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インターネット公開文化講座

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私は麺食い人!

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第8回:パスタについて学びます

前シリーズでは「お弁当作りを楽しむ」と題し、幼児や学童期から、中高年者が楽しめる弁当や、おもてなしも含めたマダムのためのおしゃれ弁当など、その作り方の注意点なども含めてお弁当に向くレシピをご紹介しました。
今シリーズでは、「私は麺食い人!」というテーマで、日本独自の発展を遂げたラーメンをはじめ、アジア各国の食文化ともつながりの深い麺料理など、バラエティに富んだ麺料理をご紹介しています。

8回目のテーマは「パスタ その3」
ここまで2回にわたり、パスタについて取り上げてきました。パスタ特集最終回となる今回は、家庭で作るお手軽パスタレシピ、パスタの豆知識や栄養素などについてご紹介します。

まずは、パスタを使った料理をご紹介します。

鉄板焼きナポリタン

鉄板焼きナポリタン

材料 4人分
ピーマン 4コ
マッシュルーム 8コ(100g)
玉ねぎ 1/2コ(150g)
にんじん 50g
ウインナーソーセージ(赤) 8本(90g)
サラダ油 大さじ2~3
にんにく(薄切り) 1粒
スパゲティ(1.7mm) 300g
スパゲティの茹で汁(又は水) ~50ml~
A トマトケチャップ 150ml分
ウスターソース 小さじ2
牛乳 大さじ2
小さじ1/2~2/3
白こしょう 少々
B 6コ
少々

作り方

  1. ピーマンは縦半分に切って種を取り、せん切りにします。マッシュルームは縦に薄切り、玉ねぎは短いせん切りにします。
  2. にんじんは短いせん切りにします。ウインナーは1本をななめ半分に切ります。
  3. フライパンに分量の油を入れ、にんにくと玉ねぎを弱火でじんわりと炒めます。
  4. 3.が甘い香りがしてきたら、1.と2.を加えて炒めます。
  5. タイミング良くスパゲティを茹でます(熱湯に美味しいと感じる程の塩を入れて茹でます)。
  6. 4.に5.を入れ、スパゲティの茹で汁を加えて麺をほぐすようにし、(A)で調味します。味を確かめて仕上げます。
  7. 鉄板やフライパンを温めて、(B)を半熟になるまで焼き、6.を上に盛り付けます。

ミートソーススパゲッティ

エネルギー676kcal、たんぱく質23.1g、脂質21.4g、塩分2.9g(1人分)

ミートソーススパゲッティ

材料 4人分
  スパゲティ 400g
多め
オリーブ油 大さじ3
にんにく(みじん切り) 小さじ1
玉ねぎ 200g
にんじん 80g
セロリ 60g
牛ひき肉 200g
小麦粉 大さじ2
赤ワイン(又は酒) 50ml
A トマトソース缶 1缶(295g)
200ml
ウスターソース 大さじ1/2
しょうゆ 大さじ1/2
小さじ1・1/4
こしょう 少々
スパゲッティの茹で汁 適宜
パルメザンチーズ 適宜

作り方

  1. 沸騰した熱湯に塩を多めに入れ(飲んでおいしいと感じる位)、スパゲッティをタイミングよく茹でます(茹で汁は残しておきます)。
  2. 厚手鍋(又はフライパン)にオリーブ油を入れ、弱火でゆっくりとにんにくを炒めます。
  3. 玉ねぎ・にんじん・セロリを粗みじん切りにします。
  4. 2.に3.を加え、弱火でじっくりと炒めたら、ひき肉を加えてバラバラになるまで炒め、小麦粉を加えます。
  5. 4.に小麦粉がからまったら赤ワインで風味をつけ、(A)を加えて煮込みます。
  6. パスタにソースをからめ、お好みでパスタの茹で汁を加えます。
  7. 器に盛ってから、お好みでチーズをふります。

※写真にはバジルの葉を添えました

ボンゴレ・ロッソ(アサリのスパゲッティ)

ボンゴレ・ロッソ(アサリのスパゲッティ)

材料 4~5人分 2~3人分
アサリ(中~大) 500~600g 250~300g
A 白ワイン 大さじ4 大さじ2
140ml 70ml
オリーブ油 大さじ4 大さじ2
にんにく(みじん切り) 小さじ2杯分 小さじ1杯分
玉ねぎ(短いせん切り) 200g 100g
カットトマト(紙箱・約400g程度) 2箱 1箱
アサリの蒸し汁 200ml~ 100~120ml
小さじ1~ 小さじ1/2~
スパゲッティ(又はスパゲッティーニ) 320g 160g
青味(イタリアンパセリなど) 適宜 適宜
グリーンアスパラガス(お好みで・中太) 5~6本 3~4本

作り方

  1. アサリは殻をこすり合わせてしっかりと洗います(市販品は砂出ししてある)。
  2. 1.を中鍋に入れ、(A)を加えてフタをして蒸し煮します(蒸し汁を残しておくこと)。
  3. フライパンにオリーブ油を入れ、にんにくを入れて火にかけます。じんわりと炒めてから玉ねぎを加え、しっかりと炒めます。
  4. 3.にカットトマトとアサリの蒸し汁を入れ、塩で調味します。
  5. ソースが出来るタイミングをみて、沸騰した湯に多めに塩を入れて(おいしいと感じる塩味)、スパゲッティを袋の茹で時間を確認し、8~9分程茹でます(茹で汁は残しておく)。
  6. 4.に茹で上ったスパゲッティを加え、とろみをみながら茹で汁を加えます。
  7. 器に盛り、青味(イタリアンパセリなど)を添えます。

※スパゲッティが茹で上がる頃に、斜め切りにしたアスパラを入れてサッと茹でるのも良い

パスタの豆知識

ナポリタンスパゲッティは日本発祥のメニュー

ナポリタンスパゲッティは昭和20年代に神奈川県横浜市にあるホテルニューグランドで考案されました。当時は終戦後で食べ物が少なく、米軍兵士は茹でたパスタにケチャップを混ぜただけのものを食べていました。その姿を見かねた総料理長が、生のトマトを使いニンニクなどで作り上げたトマトソースに、炒めたハムやピーマン、マッシュルームなどの具材を入れたのが始まりです。
そのナポリタンスパゲッティが喫茶店などへ広まるにつれて、手に入りやすいケチャップを使った親しみのあるナポリタンスパゲッティになりました。当時はトマトソース自体を「ナポリ風」と呼んでいたのがその名の由来とされています。

カルボナーラの意味

イタリアではカルボナーラのことを『パスタ・アッラ・カルボナーラ(pasta alla Carbonara)』と呼びます。「炭焼き職人風パスタ」という意味です。この由来には、仕上げの黒こしょうが炭の粉に見えるため、または炭焼き小屋にあった乾燥パスタと貯蔵肉と卵だけで作ったことから、など諸説あります。また、北イタリアで活躍していた「カルボナリ(炭焼党)」と呼ばれる政党の功績をたたえるために名付けられたとする説もあります。
また、イタリアのカルボナーラには生クリームは入っていません。もともと、卵が固まらないようにレストランなどで生クリームを加えたのが始まりとされています。
本場ローマのカルボナーラのオリジナルレシピは、ローマがあるラツィオ州で作られる羊乳のチーズ『ペコリーノ・ロマーノ』、豚の頬肉の塩漬けである『グアンチャーレ』など、使用するチーズや豚肉の部位まで指定されています。

パスタを茹でる時に塩を入れるのはなぜ?

パスタにまろやかな塩味の下味をつけるためです。塩を加えた熱湯で茹でると、パスタに塩味が浸透しながら茹で上がります。麺に程よい塩味が加わり、ソースとなじみやすくなり、パスタがより美味しくなります。
パスタを茹でる時の濃度は0.5~1%程度(水1リットルに対して塩5~10g・小さじ1~2杯)が適量とされています。

スプーンは使う?使わない?

イタリア人はスパゲッティを食べる時フォークのみを使用し、スプーンは使いません。日本ではアメリカの影響でスプーンが登場するようになりました。
アメリカでは「食べやすい」という理由でスプーンが使われるようになりました。第二次世界大戦以降、長らくアメリカ式イタリア料理の影響が強く、日本のレストランではスパゲッティ料理にフォークとスプーンを出す店が多くあります。

パスタの栄養素

パスタの原料であるセモリナ粉はたんぱく質が豊富です。また、デュラム小麦は糖質の吸収速度が遅く、食後の血糖値もゆっくり上昇するため、糖尿病を予防するエネルギー源としても役立ちます。

マカロニ・スパゲッティ(可食部100g当たり/ゆで)

エネルギー 150kcal
たんぱく質 5.8g
脂質 0.9g
炭水化物 32.2g
マグネシウム 20mg
ビタミンB1 0.06mg

日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

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