文化講座
第5回:年末におすすめの麺料理について学びます
前シリーズでは「お弁当作りを楽しむ」と題し、幼児や学童期から、中高年者が楽しめる弁当や、おもてなしも含めたマダムのためのおしゃれ弁当など、その作り方の注意点なども含めてお弁当に向くレシピをご紹介しました。
今シリーズでは、「私は麺食い人!」というテーマで、日本独自の発展を遂げたラーメンをはじめ、アジア各国の食文化ともつながりの深い麺料理など、バラエティに富んだ麺料理をご紹介しています。
5回目のテーマは「年末におすすめの麵料理」
日本の麺の規格や記念日などについてもご紹介します。
まずは、麺を使った料理をご紹介します。
12月になりました。大晦日には年越しそばを召し上がるご家庭も多いかと思います。年越しそばは、江戸時代に庶民の間に定着した食習慣とされ、現在まで続く年末の風物詩となっています。
天ぷら年越しそば~日本そばで~
材料 | 4人分 | |
---|---|---|
エビ(中) | 12尾 | |
舞茸(小) | 1株(150g) | |
小麦粉 | 適量 | |
A | 卵 | 1コ |
冷水 | 150ml | |
小麦粉(ふるう) | 100g | |
揚げ油 | 適量 | |
ほうれん草 | 150g(約1/2束) | |
紅かまぼこ | 8切れ | |
白ねぎ | 5~6cm | |
B | 水 | 1000ml(5カップ) |
花かつお | 25g | |
C | かつお出汁 | 800ml |
みりん | 100ml | |
しょうゆ | 100ml | |
塩 | ~小さじ3/4~ | |
日本そば(乾麺) | 4人分 | |
七味唐辛子 | 適量 |
作り方
- エビは尾の1節を残して殻をむき、背ワタを抜いてから、腹側に切り込みを入れて腰を折ります(1人3尾)。
- 舞茸は洗わずに、大きく株分けします(1人2コ当て)。
- 1.と2.に下衣(小麦粉)をつけてから、(A)の天ぷら衣をつけて中温の油で揚げます。
- ほうれん草は茹でて4cm長さに切ります。かまぼこは1人2切れ当てに切ります。白ねぎは小口切りにして水に晒します。
- (B)の水を沸騰させ分量の花かつおを入れて1~2分間程煮て、かつお出汁を取ります。※蒸発したり、花かつおが水分を含むので濾すと約20%減ります。
- (C)を煮立て、そばつゆを作ります。
- そばを熱湯で程よく茹で、水に晒します。
- 丼に麺つゆを等分して入れ、7.のそばを入れます。
- 8.の上に、天ぷら、かまぼこ、ほうれん草、小口ねぎをのせます。お好みで七味唐辛子をふります。
写真は白ねぎの代わりに万能ねぎをそえました。
和風天津麺(かに玉のせあんかけ麺)
材料 | 2人分 | |
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ひやむぎ(又はそうめん) | 200g | |
A | だし汁(混合出し汁・かつおと昆布) | 700ml |
酒 | 大さじ2 | |
みりん | 大さじ1・1/2 | |
しょうゆ | 大さじ3弱 | |
塩 | 小さじ1/2~ | |
B | かたくり粉 | 大さじ3 |
水 | 大さじ3 | |
C | かにの身(ほぐし身・缶) | 50~60g |
茹でたけのこ(短いせん切り) | 30g | |
白ねぎ(粗みじん切り) | 20g | |
塩 | 小さじ1/5~1/4 | |
白こしょう | 少々 | |
卵 | 4コ | |
しょうゆ | 小さじ1/2 | |
サラダ油 | 大さじ1・1/2~2 | |
みつ葉 | 適量 |
作り方
- 麺はたっぷりの熱湯で茹で、水でもみ洗いします。
- (A)をひと煮立ちさせ、(B)を加えてとろりとさせます。
- (C)を混ぜ合わせ、フライパンに多めの油を入れていり卵のように混ぜます。
- 3.の火を止めて手早く2コに分け、形を整えてから、再度火をつけてかに玉を2コ作ります。
- 器に1.を盛り、2.をかけ、4.をのせます。青味をのせます。
ソーキそば(沖縄そば)~中華麵の変化形沖縄そば~
材料 | 4人分 | |
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豚スペアリブ(骨付きバラ肉) | 700g(8本) | |
A | 泡盛(又は日本酒) | 100ml |
水 | かぶる位 | |
B | 豚の茹で汁 | 200ml |
砂糖 | 大さじ2 | |
みりん | 大さじ2 | |
しょうゆ | 50ml | |
泡盛(又は日本酒) | 50ml | |
C | 豚の茹で汁+水 | 1400ml |
花かつお(あれば本枯) | 30g | |
D | 豚かつお出汁 | 1200ml |
しょうゆ | 大さじ1 | |
塩 | 小さじ2~1/2 | |
しょうが汁 | 小さじ2 | |
E | 卵 | 1コ |
万能ねぎ | 6本 | |
白かまぼこ | 1/2板分 | |
紅しょうが | 適宜 | |
沖縄そば | 4人分 |
作り方
- 豚肉は骨のまわりの汚れを取るように、湯で洗います。
- 1.と(A)を圧力鍋に入れ、沸騰したらアクを取って25分煮ます。茹で汁と肉は1晩おくか、ボウルに浮かべて急冷して上に浮く脂を取り除きます。
- (B)で肉を煮ます。(つやよく、汁がなくなるまで)
- 鍋に(C)の茹で汁と水を入れて、沸騰したら花かつおを入れて2~3分煮ます。
- 4.を漉して、(D)を鍋で煮立て、しょうが汁を加えてラーメンスープを作ります。
- (E)でトッピングを作ります。卵は薄焼きにして短冊切り、ねぎは小口切り、かまぼこは1人2枚当ての薄切り、紅しょうがはせん切りにします。
- ラーメン丼に5.のスープを入れ、茹でた麺を加え、6.と3.(1人2枚)をトッピングします。
沖縄の料理教室に入って、沖縄そばの麺打ちを習いました。(右:筆者)
2020年10月
10月号で日本そばについてご紹介したので、今回は麺全般をご紹介します。
乾麺の太さの基準
日本農林規格(JAS規格)の『乾めん類品質表示基準』によると、乾麺に該当する「うどん」「ひやむぎ」「そうめん」「きしめん」は、麺の太さの違いによって分類されています。
うどん | 直径1.7mm以上 |
ひやむぎ | 直径1.3mm以上1.7mm未満 |
そうめん | 直径1.3mm未満 |
きしめん | 幅4.5mm以上/厚さ2.0mm未満 |
麺の日
11月11日と毎月11日は、麺の日です。全国製麺協同組合連合会が、1999年に麺類をPRするために制定した記念日です。「1」を並べると「1111」となり、これを細長い麺に見立てたのが由来です。また、1年を通じて麺類に関心を持ってもらうために、毎月11日を記念日にしています。
その他にも、「麺」に関連する記念日はいくつもあります。
うどんの日
古くから香川県の農家では、田植えや小麦の刈り入れが終わる頃、農作業を手伝いに来てくれた人たちに、その年に収穫した小麦でうどんを打ち、うどんをふるまう風習がありました。
七十二候のひとつで半夏生(夏至から数えて11日目、7月2日頃)の頃であったことから、香川県製麺事業協同組合は7月2日を「うどんの日」として制定しました。
そうめんの日
平安時代には七夕に健康を祈りながらそうめんを食べたと記録があることや、そうめんを白い糸に見立て機織りが上達するように祈りながら食べたなどの諸説から、全国乾麺共同連合会では7月7日を「そうめんの日」と設定し、七夕にそうめんを食べることを推奨しています。
カレーうどんの日
平成22年、カレーうどんが日本全国に浸透して百年を記念し、6月2日の「カレー記念日」、7月2日の「うどんの日」に続き、8月2日が「カレーうどんの日」になりました。
冷凍めんの日
10月の0を「冷」、10日を「凍」と読み、冷凍めんの美味しさをPRする目的で、日本冷凍めん協会は10月10日を「冷凍めんの日」と制定しました。
きしめんの日
愛知県名古屋市の愛知県製麺工業協同組合では、きしめんの普及を目指して平成20年から10月26日を「きしめんの日」に制定しました。
10月は食欲の秋、26日はきしめんのつるつる感を「2」(つ)と「6」(る)に置き換えたものです。
名古屋名物きしめんの由来
きしめんは、中部地方の特徴であるしっかりとした味付けのだしを最大限楽しむために平たい形状になったと考えられています。
『きしめん』という名前は、雉(キジ)の肉を入れた平うどんを尾張藩主に献上した雉麺(きじめん)からきしめんへと派生した説、碁石のように丸かった団子状の麺にきなこをつけて食べた食べ物が棊子麺(きしめん)と呼ばれた説、紀州の人から伝わった紀州麺が転じた説など、諸説あります。