文化講座
第7回:パスタについて学びます
前シリーズでは「お弁当作りを楽しむ」と題し、幼児や学童期から、中高年者が楽しめる弁当や、おもてなしも含めたマダムのためのおしゃれ弁当など、その作り方の注意点なども含めてお弁当に向くレシピをご紹介しました。
今シリーズでは、「私は麺食い人!」というテーマで、日本独自の発展を遂げたラーメンをはじめ、アジア各国の食文化ともつながりの深い麺料理など、バラエティに富んだ麺料理をご紹介しています。
7回目のテーマは「パスタ その2」
パスタの歴史や選び方などについてご紹介します。
まずは、パスタを使った料理をご紹介します。
スモークサーモンとほうれん草のクリームパスタ
材料 | 4人分 | |
---|---|---|
タリアテッレ(又はスパゲッティ) | 300g | |
マッシュルーム | 8コ | |
白まいたけ | 100g | |
オリーブ油 | 大さじ3 | |
白ワイン | 大さじ3 | |
小麦粉 | 大さじ2 | |
ほうれん草 | 200g | |
A | 生クリーム | 200ml |
茹で汁 | 100ml~ | |
塩 | 小さじ1 | |
スモークサーモン | 120g |
作り方
- 鍋にたっぷりの熱湯を沸かし、やや多めの塩(分量外)を入れてタリアテッレを茹でます。
- マッシュルームは縦に薄切り、まいたけはバラバラにほぐします。
- フライパンにオリーブ油を入れ、2.を炒めます。
- 3.に白ワインを入れて小麦粉をまぶし、ざく切りにしたほうれん草を加えます。
- 4.のほうれん草がしんなりしたら、(A)とスモークサーモンを加えます。
- 5.に1.のタリアテッレを入れてからめ、器に盛ります。
フィッシュラグーのパスタ
※ラグーとは
フランス語で「煮込む」という意味の単語です
切った肉・魚介・野菜などを煮込んで作るソース全般をさす言葉です
材料 | 4人分 | |
---|---|---|
刺し身(マグロ、サーモン、白身魚など3種類位入ったもの) | 200g | |
オリーブ油 | 大さじ3 | |
A | にんにく(みじん切り) | 1/3~1/2粒 |
赤唐辛子(中・半分に切って種を取る) | 1本 | |
玉ねぎ(みじん切り) | 60g(1/4コ) | |
アンチョビ(刻む) | 1枚 | |
赤ワイン | 50ml | |
ブラックオリーブ(種なし) | 12コ | |
トマト缶(カットトマト) | 400g | |
B | 塩 | 小さじ1/3~1/2 |
砂糖 | 少々 | |
黒こしょう | 少々 | |
ブロッコリー | 80g | |
スパゲッティ | 240g | |
オリーブ油 | 適量 |
作り方
- 刺し身は粗切りにします。
- フライパンに油を入れ、(A)を入れてから弱火でじんわりと炒めて良い香りを出します。
- 2.に玉ねぎを入れて甘い香りがするまで炒めます。
- 3.に1.を入れてアンチョビも加え、ワインを入れてアルコールを飛ばすように煮てから唐辛子を取り出し、オリーブとトマト缶を入れます。
- 4.を5~6分煮て、(B)で調味してラグーソースを作ります。
- たっぷりの熱湯に飲んでおいしいと感じるくらいの塩(分量外)を入れ、スパゲッティを茹でます。仕上げに小房に分けたブロッコリーも加えます。(茹で汁は残しておきます)
- 5.に6.、適量の油を入れてからめ、器に盛ります。
ペンネ・アラビアータ
※アラビアータとは
唐辛子を使ったトマトソースのことです
イタリア語で「怒りん坊」と直訳され、ひとくち食べると、辛さで顔が赤くなることから、この名前が付けられました
材料 | 3~4人分 | |
---|---|---|
にんにく(みじん切り) | 皮をむいて10g(大1粒) | |
オリーブ油 | 大さじ4 | |
赤唐辛子 | 中2本 | |
アンチョビ(みじん切り) | 6g(2枚) | |
完熟カットトマト | 380g×2箱 | |
イタリアンパセリ(粗みじん切り) | 3本 | |
A | 塩 | 小さじ1 |
こしょう | 少々 | |
砂糖 | 少々 | |
B | 水 | 8カップ(1600ml) |
塩 | 大さじ1強 | |
ペンネ・リガーテ | 250g | |
オリーブ油(仕上げ用) | 適宜 | |
イタリアンパセリ(飾り用) | 1~2本 |
作り方
- 厚手鍋にオリーブ油とにんにくを入れ、火をつけます。
- 1.をじんわりと炒め、にんにくが色づいてきたら、2つに切って種を抜いた赤唐辛子を加え、アンチョビも入れます。
- 2.にカットトマトを入れ、中強火で煮詰めます。かなり煮詰まったら、パセリを加え(A)で調味します。
- (B)を鍋に入れ、沸騰したらペンネを茹でます(約12~13分)。
- 4.が程よく茹で上がったら、茹で汁50~100mlを別に残してザルに上げます。
- 3.にペンネを加えてからめ、固さをみて茹で汁を加え塩味で調味します。仕上げにオイルを絡めます。
- 器に盛り、飾り用のパセリを添えます。
パスタの歴史
パスタの歴史は古く、その始まりは諸説ありますが、中国発祥説とイタリア発祥説の二つに大きく分けられます。
中国発祥説の場合、麺の原型である中国の湯餅をマルコ・ポーロが伝達したという説です。1271年に、17歳のマルコ・ポーロは中国の住民が茹でていた細長い食べ物に興味を持ち、作り方を教わってイタリアに持ち込みました。
イタリア発祥説では、紀元前4世紀の古代ローマで主食にされた「プルス」という食べ物がその元祖といわれています。これは小麦やキビなどの穀物を粗挽きにし、お粥のように煮込んだものです。
パスタの広がり
16世紀半ばに人口増加によって激しい飢饉に襲われたイタリア南部の都市ナポリで保存食が必要になったことがきっかけとなり、乾燥パスタが普及しました。それまでの手作りから圧力機が出現し、押し出し方式の製法が発明され、低価格で大量に生産することが可能になりました。
1554年には、医者であるアンドレア・マッテイオーリがトマトを使ったソースを初めて作りました。
17世紀末には料理人アントニオ・ラティーニがスペイン風トマトソースを作ったことがきっかけで、パスタをトマトソースで食べる形が広まり、消費量は一気に増え、周辺地域にもパスタ料理が広まっていきました。イギリスの産業革命により、パスタ製法の急速な機械化が進み、今に至ります。
日本におけるパスタ
パスタが日本に持ち込まれたのは、幕末の横浜外国人居留地でした。1883年頃にはフランス人宣教師が長崎でマカロニ工場を建設しましたが、当時はホテルや高級レストランで食べられるのみの高級品でした。大正時代に、横浜の貿易商が新潟の製麺業を営んでいた石附氏にマカロニの製造を依頼したのが、日本人により初めて作られた国産パスタでした。
その後、第二次世界大戦後にはイタリアから全自動式の本格的製造機が輸入されてパスタ工場が作られ、一般家庭にも手が届くようになりました。その頃の国産パスタは、デュラムセモリナが入手困難だったため、複数の小麦粉をブレンドしていました。その後昭和40年にはデュラム小麦の輸入が本格的に開始されました。保存性が高く調理も簡単で、様々なソースでアレンジが多様に出来ることなどから、パスタは日本でも受け入れられ、日本の食文化に浸透していきました。
パスタの選び方
琥珀色で透明度が高く、光沢があるものを選びましょう。曲げると弾力性に富み、ひび割れや白い斑点がない製品が良い乾燥パスタです。このような製品はよく乾燥されており、長期間保存しても味は変わりません。
保存するときは湿気に注意し、密閉できる容器に入れ、高温多湿・直射日光を避ければ、長期保存が可能です。