文化講座
一緒に作れる!KIDSごはん~体に優しい手作りおやつ~
前シリーズでは「かんたんコース料理」と題し、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピを、とっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しました。今シリーズは、(1)初めての1人暮らしごはん、(2)パパッと2人ごはん、(3)一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピをご紹介します。各ジャンルを毎月順番に取り上げ、その月のテーマに沿って役立つ情報とおすすめレシピをお届けします。
第3回目の今月は、「一緒に作れる!KIDSごはん ~体に優しい手作りおやつ~」
秋空高く、さわやかな日々が続いています。食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋と、快適な気候の秋は、趣味や教養を深めたり、新しい事をはじめる絶好のチャンスです。おいしい食材が多く、いつもより食べ物を身近に感じられるこの季節に、子どもと一緒に料理を楽しみましょう。「お母さん、何作ってるの?」「今日のごはんは何?」と子どもが聞いた時がちょうど始めどき。「一緒にやってみる?」「ちょっと手伝ってくれる?」と誘えば、喜んで手伝ってくれるでしょう。もちろん、「今日は○○を一緒に作ろう」とあらかじめ約束しても結構です。好奇心旺盛な子どもの「やってみたい!」という気持ちを大切にしたいですね。中には、この年齢では料理するにはまだ早い...、教えたり片付けたりするのが面倒...と思う人もいるかもしれません。しかし、一度子どもと一緒にキッチンに立ってしまえば、一生懸命な姿やできたときの最高の笑顔にそんな不安も解消されるはずです。今月は、子どもと一緒に料理をする時のポイントと、一緒に作りたいおやつのレシピをご紹介します。子どものおやつについては、
2008年1月号「食育をはじめましょう」第6回:おやつの上手な与え方
でも詳しく取り上げました。このページも参考になさってください。
★キッズ料理のすすめ
近年は、保育園や幼稚園でも食育の一環として、「自分たちで作って食べる」という機会を設けている所が多くなりました。幼い頃から食べ物に興味を持ち、自分で料理を作ることは、子どもにとって一生の財産になります。
■まずはじめに
★手洗いの徹底
何事にも手洗いから
食品を扱う前には、必ず手を洗うということを習慣づけます。まずは親が率先して洗いましょう。子どもは親の姿をよく見ているものです。幼い頃からしていれば、いくつになってもそれが当たり前になります。
★危険を教える
キッチンには危ないもの、危ないことがあるということをはっきり教えます。包丁やコンロの周り、炊飯器やポット、先が尖った調理道具など、ふざけていると怪我や火傷をしてしまうことを教えましょう。実際に火傷をしない程度の熱さの鍋を少し触らせてみるのも効果的です。鍋は熱いということを子どもは体で覚えます。言葉でまだわかりにくい年齢の場合は、危険なものをあらかじめ遠ざけておく必要があります。
★楽しみながら食育
色々な野菜の切り口
子どもにとって「料理は楽しい」と思えなければ、次はありません。子どものペースに合わせて、危険なこと以外は、できるだけ怒らないようにしましょう。そのためには、忙しい時間などは避け、時間と気持ちにゆとりのある時がよいですね。料理の後は、野菜の切れ端でスタンプ遊びも楽しいものです。野菜の色や切り口の形など、遊びながら自然に覚えてしまいます。
■用意するもの
★エプロン
随時開催している親子料理
サロンのキッズシェフ
思いきり料理を楽しむためにも、エプロンは必須アイテムです。学校や料理教室などでは、三角巾も必要になります。どんなものでもかまいませんが、やはり自分専用のエプロンがあるとやる気がでるでしょう。
★包丁&まな板
マイ包丁があればやる気倍増
子ども用の包丁を用意しましょう。小さい子どもの手に、大人用の包丁は危険です。年齢に合った形や機能の包丁を選びましょう。刃がギザギザになっているものや、刃先や刃元が丸くなっているもの、両端から1㎝には刃がついていないものなど、安全設計のものが多く市販されています。まな板は滑らないしっかりしたものが安全です。
★子ども用の調理道具
子どもが使いやすいものを選びましょう
子どもの手に合う小さめのものや、かわいい調理道具があると、子どもは喜んで使います。わざわざ買う必要はありませんが、自分専用のものがあるとうれしいものです。今あるもので、この道具はお姉ちゃん担当、これは弟の担当などと決めておいて、その作業の時はその子がするというのも良いでしょう。
★踏み台
安定したものを用意します
転ばない安定したものを用意します。イスにのる事は不安定ですので、おすすめできません。包丁を使う時には力が入りますので、しっかり幅のあるものがよいでしょう。
■いよいよ料理開始
★年齢と経験に合った作業を
はじめての料理で、いきなり野菜を上手に切ることは誰にもできません。その子の年齢や経験に合った作業から始めましょう。野菜を洗うことや、混ぜる、こねるなどは、ある程度小さな子どもにも可能です。少しずつ様子をみながらレベルアップを図りましょう。
旬のサツマイモを使って
昔も今も愛されている素朴なおやつ
材料 | 8コ分 | 4コ分 |
サツマイモ | 400g(正味) | 200g(正味) |
(A) | ||
砂糖 | 80g | 40g |
塩 | 小さじ1/6 | 少々 |
小麦粉 | 120g | 60g |
水 | 大さじ2~3 | 大さじ1~1・1/2 |
作り方
- サツマイモは1cm厚さに切り、皮をむき1cm角に切って水に晒してアクを抜きます。
- 1.の水気を切り、ボウルに入れます。
- 2.に(A)を入れて混ぜ、水を生地が流れない程度に加減しながら入れます。
- 蒸し器にクッキングシートを敷いて穴を開け、3.をこんもりと山を作るように8コ(または4コ)に並べます。
- 蒸気の上がった蒸し器で、4.を20分間程さつまいもが柔らかくなるまで蒸します。
- 5.を器に盛ります。
鮮やかなオレンジ色が食欲をそそる!
これならにんじんデビューできそう
材料 | 4人分 |
にんじん | 100g |
水 | 400ml |
粉寒天 | 4g |
砂糖 | 60~70g |
オレンジジュース | 50ml |
レモン汁 | 20ml |
オレンジキュラソー(好みで) | 大さじ1 |
泡立て生クリーム(飾り用) | 50g |
作り方
- にんじんは薄切りにして柔らかく茹で、水気を切って粗熱を取ります。
- 1.と分量の水をミキサーにかけます。
- 鍋に2.と粉寒天を入れて泡だて器で良く混ぜ、砂糖を入れて煮溶かし、沸騰させます。
- 3.を水で粗熱を取り、オレンジジュース、レモン汁、オレンジキュラソーを混ぜます。
- 4.をグラスに流し、氷水で冷やし固めます。
- ホイップクリームを飾ります。
* | オレンジキュラソーを入れると風味がよくなります アルコールですから子どものおやつに使うことに抵抗のある人は入れなくてもかまいません |