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初めての1人暮らしごはん

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

パパッと2人ごはん~春野菜が食べたい~

 前シリーズでは「かんたんコース料理」と題し、家庭でも手軽に作る事ができるコース料理のレシピを、とっておきのテーブルコーディネートとともにご紹介しました。今シリーズは、(1)初めての1人暮らしごはん、(2)パパッと2人ごはん、(3)一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピをご紹介しています。各ジャンルを毎月順番に取り上げ、その月のテーマに沿って役立つ情報とおすすめレシピをお届けします。

 第8回目の今月は、「パパッと2人ごはん ~春野菜が食べたい~」

やわらかな日差しに花の香りが漂う春。ポカポカ陽気に誘われて、動物や虫たちも活動を始めます。木の芽や草花も成長し、店頭にはみずみずしい山菜や春野菜が並びます。春野菜は、色鮮やかで栄養価が高いのが特徴です。そして、春野菜に含まれるほろ苦さには、体内の細胞を活性化し、代謝が悪くなる冬の間にたまった老廃物を体外に排出する働きがあります。今月は、今食べたい春野菜の特徴と春野菜をおいしく食べられるレシピをご紹介します。

★体を目覚めさせる春野菜

暖かい日が多くなり、気分も行動も活発になる3月。しかし、一方で「やる気が出ない」「体が重い」「疲れがとれない」という話をよく聞きます。この時期は年度末で忙しいということもあり、疲労やストレス、睡眠不足などで、体調を崩しやすくなります。また、冬から春への季節の変化に体が適応しきれないことも、原因のひとつです。そんな時におすすめなのが春野菜。春の息吹をたっぷりいただいて、心も体もリフレッシュしましょう。

■山菜(ウド、ワラビ、セリ、コゴミ、タラの芽など)


<ワラビの松前漬け>

【旬】

2月から4月

【特徴】

苦みやえぐみは、細胞に刺激を与えて胃腸の働きを活発にし、体のリズムを冬から春へと整えてくれます。


■菜の花

【旬】

2月から4月

【特徴】

ビタミンB1、B2、C、βーカロテンが豊富で、タンパク質、カルシウム、鉄分、食物繊維も多い、春を代表する緑黄色野菜です。苦み成分のイソチアシアネートは、血液サラサラ効果やガン予防、デトックス作用が期待できます。


■たけのこ


<春野菜と魚の子の炊き合わせ>

【旬】

3月から5月

【特徴】

食物繊維が多く、冬の間にたまった体内の有害物質や老廃物を排出し、腸内環境を整えて免疫力を高めます。歯ごたえがあるため、よくかむことで消化促進や脳の活性化、歯やあごの健康にもつながります。


■ふき


【旬】

2月から5月

【特徴】

食物繊維やカリウムが多く含まれます。ふきに含まれるポリフェノール類は、花粉症などのアレルギー疾患の症状を抑える抗アレルギー作用があるといわれています。昔から咳やたんにはふきが良いと言われ、消化促進や食欲増進などの効果も広く知られています。


■春キャベツ

【旬】

3月から6月

【特徴】

美しい緑色で巻きがゆるく、小ぶりで丸いキャベツです。みずみずしくて柔らかく、甘みがあります。
ビタミンU(キャベジン)は、胃腸の炎症や潰瘍を予防し、胃腸の健康に役立ちます。ビタミンC も豊富で、ストレス解消や風邪予防、美肌などに効果があります。


■新玉ねぎ

【旬】

2月から5月

【特徴】

新玉ねぎは春先に玉ねぎを早取りしてすぐに出荷したものです。みずみずしくて苦みが少なく、甘みがあるため、生でおいしく食べられます。揮発性の硫化アリルは、血液サラサラ効果が高く、生活習慣病予防が期待できます。また、ビタミンB1の吸収を高めるため、疲労回復や精神安定、不眠解消などに役立ちます。


■新じゃがいも


【旬】

3月から6月

【特徴】

掘りたてで皮が薄く、水分量が多くてみずみずしいのが特徴です。じゃがいものビタミンCは、でんぷんに守られているため、加熱調理した時の損失が少なく、効率よく摂取できるという利点があります。カリウムも多く、高血圧や動脈硬化、むくみなどの予防にも効果があります。


■えんどう豆

【旬】

3月から6月

【特徴】

えんどう豆には、若いさやを食べるさやえんどう(絹さや・写真左)、さやの中の実を未熟なまま取り出して食べる実えんどう(グリーンピース・写真中央)、大きくなったさやと実の両方を食べるスナップえんどう(写真右)があります。いずれも緑黄色野菜で、生活習慣病予防に効果的なβ―カロテン、ストレス解消や美肌効果も高いビタミンCが豊富です。ビタミンB群も多く、疲労回復効果が期待できます。


たっぷり野菜とチキンのクリームソース

彩り豊かで栄養バランスも良い洋風煮込み

エネルギー445kcal、タンパク質31.9g、脂質21.2g、塩分2.0g(1人分)
材料 2人分
鶏もも肉 1枚(300g)
小さじ1/3
白こしょう 少々
小麦粉 適量
(A)  
バター 10g
サラダ油 少々
(B)  
新玉ねぎ 50g
赤パプリカ 1/4コ(30g)
新じゃがいも 1/2コ(100g)
グリーンアスパラガス 2本(50g)
はたけしめじ 1/2株(70g)
(C)  
150ml~
白ワイン(又は酒) 50ml
生クリーム 70ml
小さじ1/4弱
こしょう 少々
あさつき
(又はセルフィーユ)
適量

作り方

  1. 鶏肉は脂身を切り取り、1枚を2等分にして、身の厚い部分に切り込みを入れ、火の通りをよくします。
  2. 1.に塩とこしょうを振り、小麦粉を両面につけます。
  3. フライパンに(A)のバターと油を入れて、2.を中火でじんわりと焼き目をつけます。
  4. (B)の野菜は7mm~1cm角位の大きさに切り、じゃがいもは水に晒します。
  5. 3.の焼き目がついたら、裏返して4.の野菜(アスパラガス以外)をのせ、(C)を加えます。
  6. 5.のフライパンにフタをし、中火で鶏肉と野菜に火を通します。
  7. 6.が9分通り火が通ったらアスパラと生クリームを加え、手早くからめつけるようにして煮ます。
  8. 7.を塩とこしょうで調味し、器に盛ります。
  9. あさつきかセルフィーユを添えます。

とり貝と春野菜のサラダ ~柚子ごしょうドレッシング~

春野菜のほろ苦さで体をリフレッシュ

エネルギー117kcal、タンパク質7.9g、脂質5.3g、塩分1.8g(1人分)
材料 2人分
とり貝(ゆで・刺身用・大) 4~6枚
木綿豆腐 1/8丁
うど 90g
新たけのこ(ゆで) 80g
トマト(中) 1/2コ
水菜 60g
きゅうり 1/2本
(A)
酢(純米酢) 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
サラダ油 大さじ1
小さじ1/3
柚子ごしょう 小さじ1

作り方

  1. とり貝はゆでたものを買い求め、適当な大きさに切ります。豆腐は水によく晒してから小角に切り、ペーパータオルの上で水気を切ります。
  2. うどは皮をむいて短冊切りにし、水に晒します。
  3. たけのこはサッと熱湯に通してから、薄切りにします。
  4. トマトはくし形に切ってから2~3つに切ります。水菜はていねいに洗って、4~5センチ長さに切ります。
  5. きゅうりはうどと同じような形に切ります。
  6. 大きめのボウルに(A)を混ぜ合わせ、2.~5.の水気をとって、1.と共に和えます。
  7. サラダ皿に盛り付けます。

※写真はドレッシングを別に添えました。


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