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知って得するお茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

お茶と保健機能食品制度(5)

~ポリフェノールと血糖値~   お茶ポリフェノールは腸管からの糖や脂質の吸収を抑制する作用があると言われる。しかし、その効能が認められたお茶の特定保健用食品は、未だない。ところが、グアバ葉からのポリフェノールが血糖値抑制効果ありとして認められた商品がある。

ヤクルト本社がグアバ葉から抽出したポリフェノールが、糖の吸収を抑える作用があるとして売り出した。商品名を「ヤクルト蕃爽麗茶」として特定保健用食品の許可を得た。ヤクルト社の資料によれば、「蕃爽麗茶」100cc中に35mg以上のポリフェノールを含んでいる。具体的ポリフェノールは公開されていないが、グアバ葉茶特有の高分子からなるポリフェノールであると言う。エラジタンニン類と言われ、緑茶、ウーロン茶、紅茶等のカテキン類とは異なる。

「蕃爽麗茶」は、糖、脂質、蛋白質等のカロリー源となる成分は含まれていない。故に、飲んでもカロリー0である。初めて飲んだ時の印象は「コーラ」のそれと似たような気持がする。つまり、始めの2~3日はスンナリとは受け入れ難い感じがある。しかし、慣れると違和感は消失していく。冷やしても、温めても飲める。ちょうど、缶入りのウーロン茶を冷、温で飲むようなものだ(ウーロン茶に代表される青茶は、通常、温湯で飲むものだ)。

いずれにしても、血糖が高めの人達、ただし、あまり高値の人には有効ではないようだ。コレステロールや中性脂肪が高めの人に対しても「抑制効果あり」との研究発表はあるが、現在の所その効能が特定保健用食品としては認められていない。糖、脂質の血中濃度抑制効果について、お茶を用いた研究もあるが、肯否両論がある。
この種の研究は「あなたは一日何杯のお茶を飲みましたか」等の過去にさかのぼっての聞き取り調査型研究ではほとんど客観性はない。未来型にフォローしたものでなければならない。加えて、生活習慣(タバコ、アルコール類の嗜好も含めて)、栄養や運動条件などの影響を受けそうな要因も分析調整した研究結果でなければ信頼性はほとんどないのだ。

 氾濫する健康食品については「効いた人がある」「健康によいそうだ」等の「例がある」型の話はまず信じてはいけない。

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