Piazza Brà)、そこに聳え立つ通称アレーナ(円形闘技場)は紀元1世紀に建造され、高さ30m、外壁の周囲391m、44段の階段状観覧席(収容人数は22,000人)、楕円形の劇場は直径が、110m×139mでローマのコロッセオを一回り小さくした円形闘技場(アレーナ)です。現在は毎年夏のシーズンにはスケールの大きな野外オペラが上演されます。またコンサート会場としてもよく利用されています。
最後に、ヴェローナの守護聖人ゼノに捧げられた9世紀のサン・ゼノ教会(Basilica di San Zeno)を紹介します。現在見られる壮大なロマネスク様式の教会は12世紀から13世紀にかけて改築されたものです。この教会の見どころは、まず正面の青銅扉で12世紀前後に制作されたイタリアで最も古いものの一つです。そして主祭壇を飾っているマンテーニャ(Andrea Mantegna)の傑作「聖母と諸聖人」(Madonna e Santi 1459年)で、大理石の額縁に納められています。マンテーニャは、向かって右手前方からの光が当たるように新しく窓を作らせ、祭壇画の人物や祭壇などに微妙な陰影効果を考えました。コレッジョ(Correggio)と同じように光の働きをうまく利用し、絵画と建築の空間を統一した芸術家の一人でした。
ステップ2 あなたのイタキチ度は?
イタリアについての常識問題にチャレンジして下さい!
- イタリアの画家の名前が付いた前菜の料理名は!
- 「国際絵本原画展」が開催されている町の名前は!
- ベネチアで2年に1度行われる世界的な芸術祭は何と言うでしょうか!
- 美食家で知られるオペラ大作曲家の名前は!
- 有名人や芸能人をつけまわし私生活の情報や写真を撮るカメラマンを何と言うでしょうか!
ステップ3 エノテーカ(居酒屋)での会話
- イタリアワインは、世界一の生産量と輸出量を誇っています。しかし世界のワイン市場を見ると、フランスワインの方が高値で流通しているのでフランスワインのほうが良質のイメージが強いようです。しかしイタリアワインは大変良質で、イタリアではワインに対しては、香料やエッセンスといった香りや味をコントロールする砂糖などの混入や、酸化防止剤といった添加物の混入など、大変厳しく法的規制がされています。良質の美味しいワインが安値で飲むことが出来ることは、ワイン好きにとってたまらないですね! イタリアに行ったら観光だけでなく、是非エノテーカに足を運び土地のワインを楽しんでくるのもよいのではないでしょうか!
Scusi! C'è l'enoteca qui vicino?
スクージ チェ レノテーカ クイ ヴィチーノ |
すみません!この近くにエノテータありますか? |
Mi sa dire dov'è si trova una buona enoteca?
ミ サ ディーレ ドーヴェ シ トゥローヴァ ウーナ ブオーナ エノテーカ |
どこかいいエノテーカご存じですか? |
- 大抵のエノテーカでは、その土地のワインを中心にイタリアの名の知れたワインは取りそろえています。出来る限りその土地のワインを選ぶことをお勧めします。またエノテーカではワインだけでなく、簡単なつまみも準備しています。規模の大きなエノテーカでは料理を食べながらワインを楽しむことも出来ます。
Posso anche mangiare qui?
ポッソ アンケ マンジアーレ クイ |
ここでは食べることも出来ますか? |
Posso(Potrei) vedere la lista dei vini?
ポッソ(ポトゥレイ) ヴェデーレ ラ リスタ デイ ヴィーニ |
ワインリスト見せていただけますか? |
Non mi intendo di vino.
ノン ミ インテンド ディ ヴィーノ |
ワインのことはよく分かりません。 |
Quale vino mi consiglia?
クワーレ ヴィーノ ミ コンシリア |
お勧めのワインはどのワインですか? |
Di dove è questo vino?
ディ ドーヴェ エ クエスト ヴィーノ |
これはどこのワインですか? |
- エノテーカによっては試飲用のワインが用意されている場合がありますので、ボトルを注文する前に試飲をしてからお気に入りの一本を選んでも良いと思います。
Posso assaggiare dei vini?
ポッソ アッザジャーレ デイ ヴィーニ |
ワインを試飲することが出来ますか? |
Si può provare a bere questo vino?
シ プオ プロバーレ ア ベーレ クエスト ヴィーノ |
このワインを試飲出来ますか? |
Mi è piaciuto questo vino?
ミ エ ピアチュート クエスト ヴィーノ |
このワインが気に入りました。 |
- ワインの色や産地、そして辛口や甘口といったワインのタイプなどで好みのワインを選びます。
そのとき知っておくと便利な単語を紹介します。ワインの格付けの分類については、第8回のステップ2での設問4の答えを参照して下さい。
ワインの色 |
赤ワイン(vino rosso) |
白ワイン(vino bianco) |
ロゼ(vino rosè) |
ワインのタイプ |
甘口(dolce) |
中甘口(amabile) |
薄甘口
(abboccato) |
辛口(secco) |
極辛口(brut) |
強いワイン
(vino robusto) |
ワインの好み |
フルーティな(fruttato) |
軽い(飲みやすい)(leggero) |
風味のある(saporito) |
香りのある(aromatico) |
上品に調和のとれた
(delicato) |
味と香りの調和のとれた
(equilibrato) |
こくのある(generoso) |
十分に熟成した(maturo) |
まろやかな(rotondo) |
酸味が強い(allapante) |
Preferisco il vino rosso corposo.
プレフェリスコ イル ヴィーノ ロッソ コルポーゾ |
成熟したしっかりとした赤ワインが好みなんですが! |
Mi può consigliare un buon vino tipico locale?
ミ プオ コンシリアーレ ウン ブオン ヴィーノ ティピコ ロカーレ |
地元の美味しいワインを教えて下さい。 |
Con quale piatto va bene questo vino bianco?
コン クアーレ ピアット ヴァ ベーネ クエスト ヴィーノ ビアンコ |
この白ワインはどんな料理と合いますか? |
Di dove è e di quale anno è il vino italiano più buono?
ディ ドーヴェ エ エ クアーレ アンノ エ イル ヴィーノ イタリアーノ ピュ ブオーノ |
何年もののどのイタリアワインが美味しいですか? |
ステップ2の答え
- カルパッチョ(Vittore Carpaccio 1460-1525/26年)
ヴェネチア派の画家。ヴェネチアの高級レストラン「ハリーズ・バー(Harry's Bar)」が考案した料理で、薄切りの生牛肉にスライスしたパルメザンチーズをかけた料理で、画家カルパッチョの作品に赤と白の色合いが特徴であることから彼の名前が付けられた。 - ボローニャ(Bologna)
エミーリア・ロマーニャ州の州都、ボローニャで毎年開催されている絵本原画展(Bologna Fiera Del Libro Per Ragazzi)。 - ヴェネチア・ビエンナーレ(La Biennale di Venezia)
1895年より開催されている歴史のある、最も権威のある世界的な芸術祭。 - ロッシーニ(Gioachino Antonio Rossini 1792-1868)
歌劇「セビリアの理髪師(Il baribiele di Siviglia)」や「ウィリアム・テル(Guillaume Tell)」など生涯39の歌劇を書きあげた大作曲家。37才の若さで突如引退し、料理に没頭し、ついにはレストランを開きます。そしてパリにグルメ専門レストラン「グルメの為の天国」を経営し、ボローニャではトリュフを取る豚を飼育する毎日であったそうです。牛フィレ料理「ロッシーニ風トゥルヌド」やフォアグラとトリュフの入った「ロッシーニ風オムレツ」は有名。 - パパラッチ(Paparazzi)
フェデリコ・フェリーニ(Federico Felini)が監督した「甘い生活」(La doce vita)に登場するカメラマンの名前パパラッツォがその由来で、複数形でPaparazziという言葉が生まれました。この映画は1960年カンヌ映画祭でグランプリ(Palme d'Or)の栄冠に輝きました。