文化講座
パパッと2人ごはん~朝ごはんを楽しく~
前シリーズでは「かんたんコース料理」と題し、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピを、とっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しました。今シリーズは、①初めての1人暮らしごはん、②パパッと2人ごはん、③一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピをご紹介します。各ジャンルを毎月順番に取り上げ、その月のテーマに沿って役立つ情報とおすすめレシピをお届けします。
第2回目の今月は、「パパッと2人ごはん ~朝ごはんを楽しく~」
まだまだ暑い日が続いていますが、時折吹く涼しい風に秋の訪れを感じる今日この頃。店頭には秋の味覚が並び始め、いよいよ「食欲の秋」の到来です。色々な作物が収穫時期を迎え、気候も過ごしやすくなって食欲が増すこの季節は、毎日の食事が楽しみという人も多いことでしょう。この「実りの秋」の食生活を存分に楽しむためには、まず日々の朝ごはんを充実させることが大切です。朝ごはんについては、
2006年7月号「エプロン1年生さんの為の基本クッキング」第12回:基本の朝食を作ってみましょう、
2007年8月号「食育をはじめましょう」第1回:朝食の大切さ、
2007年9月号「食育をはじめましょう」第2回:実践!理想の朝食レシピ、
で詳しく取り上げました。これらのページを参考になさってください。朝ごはんをきちんと食べるということは基本中の基本ですが、朝ごはんを楽しく食べるということもとても大切です。楽しさは継続につながります。今月は、基本の朝ごはんから一歩進んで、朝ごはんが楽しみになるとっておきのレシピをご紹介します。
★早寝早起き朝ごはん
朝ごはんの大切さが叫ばれるようになってもう随分経ちますが、年々その重要性は増す一方です。文部科学省は、家庭における食事や睡眠などの乱れは、個々の家庭や子どもの問題として見過ごすことなく、社会全体の問題として、地域による一丸となった取り組みが重要と位置付け、平成18年より「早寝早起き朝ごはん」国民運動を推進しています。私もこの夏、文部科学省が協力している財団法人 民間放送教育協会のレギュラー番組にて、「尾張名古屋は朝食で持つ~朝ごはんのススメ~」と題し、簡単で栄養バランスもバッチリの1週間分の朝ごはんレシピを考案いたしました。朝ごはんは毎日のことですから、頑張りすぎずに長く続けていただきたいと願っています。
■朝ごはんの工夫
朝ごはんはきちんと食べたいけれど、いつも同じものばかり、時間がなくて準備ができないといった悩みを多く聞きます。中には毎朝5時に起きて準備をしているという新婚さんも。今回は、毎朝の準備の負担をできるだけ軽くし、笑顔で1日をスタートする方法を一緒に考えましょう。
★前夜に準備しておく
約2/3の世帯が共働き夫婦という現代の家庭事情ですが、朝ごはんの準備をするのは9割以上が女性という結果が出ています。働く女性はもちろん、朝ごはんを作るすべての人にとって朝は1日の中で一番忙しく、時間はいくらあっても足りません。すべてを朝準備するというのは、負担が大きすぎます。朝の作業はできるだけ少なく、短くするように、できることは前夜のうちに準備しておきましょう。
<材料の下準備>
使う分量をはかって取り分けておきます。切ったり、ゆでたりする作業もあらかじめ済ませておきます。朝ごはんはお弁当とは違って、次の日の朝に家で食べるものですから、お弁当作りほど神経質になる必要はありません。できることは前夜のうちにしてしまいましょう。
例えば、この後ご紹介する「チーズマヨコーンパン」の場合は、
・Aの材料をボウルに入れる
・ヨーグルト、コーン、チーズなどの分量をはかる
・ウインナーを切る
の準備をしておくと、朝は材料を混ぜて焼くだけの短時間で、焼き立てパンが食べられます。
<器に盛っておく>
ラップをして冷蔵庫へ
前夜のおかずや常備菜、納豆、漬物など、朝食べる予定のものは、あらかじめ器に盛り付け、朝は冷蔵庫から出してテーブルに置くだけにしておきます。忙しい朝は、密閉容器や袋から取り出して盛り付ける時間も惜しいものです。食べる量だけ準備しておきましょう。
<食器を出しおく>
その日の気分でセットしましょう
茶碗や取り皿などの食器類や箸やスプーンなどのカトラリー類もまとめて準備しておきます。テーブルに置くスペースがあれば、夜のうちに並べておきましょう。朝慌てて準備すると、いつもと同じ器になりがちですが、夜に準備することで、食器全体に目が届き、色々な食器を使う機会が増えます。同じメニューでも、食器が違うと新鮮な気分で食べることができます。
<朝食セットを準備しておく>
朝ごはんの定番食品をひとつの入れ物やプレートにまとめておきます。和食の場合は、焼きのりやふりかけ、佃煮や梅干し、小分けになった納豆やメカブなど、パン食の場合は、バターやジャム、チーズやヨーグルト、ハム、マリネなどをすぐに出せるように一式にして冷蔵庫に入れておきましょう。これさえあれば、ひとまずご飯だけ、パンだけでも食べられるという安心感が、心の余裕につながります。
和食セット |
洋食セット |
メカブ、納豆、卵豆腐など |
すぐ食べられる野菜や果物 |
<ホームベーカリーなどの活用>
焼きたてのパンの香りは、とても幸せな気分にしてくれますね。朝起きて、パンが焼き上がっているといううれしい機械がホームベーカリーです。近年は、フランスパンが焼けたり、お米からパンを作ったり、残りごはんを入れてもちもちパンができるなど、種類も豊富で低価格のものが増えてきました。パンが焼きたてだと、朝の楽しみが増え、とても満足度の高い朝ごはんになります。
発酵いらずの簡単おかずパン
夜のうちに下準備しておきましょう
材料 | 6コ分(作りやすい分量) |
(A) | |
薄力粉 | 200g |
ベーキングパウダー | 小さじ2 |
塩 | 小さじ1/4 |
砂糖 | 小さじ2 |
ヨーグルト(無糖) | 200g |
牛乳 | 大さじ4~5 |
ウインナーソーセージ | 3本(70g) |
スイートコーン(ホール) | 60g |
ピザ用ミックスチーズ | 80g |
イタリアンパセリ(あれば) | 1軸 |
マヨネーズ | 20g |
作り方
- ボウルに(A)を入れてゴムベラでさっと混ぜ、ヨーグルトを加えて混ぜます。
- 1.の固さをみながら牛乳を加えます。全体に粉っぽさがなくなるまでさっくりと混ぜ合わせます。
- 天板にオーブンシートを敷き、2.の生地を6等分にして丸く落とします。
- ウインナーは5mmの輪切りにします。
- 3.の生地の上に4.、コーン、チーズ、パセリをのせ、マヨネーズを搾り出します。
- 180℃のオーブンで18分間ほど焼き色がつくまで焼きます。
リンゴとクルミの食感で体が目覚めます
材料 | 2人分 |
リンゴ | 1コ(250g) |
セロリ | 1/2本(50g) |
クルミ | 15g |
レーズン (ぬるま湯で戻す) |
大さじ2 |
(A) | |
マヨネーズ | 50ml |
プレーンヨーグルト | 大さじ1・1/2 |
レモン汁 | 小さじ1/2 |
塩 | 小さじ1/3 |
白こしょう | 適宜 |
レタス | 2枚 |
作り方
- リンゴは1/4量を残して皮をむき、5mm幅のいちょう切りにし、サッと塩水につけて水切りをします。残したリンゴは皮つきのまま5mm幅のいちょう切りにします。
- セロリは皮をピーラーでむき、斜め薄切りにします。水に晒し、水切りをします。
- クルミは一部を残して刻みます。
- レーズンはぬるま湯で戻します。
- (A)を混ぜ合わせ、ペーパーで水気を取った1.~4.を加えて和えます。
- 器に手でちぎったレタスを敷き、5.をのせて3.で残しておいたクルミを散らします。
朝のお楽しみ!あらかじめ作っておきましょう
材料 | 2人分 |
桃(1コ200~220g位) | 2コ |
(A) | |
水 | 200ml |
白ワイン | 50ml |
グラニュー糖 | 100g |
レモン汁 | 大さじ1/2 |
バニラビーンズ | 1/4本(縦に割る) |
水 | 大さじ2 |
粉ゼラチン | 1袋(5g) |
スライスアーモンド(炒ったもの) | 適宜 |
ミント | 2枝 |
作り方
- 桃は沸騰した湯に1コずつ入れ、すばやく水にとって皮をむきます。
- (A)を鍋に入れて煮立て1.を煮汁をかけながら弱火で5~10分間程煮てから、バニラビーンズを取り出します。
- 分量の水にゼラチンを振り入れてふやかし、2.に混ぜます。
- 3.の粗熱を取り、ボウルに移して氷水で冷やします。(冷蔵庫に一晩入れるとふるふるのゼリーとなります)
- 器に4.の桃を盛り、ゼリーを周りにかけます。
※桃を煮る時間は、桃が軟らかい場合は短く、硬い場合は長くします
※ゼラチンは短時間で固まる分量になっています。ゆっくりと固める場合は、ゼラチンの分量を半分にします
※写真にはバラのジャムやヨーグルトを添えました