文化講座
~暑い季節の快適料理~
前シリーズでは「かんたんコース料理」と題し、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピを、とっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しました。今シリーズは、(1)初めての1人暮らしごはん、(2)パパッと2人ごはん、(3)一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピをご紹介します。各ジャンルを毎月順番に取り上げ、その月のテーマに沿って役立つ情報とおすすめレシピをお届けします。
第1回目の今月は、「初めての1人暮らしごはん ~暑い季節の快適料理~」
セミの声が暑さを一段と引き立てる季節になりました。今年は特に節電の影響もあり、厳しい夏となっています。この夏を元気に、楽しく乗り切るためには、毎日の食生活がとても重要です。しかし、夏は食事に関しての問題が多い季節でもあります。多くの人は、(1)食欲がない、(2)料理を作りたくないといった悩みを抱えています。今月は、暑い季節の食生活を快適にする工夫を取り上げ、料理を初めて作る人にもわかりやすいレシピとともにご紹介します。
★暑い季節の快適料理
<調理編>
★火をできるだけ使わない
火を使うキッチンはすぐに温度が上がってしまい、ますます暑くなってしまいます。できるだけ火を使わないか、使っても短時間で調理できるようなレシピにすると良いでしょう。
(1)新鮮な食材を使って、素材の味を生かす
夏野菜がみずみずしくておいしい季節です。新鮮な野菜は、そのままでも十分おいしいため、素材の味を生かして、できるだけシンプルな調理方法を選びます。加熱時間を控えめにすると、食感や風味がよくなります。
(2)電子レンジの活用
電子レンジで代用できる調理は、電子レンジにまかせます。前もってできることは、電力消費の少ない時間に済ませてしまうと、節電にもなります。
(3)作り置き(常備菜)
毎食、その都度料理を作る必要はありません。まとめてできるものは、一度にある程度の量を作っておき、小分けして冷蔵や冷凍保存しておくと便利です。
(4)食材を小さく切る
小さく、薄く切れば、その分火が早く通ります。食材は普段より小さく切り、加熱時間を短縮します。
(5)缶詰やビン詰の活用
味付きでそのまま食べられる缶詰などを上手に取り入れます。
(6)余熱の利用
土鍋や圧力鍋などを使って余熱で調理すると、加熱時間が少なくてすみます。普通の鍋でも、いつもより早く火を止め、フタをしてしばらく置くなど、余熱を上手に利用しましょう。
★調理時間を短くする
キッチンに立っている時間をできるだけ短くすると、体への負担が減ります。
(1)一皿でバランス良く
何品も作らず、麺類や丼物など一皿でバランスの良い料理だと手軽です。
(2)炊飯器でラクラク調理
炊き込みご飯など、炊飯器に入れてスイッチを押せばできるものを取り入れましょう。
(3)キッチンバサミで手軽に
包丁とまな板を出すと後片付けにも時間がかかります。ネギや葉物野菜、薄切り肉や魚など、キッチンバサミを活用しましょう。
(4)作り置き(常備菜)の活用
<料理編>
★冷たい料理で食欲増進
蒸し暑くて食欲がないときでも、冷たい料理は口当たりが良く、のどを通るものです。暑い季節は冷たい料理を上手に取り入れて、栄養補給をしましょう。
~冷たい料理の注意点~
冷たい料理ばかり食べていると、体が冷えて消化吸収が悪くなります。ご飯や小麦粉に含まれるデンプンは、加熱することでα化され、ふっくらやわらかく消化吸収しやすい形になりますが、冷えたものだとβ化されて口当たりが悪く、消化吸収も悪くなるので、体への負担が重くなります。
そこで、冷たい料理をいただくときは、下記のことに注意すると消化吸収しやすくなり、体への負担が軽減されます。
(1)ゆっくりよくかんで食べる
(2)食べ過ぎない
(3)消化を助ける食品を一緒に食べる
<消化を助ける食品>
ショウガやニンニク、ネギなどの薬味類、オクラ、ヤマイモなどネバネバ食品、大根や玉ネギ、ぬか漬けなどの漬物、メロンやイチジク、パイナップルなどのフルーツ など
★さわやかな酸味を生かす
酢や柑橘類の酸味は、食欲を増進させると同時に、疲労回復効果もあり、夏の疲れた体にぴったりです。
★スパイスで程良い刺激を
こしょうや唐辛子、ワサビ、辛子、豆板醤、カレー粉などのピリ辛は食欲を増進させます。ショウガやニンニク、ネギやシソ、ミョウガ、セロリ、バジルやオレガノ、ローズマリーなどの香味野菜も食が進みます。
夏の快適料理
電子レンジでできるヘルシー蒸し料理
青ジソダレでさっぱり
材料 | 2人分 | 1人分 |
生鮭(1切れ・80~90g) (又は白身魚・切り身) |
2切れ | 1切れ |
塩 | 小さじ1/4 | 少々 |
キャベツ | 80g | 40g |
玉ねぎ | 1/4コ(50g) | 1/8コ(25g) |
生しいたけ | 2枚 | 1枚 |
赤パプリカ | 1/8コ | 1/16コ |
サラダ油 | 大さじ1 | 大さじ1/2 |
酒(又は水) | 大さじ3 | 大さじ1・1/2 |
(A) | ||
青ジソの葉(粗みじん切り) | 5枚 | 大2枚 |
しょうゆ | 大さじ2 | 大さじ1 |
酢(純米酢) | 大さじ2 | 大さじ1 |
作り方
- 鮭に塩で下味をつけます。
- キャベツは太めのせん切り、玉ねぎは薄切り、生しいたけとパプリカは細切りにします。
- フライパンにサラダ油を入れて熱し、鮭を並べて2.の野菜を混ぜてのせ、上から酒をふりかけてフタをして中弱火で5~7分間蒸し焼きします。
- (A)のタレを混ぜ合わせます。
- 器に3.を盛り、(A)のタレを添え、食べる直前にかけていただきます。
※電子レンジを使用する場合は、耐熱皿に鮭をおいて野菜をのせ、酒をふりかけてふんわりラップをし、600wで5分間を目安に加熱します。
※魚の代わりに鶏肉や豚肉の薄切りを使うと、時間短縮になります。
※お好みの野菜でお楽しみください。キッチンバサミで切れる葉物野菜が楽ですね。
ピリ辛でどんどん食べられそう
炊飯器でラクラク調理
材料 | 4人分 (作りやすい分量) |
2人分 |
米 | 2カップ | 1カップ |
水 | 480ml | 240ml |
豚肩ロース肉(細切れ) | 150g | 75g |
にんじん | 70g | 35g |
ゆでたけのこ | 80g | 40g |
高菜漬け(しょうゆ漬け) | 100g | 50g |
赤唐辛子(中) | 1本 | 1/2本 |
(A) | ||
しょうゆ | 大さじ2 | 大さじ1 |
塩 | 小さじ1/3 | ひとつまみ |
砂糖 | 小さじ1 | 小さじ1/2 |
ごま油 | 小さじ2 | 小さじ1 |
ゆで卵 | 2コ | 1コ |
作り方
- 米はきれいに洗い、水加減をして40~60分間浸水します。
- 豚肉は細切りにし、にんじんは皮をむいていちょう切り、たけのこも薄切りにします。高菜漬けはサッと洗ってから刻み、水気をぎゅっと絞ります。
- 赤唐辛子は種を抜いてみじん切りにします。
- ボウルに2.と3.を入れ、(A)で下味をつけます。
- 炊飯釜の米の上に4.をのせ、普通に炊きます。
- 火が切れたら10分間程蒸らし、さっくりと混ぜて器に盛ります。ゆで卵を適当な大きさに切って添えます。
あっという間にできて、味も大満足
材料 | 2人分 | 1人分 |
きゅうり | 1本 | 1/2本 |
塩 | 少々 | 少々 |
(A) | ||
XO醤 | 小さじ1 | 小さじ1/2 |
ごま油 | 小さじ1/2 | 少々 |
酢 | 小さじ1/2 | 少々 |
作り方
- きゅうりはピーラーで薄く皮をむきます。
- 1.を4等分の長さに切り、その1本を4切れにし、包丁の背かすりこぎで軽くたたきます(味をしみこみやすくするため)。1本のまますりこ木で叩いて割り、適当な大きさに切っても良いでしょう。
- 2.をバットに広げて、薄く塩を振ります。
- ボウルに(A)を混ぜ合わせ、3.を加えてサッと和えます。
- 4.を器に盛り、残り汁をかけます。