文化講座
お茶と保健機能食品制度(6)
~お茶のアミノ酸,テアニン~ テアニンはお茶に含まれているアミノ酸成分の内で、最も特徴的なものだ。お茶の甘味、旨味の主成分となっている。緑茶の内でも高級茶と言われる抹茶、玉露、煎茶等に多く含まれている。
近年、テアニンを100mg位摂取すると脳波にα波の出現が増加すると言われる。α波が多く観察される場合は、安らぎ、落ち着いた状態と考えられている。
つまり、テアニンは安らぎ、リラックス効果を持っていると言うのだ。但し、まだ、特定保健用食品の成分となっていない。
前述した如く、テアニンは高級茶と言われる茶葉に多く含まれている。お茶以外にはマッシュルームの一種やサザンカに少量しか含まれていない特異的なアミノ酸だ。グルタミン酸から合成される。科学的にはグルタミン酸エチルアミドである。お茶に含まれているアミノ酸成分のおよそ60%を占めている。
テアニンは高級茶を熱湯で抽出した場合の成分の内で4%位を占める。計算して見ると茶葉100g中に2.4g位含まれていることになる。そうなると茶葉5gの中に120mgのテアニンが含まれていることが判る。従って、5g位の茶葉から抽出したお茶を飲めばよいことになる。
乳牛にテアニンを与えると牛乳が沢山出るようになると言う。牛が安らぎ、落ち着いたためにストレスホルモンと言われるホルモンの分泌が減少したからだろうか。人間でも、α波が出現するようになるのは同様の効果が期待される。
以上のような効果に注目した清涼飲料水がこの6月から発売された。商品名を「レモリア」(ヤクルト本社)と呼ぶ。容器1個あたり250mlで、その中にテアニン100mgを含むようになっている。他に、7種のハーブエキスとレモン果汁を加えることによって、香り、味を調えている。一本で44キロカロリーとなっている。
発売されたばかりのためか、今だ、特定保健用食品の認可を得ていない。テアニンがお茶の旨味成分に加えて、安らぎ成分ともなっているとすればお茶の効果としての注目でもある。
お茶が含む香り、アロマ成分と同様にテアニンはお茶の持つ心霊的効果に寄与しているのではなかろうか。いずれにしても特定保健用食品になるかどうか期待して待とう。