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インターネット公開文化講座

文化講座

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お弁当作りを楽しむ

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第4回:思春期のお弁当について学びます

前シリーズでは「旬の食材大事典~今食べたいのはこの食材!!~」と題し、その季節に最もおいしい食材や調理法を取り上げ、その効能はもちろん、それらにまつわる様々な事柄の説明を、オリジナルレシピとともにご紹介しました。
今シリーズでは、「お弁当作りを楽しむ」というテーマで、幼児や学童期から、中高年者が楽しめる弁当や、おもてなしも含めたマダムのためのおしゃれ弁当など、その作り方の注意点なども含めてお弁当に向くレシピを皆様にご紹介しています。

4回目のテーマは「思春期のお弁当 その2
思春期の食生活の注意点や、今回は特にスポーツをする子のために意識したい点などをご紹介します。

まずはスポーツをする子のためのお弁当を作ってみましょう。

スポーツする子のお弁当

ビビンバ弁当
1. にらは4~5cm長さに切ります。にんじんは4~5cm長さのせん切りにします。もやしはきれいに洗います。 2. 1.をそれぞれ茹でて水気をしぼり、薄口しょうゆとごま油で調味します。
3. 牛肉はしょうゆ、酒、砂糖で下味をつけ、フライパンに油を敷いて炒めます。白ごまをふります。 4. 弁当箱にご飯を広げ、冷めた2.と3.を彩りよく盛ります。
※写真にはゆで卵を添えました
その他のおかず
1. エビフライ
2. ホタテフライ
→ それぞれ、塩、こしょうをしてフライ衣をつけて揚げます。
3. ブロッコリー → 塩茹でしてから水にとって、しっかり冷まします。
4. じゃがいもはカレー粉と塩を入れて茹でます。
5. かぼちゃソテー → 5mm厚さに切ってバターを入れてフライパンでじんわりと炒めます。
6. ひと口チーズ
果物
1. りんご
2. みかん

※成長期はご飯の量が少ないと感じることもあるので、別におにぎりを1コ添えました

思春期の体の特徴と栄養

第二次性徴期に入り、体が成人に向かって成長するとても大事な時期にあたります。15~17歳の栄養素必要量は人生の中で最も多く、成人以降の健康に大きな影響を与えます。

食事面では、牛乳や乳製品の摂取不足によるカルシウムの不足、野菜・果物の摂取不足によるビタミン類の不足、肉や揚げ物中心の食事による脂肪過剰の食生活になりがちなので、注意が必要です。

また、自分で食事をする機会が多くなります。栄養知識を身につけ、正しい食習慣の維持に努めましょう。

食習慣の自立期としての食事

  1. 朝、昼、晩、いつもバランスの良い食事
    欠食は食事量と栄養のバランスを悪くします
  2. 進んでとろう、牛乳・乳製品を
    成長期には牛乳・乳製品を充分にとることが大切です
  3. 充分に食べて健康、野菜と果物
    毎食、野菜料理を欠かさずとりましょう
  4. 食べ過ぎ、偏食、ダイエットにはご用心
    間食のとりすぎ、好きな物だけ食べる習慣、美容のための減食は健康を損ないます
  5. 偏らない、加工食品、インスタント食品に
    既成の食品には手作り料理を加えて、栄養のバランスをとるようにします
  6. 気をつけて、夜食の内容、病気のもと
    夜食は消化のよい物を選び、食べ過ぎないことが大切です
  7. 楽しく食べよう、みんなで食事
    一人で食べる機会の多くなる時期、できるだけ家族との食事を心掛けましょう
  8. 気を配ろう、適度な運動、健康作り
    骨や筋肉を丈夫にするために、スポーツをすることが大切です

スポーツの秋ですね。部活動に励むお子さんも多くいらっしゃることでしょう。スポーツをする子の食事のポイントをお伝えします。

スポーツをする子のための食生活

急激な発育期であり、身体の各部の筋肉を刺激し発達させるために、各種のスポーツを行って骨や筋肉を丈夫にする必要があります。

  1. 毎日の練習量に合ったエネルギー量を確保するために、エネルギー源となる糖質、たんぱく質、脂肪をバランスよくとる必要があります。このためには、いろいろな食品を毎日3食、規則的にとるようにします。
    規則的な食事は消化液分泌も規則的になり、食べ物の体内利用を効率よく、体のリズムも良くなります。
  2. 毎食の主食としてご飯、パンなどをしっかりとることは、エネルギー源、疲労回復、心身のリラックスのために必要です。
  3. 毎食の主菜として、肉、魚、卵、大豆、大豆製品をしっかりとります。筋肉は睡眠中に作られます。特に練習後の夕食に、しっかり取り入れましょう。
  4. 毎食の副菜として野菜をたっぷりとるようにして、ストレスや疲労を回復させます。ビタミンCやカリウムを多く含む野菜をたくさんとるためには、生野菜より、炒めたり煮たりしてとるようにしましょう。
  5. 食事量が増加すると、脂肪もとり過ぎになりがちです。油を使った料理や脂肪分の多い肉類のとり過ぎに、注意しましょう。
  6. エネルギーを効率よくし、疲労を回復するために、強化米や豚肉などに多いビタミンB1をとることも大切です。
  7. 果物や手作りのフルーツジュースを毎日とって、ビタミンC、Kを補給しましょう。
  8. カルシウムが不足しないように毎日、牛乳、乳製品(ヨーグルトやチーズ)をとるようにします。
  9. スポーツ中は、こまめに水分を補給します。水分の不足は食欲低下、運動能力低下や体温や脈拍を上昇させ、熱中症や脱水症を起こしやすくなり、危険です。発汗は水分とミネラルを排出させます。激しいスポーツには、水分とミネラルを含むスポーツドリンクも有効です。
  10. 甘い物や酸味のあるものを間食や試合後にとることは、疲労回復、精神的リラックス効果があります。
  11. スポーツをする本人、食事を作る母親などが、スポーツに関する栄養知識を持つことも大切です。

次回は、受験生の食生活を中心にお伝えします。

お弁当作りを楽しむ
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