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インターネット公開文化講座

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初めての1人暮らしごはん

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

一緒に作れる!KIDSごはん~夏休みの腕まくり料理~

 前シリーズでは「かんたんコース料理」と題し、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピを、とっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しました。今シリーズは、(1)初めての1人暮らしごはん、(2)パパッと2人ごはん、(3)一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピを紹介しています。各ジャンルを毎月順番に取り上げ、その月のテーマに沿って役立つ情報とおすすめレシピをお届けします。

 第12回目の今月は、「一緒に作れる! KIDSごはん ~夏休みの腕まくり料理~」

待ちに待った夏休みもあと少し。自由な時間を作りやすい夏休みは、子供と一緒に料理を作るのにピッタリの期間です。この機会に、ぜひ子供の料理デビューを果たしましょう。初めて食べ物を扱う子も、ちょっと手の込んだ料理に挑戦する子も、それぞれがより深く食べ物や料理に興味を持ち、ステップアップにつながる夏休みになることを期待しています。今月は、夏休みに一緒に作って食べたい、子供が喜ぶ2品と、夏休みの食育としておすすめの課題をご紹介します。

★夏休みに食育を

夏休みの宿題や自由研究として、食育に関する課題が増えています。「食事の手伝いをする」というものから、「地元の食材を使って料理を作る」、「郷土料理を作る」、「魚を卸す」、「食材の産地を調べる」、「季節の行事について調べる」、「食事のマナーについて考える」など、食に関わる様々なテーマがあるようです。身近な食品について考えたり、詳しく知ることで、これまであまり食べなかった食品を食べるようになったり、食に関する会話が増えるなど、毎日の食生活が充実したものになり、子供の心と体の健やかな成長につながります。食をきっかけに、食べ物への感謝の心やマナー、協調性や社会性が育まれ、家族の絆がより深まることを願っています。

■愛知県の特産品

地産地消が広く浸透するようになり、地元の食材を手に取る機会が増えました。ここ愛知県は全国有数の農業県です。愛知県の特産品を知ることで、食材への興味と地元への愛着がより大きなものになるでしょう。いろいろな特産品についての話や料理は、1999年8月からの「郷土の特産品でオシャレな家庭料理を」のシリーズで紹介しています。ぜひ参考になさってください。

【全国上位の産物】


大葉

大葉(青じその葉)1位、イチジク1位、キャベツ1位、フキ1位、うずら卵1位、アサリ1位、養殖ウナギ1位、トマト2位、養殖あゆ2位
(平成21年・産出額(水産物は漁獲量)より)

イチジク フキ
うずら卵 アサリ

■愛知県の郷土料理

<味噌煮込みうどん>


(写真:伊藤華づ枝)

豊かな緑と海、温暖な気候に恵まれた愛知県には、昔から愛されている独特の郷土料理があります。地元に根付いた料理の背景には、その土地の歴史や文化が関係しています。心の拠り所でもある郷土料理を長く受け継いでいきたいものです。

<ひつまぶし>


(料理制作:伊藤華づ枝)

<土手煮>


(料理:伊藤華づ枝)

<手羽先>


(料理:伊藤華づ枝)

(料理:伊藤華づ枝)

<鬼まんじゅう>

薄力粉の生地に角切りのさつま芋を加えた蒸し菓子です。さつま芋のゴツゴツした様子が、鬼の頭や金棒を連想させるところからこの名前が付きました。



(料理:伊藤華づ枝)

<ういろう>

うるち米からできる米粉を主原料とした、上品な風味ともっちりとした食感が魅力です。



(料理:伊藤華づ枝)

<おこしもの>

おこしものは愛知県で桃の節句に供えられる和菓子のひとつです。「おしもの」や「おこしもち」などとも呼ばれます。起源については諸説あり、木型からおこすからとか、木型に押しつけるからという意味があるようです。


■おすすめの食育テーマ

数あるテーマの中でも、この夏休みに子供たちに知ってほしい、あるいは伝えたい事をいくつかご紹介します。

【調味料について】

料理の味付けに欠かせない調味料。普段使っているものには何があるでしょうか。調味料の原料を調べるのもおもしろいですね。子供の好きなケチャップやマヨネーズを手作りしてみるのも良いでしょう。基本の調味料や香辛料をはじめ、野菜の切り方やだしのとり方など、料理の基本については、2005年8月からの「エプロン一年生さんの為の基本クッキング」で紹介しています。

【食べ物の旬】

近年は多くの野菜や魚が季節を問わず一年中流通しているため、旬の意識が薄まりつつありますが、やはり旬の食べ物はおいしい、新鮮、安い、栄養価が高いなど、うれしいことばかりです。食べ物の旬を知ると、毎日の食事により興味を持つようになるでしょう。旬の食べ物を使った料理は、2000年8月からの「旬のオリジナルクッキング」で紹介しています。

【歳時記】

七夕やお盆、お月見など、日本人として伝えていきたい行事とそれにまつわる料理などを調べましょう。代表的な歳時記については、2008年8月からの「歳時記とごはん」で紹介しています。

【食事のマナー】

子供のうちから身に着けておきたい箸の正しい使い方や食器の置き方など、食事作法を学びましょう。食事のマナーについては、2004年8月からの「マナー美人になろう」のシリーズで紹介しています。

以上については、各シリーズを参考になさってください。

カップケーキごはん

子供の誕生日会や夏休みの集まりに華を添える一品

エネルギー424kcal、タンパク質16.9g、脂質11.1g、塩分2.6g(カップ1個分)
材料 230ml容量カップ使用 4個分
1・1/2カップ
かんぴょう(乾) 5g
干ししいたけ 2枚
 
(A)  
しいたけの戻し汁
(足りない場合は水を足して)
150ml
しょうゆ 大さじ1
砂糖 小さじ2
 
鶏ひき肉 100g
 
(B)  
しょうゆ 大さじ1
砂糖 小さじ1強
みりん 大さじ1
大さじ1
 
小さじ1/4弱
 
2コ
大さじ1
 
(C)  
砂糖 小さじ1
少々
 
小さじ1/4
 
紅しょうが(みじん切り) 30g
さやえんどう 8枚
スモークサーモン(スライス) 8枚(60g)

作り方

  1. 米は洗って普通の水加減で炊きます。
  2. かんぴょうは水で洗って塩でもみ、たっぷりの熱湯で10分間茹でてみじん切りにします。
  3. 干ししいたけはゆっくり戻し、粗みじん切りにします。(戻し汁も使用します)
  4. 鍋に2.と3.、(A)を入れ、汁気がなくなるまで煮ます。
  5. ボウルに鶏ひき肉と(B)を入れ、味付けし、手でほぐします。
  6. 水でぬらした鍋に5.を入れ、菜箸4本を使ってかき混ぜながら炒ります。
  7. フライパンを熱し、油を入れます。フライパンを火からおろし、(C)で調味して割りほぐした卵を入れ、菜箸4本を使って炒ります。水分を飛ばすように、最後にもう一度火にかけます。
  8. 1.のごはんを3等分し、それぞれに4.と6.、7.と各分量の塩を混ぜ合わせ、それぞれを4等分にします。
  9. カップを少し水でぬらし、鶏そぼろごはん、卵ごはん、紅しょうが、しいたけ&かんぴょうごはんの順に入れ、彩りよく押し固めます。
  10. さやえんどうは塩茹でし、水に晒して斜めに2つに切ります。
  11. 9.の上に10.とバラに仕立てたサーモンを飾ります。
白玉フルーツの黒みつかけ

手作りのおやつで子供の心と体は豊かに育つ!

エネルギー237kcal、タンパク質2.7g、脂質0.4g、塩分0g(1人分)
材料 2人分
粉寒天 2g(1/2袋)
250ml
 
(A)  
黒砂糖(粉末タイプ) 40g
白砂糖 20g
60ml
 
(B)  
白玉粉 60g(1/2袋)
50~60ml
 
バナナ 1/2本
さくらんぼ(国産) 4粒
ミントの葉 2枝

作り方

  1. 寒天を分量の水でふやかします。
  2. 1.を完全に煮立ててから、粗熱を取って缶に流し入れ冷やし固めます。固まったら1人分を9切れに切り分けます。
  3. (A)を鍋で煮立て冷まし、黒みつを作ります。
  4. (B)を手で練り混ぜて、1人5コ当てに丸めます。
  5. 4.を熱湯で浮いてくるまで茹でて水に取ります。
  6. バナナは輪切りにします。
  7. 器に2.と5.とバナナを盛ります。その上から3.の黒みつをかけ、さくらんぼとミントの葉を添えます。
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