文化講座
第2回:中華麺について学びます
前シリーズでは「お弁当作りを楽しむ」と題し、幼児や学童期から、中高年者が楽しめる弁当や、おもてなしも含めたマダムのためのおしゃれ弁当など、その作り方の注意点なども含めてお弁当に向くレシピをご紹介しました。
今シリーズでは、「私は麺食い人!」というテーマで、日本独自の発展を遂げたラーメンをはじめ、アジア各国の食文化ともつながりの深い麺料理など、バラエティに富んだ麺料理をご紹介しています。
2回目のテーマは「中華麺」
中華麺の原材料や歴史について簡単にご紹介します。
まずは、中華麺を使った料理をご紹介します。
ピリ辛つけ麺
材料 | 4人分 | |
---|---|---|
小玉ねぎ(又は玉ねぎ) | 200g | |
なす | 2本(240g) | |
豚肩ロース薄切り肉 | 300g | |
ごま油 | 大さじ2 | |
水 | 800ml | |
A | しょうゆ | 大さじ6 |
砂糖 | 大さじ3 | |
酢 | 大さじ3 | |
練りごま | 大さじ4 | |
豆板醤 | 小さじ2弱 | |
B | ねぎ(粗みじん切り) | 60g |
しょうが(みじん切り) | 小さじ2強 | |
にんにく(みじん切り) | 小さじ1 | |
中華生麺 | 4人分(520g) | |
もやし | 1袋(200g) | |
トマト(種を取って小角切り) | 1/2コ | |
ラー油 | 適宜 | |
青味(パクチー) | 適宜 |
作り方
- 小玉ねぎは皮をむいて横半分に切り、なすは7mm幅の輪切り(太い部分は半月切り)にして水に晒します。豚肉は一口大に切ります。
- フライパンに油を敷き、小玉ねぎを甘い香りがするまでじんわりと焼きます。なすと豚肉も入れて炒め、肉の色が変わったら、水を加えます。
- 野菜と肉に火が通ったら、(A)を入れます。火を止めて(B)を加えて混ぜて器に盛ります。
- 麺を差し水をしながら茹で、水でぬめりを取って器に盛ります。
- 4.に茹でたもやしとトマトをのせます。
- 3.に5.を付けながら召し上がります。お好みでラー油をかけて青味を添えます。
ピリッと辛い担担麺
材料 | 4人分 | |
---|---|---|
A | 鶏手羽先(又は手羽元) | 6本 |
水 | 11カップ | |
ねぎ | 適宜 | |
しょうが | 適宜 | |
ごま油 | 大さじ1 | |
B | ねぎ(みじん切り) | 大さじ1 |
しょうが(みじん切り) | 小さじ1 | |
にんにく(みじん切り) | 小さじ1/2 | |
豚ひき肉 | 200g | |
C | 豆板醤 | 小さじ2/3弱 |
赤みそ | 小さじ1 | |
しょうゆ | 小さじ1強 | |
砂糖 | 小さじ1 | |
酒 | 大さじ1 | |
ニラ(又はほうれん草) | 100g | |
中華生麺(1玉130g) | 4玉 | |
スープの材料 | 4人分 | |
D | 白ねぎ(みじん切り) | 大さじ4 |
練りごま | 大さじ4 | |
しょうゆ | 大さじ4 | |
塩 | 小さじ1・1/3 | |
白こしょう | 少々 | |
うま味調味料 | 少々 | |
スープ(作り方1.で作ったもの) | 1200ml | |
ラー油 | 適量 |
作り方
- 鍋に(A)を入れて火にかけ、沸騰したらアクを取って15分間程中火で煮てスープを取ります。
- フライパンにごま油を入れて(B)を弱火でじんわりと炒め、良い香りがしてきたらひき肉を加え、パラパラになったら(C)で調味します。
- ニラは5cm長さに切って茹で、冷水に取って芯まで冷やし、しぼります。
- 丼に1人分ずつ(D)を混ぜ合わせ、熱々の1.を1人300mlずつ漉して加え、手早く混ぜます。
- タイミングを見て麺をたっぷりの熱湯で茹でて、4.に入れます。
- 5.の麺を軽くほぐし、2.のひき肉と3.のニラを添え、ラー油を多めに入れます。
※お好みで糸唐辛子を添えます
手作りチャーシューとワカメのラーメン
材料 | 4人分 | |
---|---|---|
もやし | 160g | |
ねぎ | 60g | |
卵 | 2コ | |
中華生麺 | 4玉(500g) | |
チャーシュー | 4枚 | |
ワカメ(茹でた状態で) | 40g | |
焼きのり(5㎝×10㎝) | 8枚 | |
  | 1人分 | |
鶏がらスープ | 400ml | |
A | しょうゆ | 30ml |
塩 | 2g | |
白こしょう | 少々 | |
ねぎ(みじん切り) | 5g | |
うま味調味料 | 少々 |
作り方
- もやしは熱湯でサッと茹で、水に取ります。ねぎは輪切りにします。
- 沸騰した湯に卵をそっと入れ、再度沸騰したら中火で7~8分間茹でて氷水に取って半熟卵を作り、半分に切ります。
- 熱湯にほぐした中華麺を入れ、茹でます。
- ラーメン丼に1人分ずつ(A)を入れて熱々の鶏ガラスープを注ぎ、湯をしっかり切った麺を入れます。
- 4.に1.と2.、チャーシュー、ザク切りにしたワカメ、のりを盛ります。
手軽な鶏がらスープの取り方
鍋に水10カップと鶏手羽先又は手羽元6本、くず野菜(ねぎやしょうが)適宜を入れて火にかけ、沸騰したらアクを取って15~20分間程中火で煮てスープを取ります
手作りチャーシューの作り方・10~12枚分
豚肩ロース肉500gの塊を太めの糸でしばり、形を整えます。
深めの鍋にたっぷりの湯を沸かし、豚肉を入れて中弱火で50~60分ほど茹でます(圧力鍋の場合は沸騰してから20分くらい)。
豚肉が茹で上がったら、しょうゆ80ml、日本酒70ml、酢50ml、砂糖20gを煮立てた調味液に浸け、しょうがの薄切り10gとねぎのぶつ切り20gも共に入れます。
密閉袋に入れて味をなじませ、完全に冷めてから糸を取り除き、7mm厚さに切ります。
中華麺とは?
中華麺の原材料は、小麦粉・かん水・水です。
かん水を使用するのが一番の特徴で、中華麺はラーメンや焼きそば、冷やし中華などに使われます。
かん水は炭酸ナトリウムや炭酸カリウムを主成分としたアルカリ塩水溶液です。かん水を加えることで、麺にコシと滑らかさが増し、中華麺特有の色と香りを生み出します。小麦粉にかん水を混ぜると、小麦粉のグルテンがかん水のアルカリ性物質によって収縮して、コシと滑らかさが生まれるのです。さらに、小麦粉に含まれるフラボノイド系色素が、アルカリ性物質に触れると淡黄色に発色するので、中華麺は黄色いのです。また、製法により縮れなど独特の特徴が出ます。
中華麺の歴史
約1700年前頃に中国の奥地の民族が、その土地の湧き水を使用して麺を作ったところ、今までの食感とは異なるコシの強い麺が出来上がりました。この湧き水の主成分は「炭酸ナトリウム」でした。これが現在、中華麺作りに欠かすことのできない「かん水」です。
日本のラーメン
室町時代の1488年の書物に、経帯麺が食べられていたという記録があります。このレシピはかん水が使われ、中華麺とほぼ同じであり、この「経帯麺」が日本で最初の中華麺と考えられています。
明治時代に入って横浜中華街から日本に本格的に広まり、「南京そば」として販売されました。その後、1910(明治43)年東京・浅草に、日本初のラーメン店「来々軒」が開店し、「志那そば」としてラーメンを販売しました。1日に3,000杯にもなった繁盛ぶりでした。
戦後まもない時期には、一般的には「中華そば」と呼ばれましたが、1958年に日清のチキンラーメンが大ヒットしたことにより、「ラーメン」と呼ばれるようになりました。
中華麺の栄養素
中華麺(100g当たり/ゆで)
エネルギー | 149kcal |
たんぱく質 | 4.9g |
脂質 | 0.6g |
炭水化物 | 29.2g |
カリウム | 60mg |
ビタミンB1 | 0.01mg |
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
中華麺を使った料理
ラーメン
中華麺を使用した代表的な料理。北海道の札幌ラーメンに使われる麺はやや太めのちぢれ麺、博多ラーメンに使われる麺は細くてストレートの麺と、地域によって太さや形状に大きな違いがあります。
焼きそば
生麵を一度蒸した麺を使用します。蒸すことで炒めた後にふっくらとした舌触りになります。
ちゃんぽん
長崎県の郷土料理。唐あくを用いた専用の中華麺を使用します。
沖縄そば
沖縄県の郷土料理。油処理された太めの中華麺を使います。