文化講座
第6回:パスタについて学びます
前シリーズでは「お弁当作りを楽しむ」と題し、幼児や学童期から、中高年者が楽しめる弁当や、おもてなしも含めたマダムのためのおしゃれ弁当など、その作り方の注意点なども含めてお弁当に向くレシピをご紹介しました。
今シリーズでは、「私は麺食い人!」というテーマで、日本独自の発展を遂げたラーメンをはじめ、アジア各国の食文化ともつながりの深い麺料理など、バラエティに富んだ麺料理をご紹介しています。
6回目のテーマは「パスタ」
パスタはイタリア語で「麺類」という意味です。
パスタの原材料や種類などについてご紹介します。
まずは、パスタを使った料理をご紹介します。
カニときのこペーストのパスタ
材料 | 4人分 | |
---|---|---|
にんにく | 小1かけ | |
イタリアンパセリ | 2本 | |
赤唐辛子 | 1本 | |
オリーブ油 | 大さじ3 | |
まいたけ | 140g | |
しめじ | 110g | |
エリンギ | 100g | |
生しいたけ | 4枚(100g) | |
アンチョビ(フィレ) | 30g | |
白ワイン | 50ml | |
塩 | 小さじ1 | |
こしょう | 少々 | |
パスタ | 400g | |
パルメザンチーズ(粉) | 大さじ4 | |
パスタの茹で汁 | 200ml | |
カニ缶 | 1缶(100g) | |
生クリーム | 大さじ4 | |
カニ | 足4~8本 |
作り方
- みじん切りにしたにんにく、粗みじん切りしたパセリ、種を抜いて輪切りにした赤唐辛子をオリーブ油でじっくりと炒めます。
- 1.の良い香りがしてきたら、手でさいたまいたけ、しめじ、縦半分の薄切りにしたエリンギ、軸ごとさいたしいたけ、粗みじん切りにしたアンチョビ、ワインを入れて蒸し煮します。
- 沸騰した湯に塩(分量外)を多めに入れ、パスタを茹でます。
- 2.のカサが減ったら粗熱を取り、チョッパーにかけます(粒が残る程度)。
- 4.に茹で汁、カニ缶、生クリームを加えてパスタとからめます。
- 茹でたカニを添えます。
クリーミーなマカロニグラタン
材料 | 4人分 | |
---|---|---|
マカロニ | 130g | |
サラダ油(マカロニ用) | 少々 | |
ほうれん草 | 2/3束(150g) | |
塩 | 少々 | |
白こしょう | 少々 | |
玉ねぎ | 1/2コ(130g) | |
鶏むね肉 | 130g | |
マッシュルーム | 4コ | |
バター | 20g | |
塩 | 小さじ1/3 | |
白こしょう | 少々 | |
バター | 30g | |
小麦粉 | 大さじ6(30g) | |
A | 牛乳 | 300ml |
生クリーム | 100ml | |
コンソメスープ | 200ml | |
塩 | 小さじ2/3 | |
こしょう | 少々 | |
サラダ油(皿に塗る用) | 少々 | |
ミニトマト | 4コ | |
パルメザンチーズ | 大さじ1 | |
ピザ用ミックスチーズ | 40g | |
セルフィーユ | 適宜 |
作り方
- マカロニは熱湯に塩を入れて程良く茹で、ザルに上げて油を少々まぶします。
- ほうれん草は洗って軸を切り落として4等分にし、熱湯で茹でます。水にさらしてから水気をしぼり、軽く塩とこしょうをふります。
- 玉ねぎは短い細切り、鶏肉は小さめの一口大に切ります。マッシュルームは縦にスライスします。
- フライパンにバターを溶かして玉ねぎをしんなりするまで炒め、鶏肉を加えます。
- 4.の鶏肉に火が通ってきたら、マッシュルームを加えて塩とこしょうをふります。
- 厚手鍋にホワイトソース用のバターを溶かして小麦粉を加え、弱火で色づかないようにじっくりと炒めます。火を止め、鍋を水に浮かべて少し冷ましてから(A)を加え、泡だて器で軽く溶きほぐしてホワイトソースを作ります。
- 6.に5.を入れて煮て2/3量を1.と混ぜ合わせます。残りの1/3量は、少しとろみがつくまで煮詰めます。
- グラタン皿にサラダ油を塗り、2.のほうれん草と7.のマカロニを入れます。
- 8.の上に残り1/3量のホワイトソースをかけ、縦半分に切ったトマトをのせてパルメザンチーズ、ピザ用ミックスチーズをふりかけます。
- 220度のオーブンの上段に9.を入れ、12分間程焼きます。取り出してセルフィーユを添えます。
ブロッコリーのショートパスタ~旬のブロッコリーを使って~
材料 | 3~4人分 | |
---|---|---|
ブロッコリー(中) | 300g(1株) | |
にんにく(みじん切り) | 小さじ1杯分 | |
アンチョビ | 15g | |
赤唐辛子(中) | 2本 | |
オリーブ油 | 大さじ4 | |
ショートパスタ(フジリなど) | 200g | |
アンチョビの漬け汁 | 小さじ1 | |
パスタの茹で汁 | 200ml | |
塩 | ~小さじ1/3~ | |
こしょう | 少々 | |
パルメザンチーズ(お好みで) | 大さじ2~3 | |
青味(イタリアンパセリ) | 適量 |
作り方
- ブロッコリーは小さい房に分け、くずれるほどにやわらかくなるまで茹でます。水に取らずに粗く刻みます。
- にんにくはみじん切り、アンチョビは粗く刻みます。赤唐唐辛子は水に浸けておき、やわらかくなったら種を出して輪切りにします。
- フライパンにオリーブ油を入れ、油がぬるいうちに2.を入れてじんわりと炒めます。
- たっぷりの熱湯に塩(分量外)を入れ(飲んでおいしいと感じるほどの塩を入れる)パスタを茹でます(茹で汁は残しておく)。
- 3.に4.のパスタとブロッコリーとアンチョビの漬け汁を入れ、分量のパスタの茹で汁を加え、塩とこしょうで調味します。
- お好みでチーズを混ぜ込みます。器に盛り、青味を添えます。
パスタとは?
パスタとは、小麦粉と水を練り合わせて作られた食品を指し、スパゲッティやマカロニなどの麺の総称です。パスタという言葉は、イタリア語で「麺類」という意味です。
パスタは小麦の中でもデュラム小麦という、小麦の胚乳部を粗く砕いたデュラムセモリナ粉を原料とします。良質のたんぱく質、グルテンを多く含み、甘みがあるのが特徴です。また、弾力性に富んでいるので生地の形成がしやすく、茹でてもコシが強く形が崩れにくいです。薄い黄色は、デュラムセモリナ本来の自然な色で、卵などを含んでいるのではありません。
デュラム小麦は地中海沿岸や中近東、アメリカ、カナダなどの各地で生産されています。中でも日本の国産パスタには、カナダやアメリカで生産されたたんぱく質含有量の多い良質なデュラム小麦が使われています。
パスタの種類
本場イタリアでは、用途に合わせてパスタの種類が500種類以上あると言われています。同じ大きさや形でも、地方によって呼び方が違う場合があります。ここでは形状の違いによる代表的なパスタをお伝えします。
ロングパスタ
ロングパスタとは、長さ25cm前後の長い棒状のパスタです。
主なロングパスタの種類
スパゲッティ
断面が円形で、直径1.4mm~1.9mm前後、長さ25cm前後の棒状のパスタ。
イタリア語で「紐」を意味するspagoが語源です。
日本でもイタリアでも馴染みの深いパスタで、様々なソースと相性が良いです。
フィットチーネ/タリアテッレ
麺の幅が5~10mmの平麺状のパスタ。
タリアテッレはイタリア北部で呼ばれる名称で、イタリア中部から南部ではフィットチーネと呼ばれます。
濃厚なソースやクリーム系のソースによく合います。
〈伊藤華づ枝作:手作りタリアテッレ〉
リングイーネ
スパゲッティより太く、断面が楕円形をしたパスタ。
イタリア語で「舌」という意味のlinguaが語源です。
味のしっかりとしたソースによく使われます。
フェデリーニ
スパゲッティより細く、断面が円形をした直径1.3mm前後のパスタ。
さっぱりとしたオイル系やスープパスタとよく合います。
ラザニア
厚さ1~2mm程度の板状のパスタ。
断面は波打っていて、もちもちとした独特な食感が特徴です。
〈伊藤華づ枝作:ラザニア〉
ショートパスタ
ショートパスタとは、短くカットしたパスタで、ソースの絡み具合を考えたもの、形を楽しむものと種類が豊富です。
主なショートパスタの種類
マカロニ
直径2~5mmの円筒状のパスタ。
日本ではサラダやグラタンに使用されることが多く、濃いめのソースと相性が良いです。
ペンネ
両端をペン先のように斜めに切られた筒状のパスタ。
この形状により、ソースが筒の中に入りやすく、味がしみこみやすいのが特徴です。
フジッリ
らせん状によじれた形をしたパスタ。
ドレッシングやマヨネーズが絡まりやすい形状のため、サラダによく合います。
コンキリエ
貝殻のような形をしたパスタで、大きさは10~20mmのものが一般的です。
内側のくぼみにソースがよく絡みます。
ファルファッレ
イタリア語で「蝶」の意味で、蝶ネクタイのような形をしたパスタ。
ひだにソースがよく絡むので、濃厚なソースと相性が良いです。また、サラダやスープの具材としても使われます。