愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

知って得するお茶ワールド

信天翁(アホウドリ)喫茶主
医学博士 山中 直樹(宗直)

抹茶生産の40%は愛知県の西尾地域

私達が日頃口にする喫茶飲物は、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒーを中心としています。コーヒーを除いた飲物は、学名カメリア・シネンシスという茶木の葉を原料としています。しかし、麦茶、ハーブ茶、ドクダミ茶、クコ茶などは同じ茶と言っても原料は全く別のもの。つまり、飲物の代名詞となるくらい茶が日常茶飯と言うことです。

緑茶、ウーロン茶、紅茶は、茶木の品種やそれぞれの製茶の方法によって、相違が生じ、特色づけられるのです。製法を概略すれば、緑茶は摘んだ茶葉をすぐに蒸すために最も自然に近いもの。ウーロン茶、紅茶は摘んだ茶葉を干して萎れさせてから、揉みます。茶葉を傷つけ、茶葉の酵素が働くようにして、更に、発酵させるのです。発酵のさせ方が半発酵の場合ウーロン茶、完全発酵の場合が紅茶なのです。世界中での消費はおよそ緑茶が20%、ウーロン茶2%、紅茶が 75%です。

中国ではウーロン茶が主に飲まれていると思うかもしれませんが、緑茶が大部分なのです。中国人が肥満でないのはウーロン茶のためとは言い過ぎでしょう。

中国から伝わったお茶は、初めは薬効が注目でした。有名なのは鎌倉時代に禅僧の栄西が源実朝将軍に飲ませて二日酔いの頭痛と眠気、倦怠感を改善したとの記述。その折り、実朝が飲んだのは、抹茶にあたるものです。

今日、抹茶は特別に栽培された上等な新芽の葉を用います。中でも濃茶に使用されるものが特上。抹茶の生産は愛知県の西尾地域が日本一で40%に及んでいます。つまり、世界一と言うことです。

抹茶は、旨み、甘味を持つアミノ酸を多く含み、その代表がテアニン。アロマ成分も各種含みます。こうした成分や、飲み方故に一碗の茶が"いこい"、"なごみ"の素となります。ワインも同様と思いますが、あれやこれやの薬効を言う前に、まずは好きにゆとりを持って飲むことそのことが必須でしょう。

知って得するお茶ワールド
このページの一番上へ