文化講座
第3回:思春期のお弁当について学びます
前シリーズでは「旬の食材大事典~今食べたいのはこの食材!!~」と題し、その季節に最もおいしい食材や調理法を取り上げ、その効能はもちろん、それらにまつわる様々な事柄の説明を、オリジナルレシピとともにご紹介しました。
今シリーズでは、「お弁当作りを楽しむ」というテーマで、幼児や学童期から、中高年者が楽しめる弁当や、おもてなしも含めたマダムのためのおしゃれ弁当など、その作り方の注意点なども含めてお弁当に向くレシピを皆様にご紹介しています。
3回目のテーマは「思春期のお弁当 その1」
筆者・伊藤華づ枝が、娘に実際に持たせたお弁当などをご紹介します。
伊藤華づ枝のお弁当写真記録集
娘が中学生になった時からの、6年間のお弁当記録です。
中学校には学校給食がなく、育ち盛りの子どもの食事には手が抜けませんでした。
「娘が中学生、高校生の6年間は手を抜かないでお弁当作りを」と、思い立ちました。
1993年(平成5年)4月に新聞に掲載されました。
6年間のお弁当の記録はアルバムにして今も残してあります。
献立に行き詰まった折には、以前の写真を見ながら同じレシピで素材を少し代えて、繰り返して作りました。
<例>
(1)豚カツ→チキンカツ
(2)焼きそば→焼きうどん
(3)サンドイッチ→フレンチトースト
娘に持たせたお弁当の一例をご紹介します。主食の炭水化物(ご飯・パン・めん類など)に、5種類のおかずを入れる・おかずの中には緑黄色野菜を必ず一品以上入れることを心掛けました。心が休まるように、果物かデザートも付けました。
- 栗ごはんのおにぎり(黒ごま)
- あんこうの柚庵焼き(しょうゆ・酒・みりん・柚子に魚を漬けて焼いた料理)
- 糸こんにゃくのたらこいり
- ハムロール
- さやいんげんの塩茹で
- ポテトサラダ(茹で卵・きゅうり・エビ・コーン・玉ねぎ・ハム)
- みかん
- ちらし寿司(錦糸卵・エビの甘酢・カニの身・自家製紅しょうが・さやいんげんの塩茹で)
- 自家製コロッケ
- 自家製のり佃煮
- 青梗菜と油揚げのごま和え
- 柿
- エビカレーピラフ
- 豚肉のチーズロールフライ(にんじん・いんげん)
- ポテトサラダ(きゅうり・カニの身・茹で卵)
- ほうれん草の磯辺和え(のり)
- クリームチーズ
- レモン
- 洋梨&柿
アレンジ弁当
ご参考までに、記念日に持たせた張り切り弁当もご紹介します。
お誕生日など特別な日は、いつもより少しアレンジを加えて、楽しいお弁当を作るのも良いですね。
- 三色いなり寿司
(いなり寿司の上に、甘酢漬けのしらす干し、ゆでたスナップえんどう、桜でんぶを飾る) - フラワーオムレツ
(輪切りのパプリカに溶き卵、ピーマン、ベーコンを入れて焼く) - 鶏ささ身のレンジ蒸し
(半分に開いたささ身にのりとチーズをクルクルと巻き、レンジにかける) - 羊のウインナー
(カリフラワーを小房に分けて茹で、ウインナーにスパゲッティーをさして目は黒ごまを付け、羊に見立ててカリフラワーにさす) - ミニトマトのソースカップ
(ミニトマトの中身をくり抜き、マヨネーズやケチャップを入れる) - ハムのバラ仕立て
(ハムは1枚を3等分してずらして並べ、薄切りきゅうりと共に端から巻く)
お弁当作りのバリエーションを増やすために
1. 唐揚げのバリエーション
下味をつけた鶏肉に卵とかたくり粉をまぶして揚げるのがジューシー唐揚げ。
卵をまぶした後に、★しその粉を混ぜてゆかり揚げに。 ★せん切りした青ジソの葉をまぶして。 ★細かくもんだのりを。 ★青のり粉でもOK。 ★スライスアーモンドの場合は、塩とこしょうで下味をつける。 ★黒ごまをまぶしても。 ★みじん切りのパセリを。
2. ハンバーグの種を利用して
- ★細く棒状にしてのりで巻いて焼く、磯辺焼き
- ★ゆでた大豆を混ぜて、つくね巻きに
- ★小さく丸めて焼いてたれをからめ、串刺しにした焼き鳥風
- ★シューマイの皮をせん切りにしてまぶしてから蒸す、菊花シューマイ
- ★スイートコーンやグリーンピースをまぶして蒸す、コーンシューマイやピースシューマイ(コーンやピースにかたくり粉をまぶしてから肉にはりつけると、はがれにくい)
- ★ゆでたうずら卵を芯にして卵形にし、フライ衣をつけたミニスコッチエッグ
- ★焼きあがったハンバーグにはチーズをかぶせてチーズハンバーグに
- ★角切りチーズを種に混ぜてから、ギョーザの皮ではさんで揚げる
- ★すりおろした長芋とみりんで調味して、青ジソの葉をはりつけて和風ふわふわハンバーグに
3. 春巻きの具で
★卵と混ぜて野菜オムレツに。 ★せん切りベーコンと一緒に炒めてきんぴら風に。 ★サッとゆでて水けをきり、たらこと和える。 ★同様にごま和えに。 ★短めに包丁を入れて、ご飯と共に炒め、ウスターソースで調味したソース炒飯もおいしい。
4. ご飯も工夫次第で楽しい味ご飯に
- ★まいたけやえのきだけ、しめじなどのきのこをしょうゆとしょうがでサッと煮て、炊き上がったご飯に混ぜた、きのこご飯
しめじご飯、なめこご飯、まいたけご飯、えのきご飯 - ★刻んだ青菜を混ぜた菜飯
- ★刻んだワカメを混ぜたわかめご飯(ごまをふると香ばしい)
- ★グリーンピースやそら豆を炊き込む豆ご飯は、米1カップに対して塩小さじ1/3杯を目安に入れて
- ★枝豆はゆでて、実を取り出して塩をまぶしてから、ご飯に混ぜる
- ★じゃが芋、さつま芋、里芋、長芋をそれぞれ角切りにして塩味で炊く芋ご飯
- ★冷凍したスモークサーモンは焼いて身をほぐしてサーモンご飯にすると香ばしい。ごまを混ぜても。
- ★うなぎの蒲焼きが残ったら、細かく刻んでたれをからめて、のりやねぎなどの薬味を添え、名古屋風に
- ★梅干しを小さくちぎってご飯に混ぜ、のりをたっぷり散らしたり、刻んだ青ジソとじゃこを混ぜたご飯は食欲が落ちる夏におすすめ
- ★しぐれご飯は、しぐれの佃煮を米と共に炊く。この時、せん切りしょうがを共に炊き込むと風味が良い。
5. 粉ふき芋のバリエーション
適当な大きさに切ってゆで、なべで空入りしたものが普通の粉ふき芋。
粉ふき芋に
★佃煮ののりをまぶす。 ★バターをからめる。 ★シナモンシュガーをからめる。 ★粉チーズをまぶす。 ★細かく切ってカリカリと炒めたベーコンをまぶす。 ★めんたいこをからめる。 ★ゆかり粉をからめる。 ★パセリをまぶす。 ★カレー粉と一緒にゆでて、色と香りをつける。 ★冷ましてサワークリームで和える。
など、アレンジしてみてください。